2018/1/31 LROニュース(7)

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  • 2018.01.31 UP
    2018/1/31 LROニュース(7)
    • 1】 環境団体と海運業界が共同で2020年規制不適合燃料油の海上輸送禁止を要請
      • 1】クリーン海運連合(Clean Shipping Coalition: CSC)、Friends of the Earth US等の環境団体とバルチック国際海運協議会(BIMCO)、国際海運会議所(ICS)、国際独立タンカー船主協会(INTERTANKO)等の海運業界団体は、硫黄含有分0.5%以上の2020年硫黄有分規制に適合しないバンカーの海上運送禁止を求める共同声明を発表した。該当団体は、スクラバー搭載等の承認された遵守方法が採用されていない限り、硫黄分0.5%以上の燃料を運送する理由はないので、こうした運送禁止は硫黄分規制強化の厳格で簡素化された整合的な実施に貢献するとしている。本件は2月に開催されるIMOの汚染防止・対応小委員会で議論されるが、多くの海運業界団体やノルウェーやクック諸島から既に、運送禁止のためにMARPOL附属書VIを改正する提案が提出されている。
      • 原文 Jan. 22, 2018, BIMCO (Dafnis)
    • 2】 サンチ号から重油バンカーが流出しているのをITOPFが確認
      • 2】油濁事故の処理に関する専門団体である国際タンカー船主汚染防止連盟(ITOPF)の事務局長は、サンチ号から重油バンカーが漏出していることを確認した。ITOPFは気象海象条件が良ければ沈没している船体から残っているバンカーの流出を止め回収することは技術的には可能であるとしているが、中国国家海洋局によれば、水深115mの海底に沈没した船体に積み荷のコンデンセート油が残っていれば、バンカーの流出を止める作業中に、発火性の高いコンデンセート油に引火し再爆発する可能性が高いので危険性が高いとしている。なおサンチ号のサルベージ作業については、船主のイラン国営タンカー会社(National Iranian Tanker Company: NITC)の同意が必要となる。
      • 原文 Jan. 22, 2018, Ship & Bunker (長谷部)
    • 3】 デンマーク政府が2025年を目途に世界の海事ハブになる成長計画を発表
      • 3】海事戦略チームの勧告に基づいた成長計画では、海上自律運航技術や海事デジタル化の分野で世界をリードし、船員の働く場を増やし、船長や船舶職員を養成する訓練コースの定員を拡充し、業界とともに包括的な海事マーケッティング戦略を開発することなどを目標としている。成長計画は2017年11月に既に業界と合意した事項に基づいており、具体的には、デンマーク国際船舶登録制度(Danish International Register of Shipping: DIS)をオフショア特殊船舶に乗船する船員に適用する特例措置の延長や、DIS船舶登録料の無料化等が含まれる。船舶登録料の無料化により、マースクなどが自社船を外国籍からデンマーク籍に登録変更して、デンマーク籍船が増加することを期待している。また離島航路に就航するフェリーの標準船型化も具体策として含まれている。
      • 原文 Jan. 23, 2018, DMA (長谷部)
    • 4】 バラスト水管理装置の選択に当たっては製造事業者の選択も重要
      • 4】(論説)USCGが9月22日付で発表したバラスト水管理装置(BWMS)に関するブログで、BWMS製造事業者が廃業した場合に、引き続き船舶に装備したBWMSの型式認定を維持するための要件が解説されているが、各BWMSは型式認定に含まれる部品を使用しないとその運用・管理・修理ができないので、製造事業者が廃業する場合、他社が当該BMWS技術を買い取って型式認定証明書を再取得しない限り、型式認定が5年以内に失効し、法定要件を引き続き満たすための必要な部品を購入することは不可能となる。従って、BWMSの選択に当たっては、システム自体の性能を検討するだけでなく、システム製造事業者の能力や過去の実績、海外展開の有無、海事分野に通じているか否かなどを併せて検討する必要がある。
      • 原文 Jan. 22, 2018, Alfa Laval (Dafnis)
    • 5】 欧州船主協会も港湾における廃棄物処理手数料定額制度に懸念を表明
      • 5】欧州船主協会(ECSA)が欧州委員会のプラスチック戦略と港湾廃棄物受け入れ施設命令に対するコメントを発表したところその概要は以下のとおり。①船上で発生した全ての廃棄物を陸上の受け入れ施設で処理することを奨励することによって、廃棄物の違法な海洋投棄を防ぐという命令の目的を支持②妥当で整合性が取れ実施が可能な廃棄物処理料金制度の導入は歓迎③廃棄物処理に関する港湾における手続きはできるだけ効率化し、その費用も受容可能な水準以内に維持すべき④港湾で受け入れるごみの量の多寡にかかわらず、定額の廃棄物処理料金を徴収することについては、船内でゴミの量を削減する努力が失われ、港湾の廃棄物受け入れ施設管理者がどれだけの廃棄物を受け入れる必要があるか予測し、必要なコストを賄う料金設定をすることを難しくするので問題がある。
      • 原文 Jan. 23, 2018, ECSA (長谷部)
    • 6】 ReCAAP週間レポート(1月16日-18日)
      • 6】アジア海賊対策地域協定情報共有センター(ReCAAP ISC)が1月16日から18日の間に報告を受けた海賊及び武装強盗事件は2件であった。①1月1日午前3時30分頃、マニラ港South Harbour錨地に錨泊中のリベリア籍コンテナ船に機付カヌーから5人の賊が侵入したため、コンテナ船船長は直ちに港湾当局に通報した。通報を受けた比沿岸警備隊が巡視船を派遣し、付近で当該カヌーを発見、5人の賊を拘束した。コンテナ船から盗まれた溶接機、空気呼吸器、ワイヤー、ペンキは取り戻された。 ②1月18日午前0時23分頃、バングラデシュからインドネシアのバタム港に向け長大物件を曳航中の英国籍作業船がシンガポール海峡東行航路を航行中、2人の賊が乗ったボートが接近したため警報を作動させるとともにシンガポールVTISに通報した。賊は作業船に乗り込むことなく逃走した。
      • 原文 Jan. 22, 2018 ReCAAP ISC (武智)
    • 7】 北極圏における接続性の確保の重要性
      • 7】北極評議会の議長国であるフィンランドの交通・通信大臣がArctic Frontiers 会議の開催にあたり、北極圏における接続性の確保の重要性について寄稿しているところ、海運に関する概要は以下のとおり。①デジタル化の進展によって、北極圏における交通には新たな可能性が開けてきたが、例えば海運では海氷の状況をリアルタイムで把握しなくてはならないなどの課題が依然としてある。②フィンランドは2月にIMOの極海コードに関する国際会議を開催し、北極海における航行の安全の強化と極海コードの統一的な適用を促進する。③交通・通信省は同国地理空間研究院(Geospatial Research Institute)と共同で、北極海における衛星を利用した航海の問題点とその解決策について調査を行っている。
      • 原文 Jan. 23, 2018, High North News (長谷部)
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