2017/5/31LROニュース(8)

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  • 2017.05.31 UP
    2017/5/31LROニュース(8)
    • 1】欧州船主協会がBrexit交渉に関する要望を発表
      • 1】5月16日、欧州船主協会(ECSA)は今後開始されるBrexit交渉に関し、欧州船主としての要望事項を発表したところ概要以下のとおり。欧州海運業界が適正にBrexitに向けて準備と計画ができるように、交渉の目的とプロセスの透明性を保つことが重要である。交渉の結果、EUや英国の船社が不利な競争条件化に置かれないよう配慮するとともに、IMO等の場における世界的で共通な基準の策定にあたっては、欧州員会、EU加盟国そして英国が今迄とおり共通のスタンスで協力を続けるべきである。短期的には以下の3つの課題を重点的に担保する必要がある。①英国とEUの間における煩瑣な手続きのない輸送②英国・EUそれぞれの船員・船社のスタッフ・乗客の自由な移動③EU内、英国内、および海洋オフショア市場への相互に自由な市場参加(カボタージュ市場への相互参加)。
      • 原文 May 16, 2017, ECSA (長谷部)
    • 2】欧州委員会が船舶起源のごみの処理に関するEU指令の国内法化を要請
      • 2】EU域内の港湾に入港する船舶に対して、船舶から排出される一般ごみや貨物の残滓に関し、寄港地で積み下ろす量や船内において貯蔵出来る量、直前に寄港した港で実際に積み下ろした量などを入港前に報告することを求める命令(EU 2015/2087)を欧州員会は2015年に策定し、加盟国に対し2016年12月9日までに当該命令の内容を国内法制化することを求めていた。しかし、オーストリア、サイプラス、ポルトガル、ルーマニアの4か国は未だ国内法制化を実施していないので、2か月以内に国内法制化を図るべきこと、国内法化されない場合は、本件を欧州裁判所に提訴することを、欧州委員会は5月17日に当該4か国に通告した。
      • 原文 May 17, 2017, EU (Hannah)
    • 3】インド海軍がアデン湾でばら積み船を海賊の攻撃から救出
      • 3】5月16日夕刻、アデン湾を航行していたインド海軍の艦艇が1万7025トンのリベリア籍ばら積み船からの遭難信号を受けて、現場に急行すると2隻の母船と5隻のボートからなる海賊船の集団にばら積み船が追跡されているのを発見し、搭載していたヘリの空中からの援護を受けながら、救出作戦にあたった。臨検した母船の1隻から1丁の自動ライフルと28の弾倉を押収した。インド海軍は2008年10月から、24時間体制で毎日アデン湾の哨戒活動に従事しており、今回で41回目の海賊抑止となった。哨戒活動開始以来、3749隻の商船を護衛し、120名の海賊を拘束している。
      • 原文 May 17, 2017, Times of India (長谷部)
    • 4】ICCTが北極海における海運活動による重油と黒煙に関する報告書を発表
      • 4】環境にやさしい交通に関する国際協議会(ICCT)はこのほど、北極海において今後増えていく海運活動に伴う重油と黒煙による環境リスクに関する報告書を発表したところ概要以下のとおり。2015年に北極海で使用されているバンカーの57%が重油であった。バンカー内の硫黄含有分は2020年までに0.5%以下に削減する規制強化の実施により、北極海における重油バンカーの使用量は2025年には対2015年比15%以下となる。しかし、低硫黄分バンカーは重油と比べて、黒煙の排出量が多い。2015年に北極海で排出された黒煙の2/3が船舶起源で、そのうち1/4が漁船から排出されている。北極海における重油の運送・バンカーとしての使用の禁止は油濁環境被害のリスクと排気ガスを減らすが、より徹底した措置として蒸留油も含むあらゆる石油製品の運送・バンカーとしての使用禁止も考えられるがコストが非常に高くつくのが難点である。ロシアが北極海における重油使用の大部分を占めていることから、以上のような規制は北極評議会で地域的政策として策定することも可能だが、やはり世界的なレベルで以上の規制を検討し適用することが望ましい。
      • 原文 May 2017, ICCT (Hannah)
    • 5】NGO船舶解体プラットフォームが裁判所の船舶競売方法を批判
      • 5】5月6日、バングラデシュのチッタゴンの船舶解体所で作業員が転落死した。この結果、同解体所では今年に入ってから合計6名の作業員が事故死した。今回事故が発生した船舶は破産した旧韓進海運の船舶でシンガポール裁判所により競売にかけられた結果、劣悪な低コストで解体できるバングラデシュの船舶解体場に転売する目的で落札された。独の海運会社の破産財産の処分でも同様に裁判所の競売の結果、南アジアの劣悪な船舶解体所で船舶が解体されている。NGO船舶解体プラットフォームは、裁判所における破産管財手続きにおいては、船舶を南アジアの船舶解体所に売却することに伴う環境上・人道上の影響を裁判所は全く考慮していないと批判している。
      • 原文 May 18, 2017, Shipbreaking Platform(長谷部)
    • 6】ナイジェリア沖で6名の船員が誘拐される
      • 6】国際海事局(IMB)によると、5月17日、ナイジェリアの南方沖約21カイリの地点で一般貨物船が海賊の襲撃を受けて6名の船員が誘拐された。残された船員が船舶を引き続き運航し、Bonny錨泊地に到着後ナイジェリア海軍に通報し、同海軍が事件を調査中。
      • 原文 May 19, 2017, World Maritime News (長谷部)
    • 7】英国海運交通労組が低賃金の外国人船員の雇用に抗議
      • 7】英国海運交通労組(Maritime Union RMT)が5月18日、英国のプール市で開催された「欧州海の日2017」(訳者も参加)の会議場前で、低賃金の外国人船員の使用を減らすように抗議行動を行ったところ、RMTの主張の概要以下のとおり。①欧州域内の海域で50万人の船員が就労しているが、56%がEU域外国出身の低賃金の船員である。②英国企業は87000人の部員を雇用しているが英国人の部員はわずか1割に過ぎない。③2020年までに約3000人の英国人部員が引退するが補充のために訓練を受けている英国人訓練生は極めてわずかである。
      • 原文 May 15, 2017, RMT (長谷部)
    • 8】ロシア政府が国営船社のSovcomflotの株式の一部を小規模投資家に分散売却
      • 8】ロシア政府は6月にも世界で第2位の原油タンカー運航会社である国営船社のSovcomflot社の株式の一部を小規模投資家に分散売却する予定。同社は大手エネルギー会社と長期の用船契約を締結しており経営は安定している。原油価格の低迷が続いているので、株式の売り出し価格も低く、小規模投資者には今後の石油価格の回復も織り込むと良い投資機会となる。ロシア政府は同社の経営に将来的に口出しするような大手戦略投資家に一括して同社の株式を売却することは考えていない。
      • 原文 May 18, 2017, Reuters (長谷部)
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