2017/7/20 LROニュース(6)

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  • 2017.07.20 UP
    2017/7/20 LROニュース(6)
    • 1】海洋分野におけるEUとアフリカ諸国の間の協力について
      • 1】7月13日、欧州議会がEUとアフリカ諸国の協力関係について簡単に取りまとめたところ概要以下のとおり。EUはアフリカ諸国とは、地中海・大西洋・インド洋を共有しているが、地中海においては、EUの地中海戦略に基づきアフリカ諸国と海洋資源の共同管理などに取り組むほか、アフリカ諸国からの違法移民についても共同対処している。大西洋においては、アフリカ諸国と共通の行動計画を持っていないが、例えば、EU・米・加がメンバーとなっている汎大西洋研究連合に南アフリカが参加することが可能である。インド洋においては、アフリカの沿岸国と協力してEU海軍が海賊の取り締まりに当たっている。海洋安全保安問題が今後とも重要課題であるが、海洋管理に着目したいくつかの科学分野での協力事業も進めていく。
      • 原文 July 13, 2017、欧州議会(長谷部)
    • 2】パリMoUが2016年次報告書を発表
      • 2】7月1日、パリMoUが2016年次報告書を発表したところその概要以下のとおり。入港禁止措置を受けた船舶の数が、2015年の11隻から20隻と2016年は約倍増した。出港禁止命令を受けた船舶の数も対前年比7.3%増加した。年間の検査回数は17840件と2015年の17877件に比べて微減した。2016年の集中検査は9月1日から11月30日まで、海上労働条約(MLC)の順守状況について行われ、3674通のMLCに関する質問票が回収され、この結果、MLC順守違反を理由に42隻が出港禁止命令を受けた。過去3年間でみると、モロドバ、タンザニア、トーゴ籍の船舶が最も多く入港禁止措置を受けた。
      • 原文 July 1, 2017, Paris MoU (長谷部)
    • 3】欧州司法裁判所がスペイン政府に対し港湾運送改革の遅れに対して罰金
      • 3】欧州司法裁判所がスペイン政府に対し港湾運送改革の遅れに対して罰金の支払いを命じた。2014年12月にスペインにおける港湾運送慣行がEU規則に反すると認定された日から、是正措置が取られるまでの間、一日当たり27522ユーロの罰金を支払うことを命じられており、罰金の総額は2400万ユーロに達する見込みであったが、今次判決では300万ユーロに大幅に減額された。判決に対し、スペイン公共労働省は歓迎の意を示したが、3月13日に政府が示した改革案が受け入れられていれば、そもそも罰金を支払う必要がなく残念であるとコメントした。
      • 原文 July 14, 2017, World Maritime News (長谷部)
    • 4】IBIA:MARPOL附属書IVを批准している沿岸国が少ないことに懸念
      • 4】全世界の船舶の96%がMARPOL附属書IV批准国の船舶である一方で、領海を持つ153か国のうち、63か国しか同附属書を批准していないことから、硫黄含有分の規制強化の実施に問題が生じるのではないかという懸念が、MEPC71において、中・印・露から表明された。加盟国に同附属書の批准を求める総会決議を行うことが提案されたが、同趣旨の総会決議が既にあることを理由に更なる総会決議は見送られた。国際バンカー業協会(IBIA)は共同提案国と同様の懸念を共有し、IMOは2020年の硫黄含有分規制強化にむけて、旗国によるPSC以外にどのような実行的な措置がとれるのか調査すべきであると示唆している。
      • 原文 July 11, 2017, IBIA (Hannah)
    • 5】中露海軍の協力が持つ意味
      • 5】6月18日に防空駆逐艦、フリゲート艦及び補給艦から成る中国海軍の艦隊が、7月下旬に行われるロシア海軍との合同演習のため海南省三亜市からバルト海に向けて出港したが、この合同演習は次のような意味がある。1つ目は、習近平国家主席が主導する中華民族の復興の一端であること。2つ目は、中国がバルト海進出により、欧州においても、東アジアと匹敵する海上プレゼンスを示す能力があることを、特に英仏に対し示しているということ。3つ目は、南シナ海における中国の人工島造成と支配をロシアが支持したことへの見返りであるということである。
      • 原文 July 12, 2017  The Maritime Executive(武智)
    • 6】極右グループによる地中海移民「救助」活動
      • 6】欧州の極右グループが地中海移民の「救助」のためとして、10万ドルをかけて救助船をチャーターした。「Defend Europe」と称するこの活動は、①慈善NGO団体の救助船を監視してリビア政府に報告する ②違法行為があった場合に介入する ③要請があれば海難にあった移民を救助する であるが、既存のNGOと違い、救助した移民は全てリビアへ送り返すとしている。英国の慈善団体はDefend Europeの活動がKKKの元幹部やネオナチ系メディアの支援を受けた人種差別的なものとして批判しており、ドイツの閣僚もこれを認めている。一方、多くのNGOによる救助船はリビア領海近くで移民を待ち受けて救助しており、これが密航を促進しているとの批判もある。イタリア当局は海難救助を行うNGOの新たな行動指針を検討している模様で、これにはリビア領海への入域禁止や、捜索救助のための特別な許可の導入、生存者の移送の禁止が含まれる。NGO団体はこれらの規制に強く反発している。
      • 原文 June 12, 2017  The Maritime Executive (武智)
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