2017/8/31 LROニュース(4)
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2017.08.31 UP
2017/8/31 LROニュース(4)
- 1】カナダ軍が北極圏で大規模HNS事故対応演習を実行
- 1】過去10年間、カナダ軍は毎年北極圏におけるカナダ軍の運用能力を向上し、軍事・国家安全保障上の脅威から捜索救助活動に至るまで、様々な脅威や状況に対応するための訓練を北極圏で行ってきた。今年のカナダ最大の北極圏における夏季軍事演習である1NANOOK作戦は、ヌナブト準州のランキン入り江で有害な科学物質を積載した補給艀が爆発炎上し、重大な環境汚染が発生したため、小さな集落の住民を避難させるというシナリオに基づいて実施され、官民・軍の幅広い関係者が参加し、火災による死傷者の救護・火災によって発生した有害な煙への対応・シェルターへの緊急避難等の訓練を行った。 原文 August 23, 2017, RCI (長谷部)
- 2】新たなECDIS規制の適用の繰り延べを船主が要請
- 2】IMOの規制によれば、船主は9月1日より船舶の電子海図情報表示システム(ECDIS)を国際水路機関(IHO)の新たな基準に対応するよう改修し、新たなシステムを運用できるように船員を訓練しなければいけないが、ECDIS製造事業者によれば、実施期限内の履行は非常に困難で、多くの船主がいまだに新たな規制に対応できていない。パリ・東京MoUなどのPSC実施機関は9月よりECDISに焦点を当てた集中検査キャンペーン(CIC)を実施し、新たな規制に従っていない船舶には出港禁止命令をかけるとしている。しかし、多くの船主とECDIS製造事業者は新たな基準であるIEC 61174 edition 4とIHO S-52 附属書edition4の適用を延期し、船主と規制の履行を担保する船級協会に更なる時間的余裕を与えるため、船主がECDISメーカーと新基準に沿ったECDISの改修契約を締結していることを証明できれば、9月1日以降も新規制に対応していない船舶もPSCによる出港禁止命令を回避できるという提案をしている。 原文 August 22, 2017, Marine Electronics & Communication (長谷部)
- 3】ジブラルタルの海上交通・捜索救助センターがEU・STM対応に
- 3】ジブラルタル海峡のタリファ海上交通センターにおいてEUの新たな海上交通管理(STM)対応が可能となり、STM対応の船舶から航海計画を受け取り、船舶の航行を支援することが可能となった。ジブラルタル海峡は年間7万隻の船舶が通過航行する世界的にも最も船舶交通が輻輳する海域の一つだが、スペインの海上安全庁SASEMARが運営するタリファ海上交通センターは海峡北部の西向きの船舶交通を担当している。同センターには海峡全域の捜索救助(SAR)を担当するタリファ救助センターも同居している。今年の夏は北アフリカからの難民の増加に伴い、同センターが対応するSARが増加しているが、同センターは年間約500件のSARを処理している。 原文 August 18, 2017, EU (長谷部)
- 4】露の新型砕氷LNG運搬船が北極海北航路の最短航海記録を樹立
- 4】ヤマルLNG事業のためにロシア最大の海運会社ソヴコムフロトが建造した最新型砕氷LNG 運搬船が、砕氷船の伴走なしで6.5日という北極海北航路の最短航海記録を樹立した。ノルウェーから韓国までの所要運送日数は、従来のスエズ運河経由のルートを使用した場合通常22日間なので、所要日数が約1/3になったことになる。同船舶はヤマルLNG事業への投資と技術的な貢献を決断した仏トータルの前CEOの名前を船名としている。 原文 August 22, 2017, タス通信(長谷部)