2017/5/24LROニュース(8)

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  • 2017.05.24 UP
    2017/5/24LROニュース(8)
    • 1】国際海事局が2017年第一四半期の海賊事件に関する報告書を発表
      • 1】5月4日、国際商工会議所(ICC)の国際海事局(IMB)が2017年第一四半期の海賊報告書を公表した。当該期間中に前年と比べて微増の、43隻の船舶が海賊の攻撃を受け、58人の船員が人質に取られた。ナイジェリア沖と2月に2名の船員が殺害されたフィリッピン南方海域を海賊多発地域としているほか、インドネシアでは停泊中の船舶からの軽微な窃盗事件が多発している。ソマリア沖では2012年5月以来鎮静化していた海賊事件が発生し、2隻の船舶が実際に乗っ取られた。世界全体では、海賊が乗船に成功した事例が33件となっている。
      • 原文 May 4, 2017, ICC (長谷部)
    • 2】欧州委員会が欧州国境沿岸警備隊に関する3回目の進捗報告書を発表
      • 2】5月2日、欧州員会は第3回目の欧州国境沿岸警備隊の進捗報告書を発表した。報告書によれば、EUと域外国との国境警備能力を強化するための部隊の活動や装備の充実は進展を見せているものの、外部国境の第一線に立っている国々、特にギリシアとイタリアは、人的側面でも技術的な装備の面でも、共同作戦行動の枠組みの中で、さらなる支援が必要で、特に沿岸警備隊の緊急出動に必要な沿岸警備艇等の装備の充実が依然として必要である。欧州委員会は10月にも欧州統合国境管理の戦略的な枠組みに関する提案を行うと表明し、次の進捗報告書を夏に発表するとしている。
      • 原文 May 2, 2017, EC (長谷部)
    • 3】東京・パリMOU:新たな閣僚宣言を採択
      • 3】5月3日から4日、東京MOUとパリMOUの閣僚会合が開催され、29か国によりPSCに関する新たな閣僚宣言が署名された。会議には加盟国の大臣のほか、IMOの事務局長をはじめ、ILO、国際海運連盟(ISF)、国際交通労連(ITF)、国際船級協会(IACS)からも代表が出席した。閣僚宣言には、バンカー中の硫黄含有分規制の強化、ポーラーコードの発効、電子証書の承認などの内容が盛り込まれている。
      • 原文 May 5, 2017, The Maritime Executive (長谷部)
    • 4】中国がミヤンマーの戦略港湾の支配権を狙う
      • 4】ミヤンマーのベンガル湾に面する戦略港湾のチャウピュー港の支配をねらって中国国際信託投資公司(CITIC)グループが主導するコンソーシアムがミヤンマー政府に対し、同港の70-85%を出資する提案を行っていることが判明した。この提案は中国政府の一帯一路政策に基づくもの。ミヤンマー政府は中国との間で50対50の出資比率を提案していたが、CITICはこれを拒否していた。中国政府は既に36億米ドルを投資したMyitsoneダムを諦める代わりに、ベンガル湾を含む新たな戦略的な投資機会を与えるようミヤンマー政府に働きかけている。チャウピュー港は中国に通じる石油・ガスパイプラインの起点であり、中国政府にとってはマラッカ海峡に依存しない代替輸送ルートの確保の観点からも極めて重要な港湾である。
      • 原文 May 5, 2017, Reuters (長谷部)
    • 5】2017年米港湾関連予算が議会承認
      • 5】2017年予算配分一括法 (FY2017 Omnibus Appropriations Bill)が米議会で承認されたが、主たる港湾関連予算の概要は以下のとおり。①アメリカ陸軍工兵隊に対して60億3800万ドル。うち、航海支援事業26億6000万ドル。港湾補修信託基金13億100万ドル②運輸省の経済回復のための運輸投資(TIGER)事業に5億ドル③国土安全保障省の港湾保安貸付金事業に1億ドル④環境保護省のディーゼルエンジンからの排気ガス削減法(DERA)関連事業に6000万ドル⑤海事庁の海上ハイウエー事業に500万ドル。
      • 原文 May 4, 2017, AAPA (長谷部)
    • 6】USCGが船舶衛生管理証明書に関する海事安全情報を発表
      • 6】5月5日、米国沿岸警備隊(USCG)は、2005年の国際健康規則(IHR)によって取得が義務けられている船舶衛生管理証明書(SSCC)と船舶衛生管理適用除外証明書(SSCEC)に関する米国政府の方針とUSCGの船舶検査指針を説明する海事安全情報を発表したところ概要以下のとおり。①IHRの米国内における所管官庁は、疫病管理センター(CDC)の世界移民検疫課(DSMQ)である。②DSMQはIHRに基づき船舶検疫を行う権利を保留するものの、米国の港湾に入港する商船に対してSSCCの提示を現在は求めていない。③いかなる港湾管理者、公的機関、民間の団体も、米国の港湾に寄港する船舶に対し、SSCCの提示を求め、またはSSCCを発給することを禁じられている。
      • 原文 May 5, 2017, USCG (長谷部)
    • 7】ベトナム沿岸警備隊がインドネシア当局の取締りを妨害
      • 7】インドネシア海洋水産省によれば、5月21日、インドネシア当局の警備艇がナトゥナ諸島近海において違法操業を行った疑いでベトナム漁船5隻を拿捕したが、ベトナム沿岸警備隊がこれを妨害した。妨害によりベトナム漁船とベトナム巡視船が衝突、漁船が沈没し、漁船に乗っていたインドネシア当局職員がベトナム側に救助されたが、インドネシア側がベトナム人漁業者と漁船の解放に応じた後も、このインドネシア当局職員は解放されていない。インドネシア海洋水産省高官は、この職員が間もなく解放される見込みであると述べた上で、拘束は偶発的なものであると示唆した。ナトゥナ諸島近海では、今年3月にインドネシア水域内での中国漁船に対する取締りを中国海警局が妨害する事案が発生、その3か月後には、違法操業を行っていた中国漁船に対しインドネシア海軍が発砲するなどの争いが発生している。
      • 原文 May. 23, 2017 The Maritime Executive(武智)
    • 8】ソマリア海賊がイラン漁船をハイジャック
      • 8】プントランド北部Haabo市の市長は、イラン漁船が5月23日、海賊にハイジャックされたと明らかにした。海賊が、より大型で価値のある船舶を攻撃するための母船とする目的でこの漁船をハイジャックしたと見られている。市長は、この漁船はプントランドで漁業を行う許可を持っていないことを明らかにしている。ソマリア沿岸では、無許可で操業する外国漁船の影響で漁獲量が減少しているとして地元漁業者が強く非難している。この地域はまた、厳しい干ばつに見舞われており、再び食糧不足に陥る惧れがある。
      • 原文 May. 23, 2017 Reuters(武智)
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