2017/6/6 LROニュース(5)
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2017.06.06 UP
2017/6/6 LROニュース(5)
- 1】英国船主協会が海賊活動の増加に注意を喚起
- 1】5月24日、英国船主協会はソマリア、ナイジェリア、比における海賊事件の増加に関し、会員の注意喚起を促したところ概要以下のとおり。国際海事局(IMB)の海賊報告センター(PRC)によれば、2017年の第一四半期において世界全体で発生した誘拐事件の27件のうち、17件はナイジェリアのバイエルサの30-60海里沖合で発生している。同海域を航行する船舶はギニア湾に創設された情報センター(MDAT-GOG)との連携を強化すべきである。ソマリアについては1950年以来最大の干ばつが海賊事件を増加させている要因であるが、5月に関係国がロンドンに集って新たな海賊対策協定を締結した。比近海で海賊事件を起こしているアブサヤフは単なる海賊ではなく、テロリスト集団と英米諸国から認定されており、テロリストに身代金を支払うことは禁じられている。 原文 May 24, 2017, 英国船主協会 (長谷部)
- 2】中国青島港の新前湾ターミナルがアジアで初の全自動コンテナターミナルに
- 2】5月11日、3年間の建設期間を経て、アジアで最初の全自動コンテナターミナルが中国の青島港新前湾ターミナルで運用を開始した。660mの岸壁に2つの全自動バースが完成し、7台の遠隔操作STSガントリークレーン、38台の自動スタッキングクレーン(ASC)、38台の自動搬送車でコンテナの無人自動積み下ろしが行われる。今回は第1期の事業が完成したが、最終的に第3期までの事業が完成すると、6か所の自動化バースで520万TEUまでのコンテナを自動処理することが可能となる。ターミナルはレーザースキャナーとそれぞれのコンテナの4隅の位置を正確に把握できる位置情報システムで管理され、コンテナを正確に積み上げ、または無人トラックに積載することができる。 原文 May 15, 2017, Port Technology (長谷部)
- 3】USCG幹部が船舶災害発生時の船舶対応計画に対する監督の不備を認める
- 3】5月3日に米国下院沿岸警備・海運小委員会において、米国沿岸警備隊(USCG)の防災担当司令官補のトーマス少将は、船舶の火災や爆発の結果発生する油濁災害を防止するための1990年油濁法の連邦救難救助消火規則に基づき承認された船舶対応計画が適正に実施されることをUSCGがこれまできちんと担保してこなかったことを認める証言を行った。災害発生時における災害対応能力を持った救難船が規則に定められたとおり適正に配置されておらず、一般的なタグボートしか災害対応できない場合も多く、そもそもこうした一般的なタグボートは海上掘削リグなどの災害に対応する免許も持っていない。このような防災体制の不備により、船舶の災害が予想以上の甚大な損害を及ぼす可能性があることを船主やP&Iクラブは認識しなくてはいけない。 原文 May 25, 2017, gCaptain (長谷部)
- 4】国際海運会議所が国連海洋会議向けリーフレットを作成
- 4】国際海運会議所(ICS)が今週(6月5日から9日)国連で開催中の持続可能な開発目標14(海洋と海洋資源の保護と持続可能な利用)に関する海洋会議向けに、外航海運の貢献を説明したリーフレットを作成した。リーフレットでは、環境・経済・雇用面などにおける外航海運の貢献、特に、次回MEPCにICS等の海運業界団体が提案しているCO2削減目標などに焦点を当てて、海運業界として海洋環境の保護に如何に貢献する用意があるかをPRしている。リーフレットは以下のリンクを参照。 原文 ICS (長谷部)
- 5】MSC98に対する国際船級協会の提出文書の概要
- 5】6月7日から16日まで開催される第98回海上安全委員会に国際船級協会(IACS)は共同提案も含めて、10の文書を提出した。「油タンカー及びばら積貨物専用ゴールベースの国際船舶構造基準(GBS)」に関しては、初回審査で指摘された限定的な数の基準不適合については、GBS監査チームの勧告に従い不問に付すことにMSCが同意することを期待する。その他の提出文書の概要については、下記のリンクを参照。 原文 IACS (長谷部)