2018/10/19 LROニュース(6)

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  • 2018.10.22 UP
    2018/10/19 LROニュース(6)
    • 【1】 Frontex、無人航空機による国境監視の試行を開始
      • 欧州国境沿岸警備隊(Frontex)は、中高度長距離無人航空機による国境監視をギリシャ、イタリア、ポルトガルで試行している。この試行では、実地における国境監視のほか、海上監視、海難救助支援、薬物・武器密輸等の犯罪船舶の特定、複数機関間でのリアルタイムな情報共有についても試行が行われる。Frontexが試行する無人航空機は、赤外線カメラやレーダーなどの監視機器を備えており、ギリシャとイタリアでの試行は年内に完了する予定である。またポルトガルでは、欧州海上保安機関(EMSA)との協力のもと、EMSAの機体を使用している。
      • 原文 Sep. 28, 2018,Frontex(武智敬司)
    • 【2】 2030年以降、北極は寒冷化の予測も海氷域面積は減少の見込み
      • 9月26日から27日にかけて露ムルマンスクで北極圏の持続可能な開発に向けた官民協力に関する地域公共対話フォーラムが開催されたところ、ロシア北極南極研究所の研究者は、北極が2030年から新たな気候サイクルに入り、その後70年間は気温が低下するとの予測を発表した。一方、海氷域面積については、人類起源の要因によって2050年までに観測史上最小を記録した2012年と同規模の約300万㎢になり、さらにこのまま人類による影響が制限されなければ、100万㎢まで減少する可能性もあると指摘した。
      • 原文 Sep. 27, 2018, TASS(野口美由紀)
    • 【3】 港湾岸壁において船舶に供給される電力を非課税とすることを欧州議会交通委が可決
      • 岸壁に停泊中の船舶が従来とおり船舶燃料を使用して補助機関で発電した場合には船舶燃料は非課税となるが、港湾における船舶からのCO₂排出量を削減するために船舶の補助機関で発電せず、岸壁に設置された陸上電源から電力の供給を受ける場合には、当該電力には課税されるため、港湾陸上電源(OPS)整備促進の妨げとなっていた。EUエネルギー課税指令(Energy Taxation Directive: ETD)の制限の下で、スウェーデン・独・デンマークは船舶に陸上から供給される電力に課税される税の軽減措置を導入しているが、9月24日、欧州議会の交通委員会で、当該電力供給に対する非課税措置が提案され可決された。欧州港湾協会(ESPO)も、恒久的な非課税措置の導入を支持している。
      • 原文 Sep. 26, 2018, World Maritime News(長谷部正道)
    • 【4】 バルト海:良好な環境状況の達成には更なる対策が必要
      • バルト海洋環境保護委員会(HELCOM)が、2011年から2016年のバルト海の環境状況に関する第二次総合評価報告書(HOLASⅡ)を公表したところ、その概要は以下のとおり。①周辺国の連携により、バルト海に流出する栄養分や有害物質は減少している。②しかし、2021年までに健全なバルト海の実現を目指した「バルト海行動計画(BSAP)」で掲げられた環境目標の達成には至っていない。③特に大きな問題となっているが富栄養化で、バルト海の97%に影響を与えており、これによる経済的な損失は毎年38億ユーロから44億ユーロに上ると推計されている。④また、マイクロプラスチックによる汚染や薬品残留物、海中騒音、気候変動による影響が更なる環境負荷を与えている他、生物多様性の状況も良好ではなく、水産資源や海洋生息環境、ネズミイルカやワモンアザラシ等の哺乳類は特に被害を受けている。⑤現在、HELCOMは本報告書の結果に基づき、BSAPの更新に向けて作業に取り組んでいる。
      • 原文 Sep. 25, 2018, HELCOM(Julie Harper)
    • 【5】 北極の急速な温暖化で米国の異常気象が多発化
      • 9月25日、米ラトガース大学とウィスコンシン大学の研究者らが行った北極の温暖化と米国の異常気象の関係に関する研究論文が米科学誌Earth and Space Scienceに掲載されたところ、その概要は以下のとおり。①米国の日降水量と太平洋東部及び北米の大気循環パターンを調査したところ、この数十年で乾燥や降雨が4日以上続く気象パターン(Long-duration events: LDEs)の発生頻度が増加していた。②とりわけ、この傾向は北極が異常な高温に見舞われた際に見られることも明らかになった。③そのため、北極の温暖化が続けばLDEsはより多発し、その結果、干ばつや長期間の低温、熱波、洪水等の極端な異常気象もより頻繁に発生すると考えられる。
      • 原文 Sep. 25, 2018, American Geophysical Union(野口美由紀)
    • 【6】 世界の7港湾が世界港湾気候変動行動計画を立ち上げ
      • 9月13日、ハンブルグ港・バルセロナ港・アントワープ港・ロスアンゼルス港・ロングビーチ港・バンクーバー港・ロッテルダム港は世界港湾気候変動行動計画(World Climate Action Program: WCAP)を結成し、気温上昇を2℃以内に抑え込むため、海上輸送から排出されるCO₂の削減を促進するために、連携していくことを確認した。具体的には①デジタル技術を活用して物流チェーンの効率化を増進する。②GHG削減のためにより広い地域が連携して共通の野心的な対策を進める。③港湾に入港した船舶に対して持続可能な動力源を提供するなど、GHGゼロ排出対策を進める。④CO₂の排出量が少ない経済的に持続可能性のある船舶燃料の開発や、電動船舶のためのインフラの整備を加速する。⑤全くCO₂を排出しない港湾荷役機械の導入を加速する。
      • 原文 Sep. 13, 2018, WPSP(長谷部正道)
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