2017/6/5 LROニュース(5)

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  • 2017.06.05 UP
    2017/6/5 LROニュース(5)
    • 1】IEAがIMOの地球温暖化ガス削減戦略の強化を求める
      • 1】国際エネルギー機関(IEA)は毎年クリーンエネルギー化進捗状況報告書(Tracking Clean Energy Progress: TCEP)を発表し、2025年までに地球温暖化を2度以内に抑え込むという目標に対し、各分野の目標進捗状況を分析報告している。海運の分野において同目標を達成するためには、1隻・1km当たりのエネルギー効率を、IEAの見解によれば2015年から2025年までの間、毎年2.3%向上させる必要があるが、現在IMOが採用しているエネルギー効率設計指標(EEDI)の向上目標は新船だけを対象に毎年わずか1%の向上しか目的としていないので、全体目標達成には全く不十分と評価しており、EEDI向上目標を実施させるための担保措置の強化や、船舶燃料への炭素税の導入を提案している。報告書の本文は以下のリンク参照。
      • 原文 May 2, 2017, IEA (Hannah)
    • 2】Hapag-LloydとUASCの合併手続きが完了
      • 2】5月24日、Hapag-LloydとUASCは合併手続きが完了したと発表した。UASCのブランドは統合が完了する10月末までになくなり、統合後の新会社の価値は80億米ドルに達する見込み。HL社はUASC社のより新しくかつ大型のコンテナ船隊の獲得でコスト削減が期待でき、年間の統合効果は4億3500万米ドルと見込んでいる。統合後のコンテナ船の総数は230隻で160万TEUの輸送能力を持つことになる。平均の船齢は7.2年で、1隻平均6840TEUと競合他社と比較すると平均で3割程度大型の船隊を持つことになる。
      • 原文 May 24, 2017, The Load Star (長谷部)
    • 3】ロールスロイス社が海運の世界に初めてPower-by-the hourサービスを導入
      • 3】航空機の世界では、ロールスロイス社のエンジンに取り付けた様々なセンサーを活用して、ロールスロイス社が航空会社からエンジンの遠隔保守管理業務を請け負うことが一般化しているが、今般、ロールスロイス・マリン社はNor Lines社が保有するLNGをバンカーとするノルウェーで最初の沿岸貨物船にロ社が提供した全ての装置にセンサーを取り付け、必要な保守管理・予防的整備をロ社の陸上のコントロールセンターから行い、必要に応じて技術者を船舶に派遣するという海運業界では初めての契約を締結した。航空機の場合と同様に、船社はロ社に対して、装置を購入する代金を支払わない代わりに、ロ社の保有する装置の1隻・1時間当たりの使用対価を支払うことになる。日常の船上における管理業務は船社が引き続き行うが、計画的な保守管理はロ社が行う。この契約により船社は装置の故障というトラブルに自らかかわることなく、ロ社の装置を常に理想的な状況で使用することができる。
      • 原文 May 24, 2017, Rolls-Royce (長谷部)
    • 4】ノルウェーが同国企業からBWM装置等を購入する船主に輸出信用を供与
      • 4】「ノルウェー輸出信用(Export Credit Norway: ECN)」は、ノルウェーの企業からスクラバー、バラスト水管理装置(BWMS)、新たな船舶塗装システムを購入し、既存の船舶に設置する世界各国の船主に専門家チームを派遣して、オーダーメイドの与信供与を行う活動を開始した。世界で約6万隻の船舶に、2020年までにスクラバーを、2021年までにBWMSを設置されることが予想されている。ノルウェー国内で製造された部品を30%以上使用した上記装置の購入にあたっては、購入総額の85%までをECNが融資することができる。
      • 原文 May 24, 2017, ECN (長谷部)
    • 5】国際バンカー産業協会が海運業界のGHG削減提案を支持
      • 5】5月23日、国際バンカー産業協会(IBIA)は、国際海運会議所(ICS)等の海運業界団体がMEPC71に提出したGHG削減提案を支持することを表明したところその概要以下のとおり。パリ協定に従えば、加盟国は2018年にCOPに「各国が決定した貢献 (Nationally Determined Contributions: NDCs)を報告しなければならないが、IMOが同じタイミングで野心的な目標を表明するのは当を得ている。ICS等はIMOで採択された3段階方式も支持しており、IMOは2018年に決定される暫定目標を実際に収集された情報に基づいて見直すことができる。国際海運活動から発生するCO2の総量を2008年の実績量以下に抑制し、トンキロあたりのCO2発生量を2050年までに2008年の水準の半分以下にするという目標は野心的で、後進国からの反発も予測されるが現実的な妥協案である。
      • 原文 May 23, 2017, IBIA (長谷部)
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