2017/5/1 LROニュース(5)

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  • 2017.05.01 UP
    2017/5/1 LROニュース(5)
    • 1】今後の海洋管理に必要な国際的取り組み
      • 1】(論説)ベルギー政府の環境省海洋環境局の国際交渉担当者が今後の同国の海洋管理に取り組む戦略について寄稿しているところ、概要以下のとおり。多くの国が自分の国しか考えない内向きの風潮の中で、公海の管理について国際的に取り組むのは重要。ベルギーは国際協力のもとに、海洋環境を保全し回復するのに積極的だが、本年は様々な重要なイベントがある。第一は、BBNJ(公海上における海洋生物多様性の保全と持続的な利用)である。本年7月にも最終準備会合(PrepCom)が開催され検討すべき課題に関する勧告案が議長から提案される予定で、2018年から新条約採択のための国際会議を正式に開始すべきことを各国に働きかけている。第二は、海洋に関する持続可能な開発目標14を議論するために6月に国連で開催される会合である。新たな条約なしでは、この開発目標に対し有効な対策をとることは不可能である。第三に、10月にEUが主催しマルタで開催される第4回「私たちの海洋」会議である。政府関係者と海洋産業関係者が集まって、新たな海洋戦略と技術開発が発表される予定である。ベルギーは既に海洋空間計画も策定しており、国内的な次の目標はベルギーが管轄する北海の1/3を自然保護区に指定することである。今年は海洋管理にとって歴史的な転換点となる年になると確信している。
      • 原文 Apr. 18, 2017, EURACTIV (長谷部)
    • 2】記録的に多くの氷山が北大西洋の航路に出現
      • 2】ここ数週間にわたり、このシーズンとしては異例な何百もの氷山が北大西洋の航路に出現し、同航路を航行する船舶は航行速度の低下や海上の氷山の一群を大きく迂回することを余儀なくされている。温度の上昇でグリーンランド周辺の海氷が早く溶け出し、逆時計回りの強い風によって南方向に押し出されているのが原因とされている。米沿岸警備隊による国際海氷哨戒サービスによれば、4月の第1週に、ニューファンドランドのグランド・バンク沖で450の氷山が観測された。通常4月には80個程度の氷山しか観測されず、6月に入らないとこのように多くの氷山が流れてくることはない。この影響で船舶は海氷を避けて350カイリ程度大きく迂回せざるを得ず、所要航海日数が一日程度多くかかっている。
      • 原文 Apr. 19, 2017, gCaptain (長谷部)
    • 3】ロシア情報収集艦が衝突により沈没
      • 3】4月27日、ロシア黒海艦隊に所属する情報収集艦が、イスタンブール海峡北口の約17マイル北西においてトーゴ籍の家畜運搬船と衝突し沈没した。事故現場付近はボスポラス海峡の通航待ちで混雑し、多くの船舶が漂泊または低速で航行する海域である。衝突により水線下に生じた破孔により情報収集艦は沈没し、トルコ沿岸警備隊から4隻の巡視船が出動して救助活動を行った。死傷者は発生していない。情報収集艦はイスタンブール海峡を南航する予定はなかったことから、トルコ領海外で情報収集活動を行っていたと見られる。
      • 原文 Apr. 27, 2017 Bosphorus Naval News(武智)
    • 4】偽の遭難信号対策に悩まされるUSCG
      • 4】VHF16チャンネルを通じた偽の遭難信号は、米国沿岸警備隊(USCG)の限られた勢力をありもしない海難への対応を余儀なくさせ、納税者に損害を与えるとともに、本来救助を必要としている船舶を危険に晒すこととなる。沿岸警備隊調査研究部局(CGIS)は、カーネギー・メロン大学の犯罪科学者と協力し、偽通報の音声パターンの分析を行っており、将来的には、音声や背景音を特定し、偽通報の特定や検挙につなげることができる可能性があるが、効果的に偽通報を特定するにはまだ時間が必要である。遭難信号は通話が短時間であるほか、偽通報者は一般的に声色を変え、潜在的な声の特質を変化させている。加えて、偽通報はあらゆる方法で大袈裟に脚色されており、人間の声と個人の特徴との関係を明確にする見解は存在しないのである。偽通報は6年以下の懲役及び25万ドル以下の罰金に相当する重罪であり、加えて偽通報によりUSCGに生じた経費を弁済しなければならない。
      • 原文 Apr. 29, 2017 The Maritime Executive(武智)
    • 5】比軍、3人目のアブ・サヤフ幹部を殺害
      • 5】4月28日夜、フィリピン軍はイスラム系武装組織アブ・サヤフに対する掃討作戦により、アブ・サヤフの幹部Alhabsy Misayaの殺害に成功した。ドゥテルテ大統領は今年6月までにアブ・サヤフを掃討するとしており、4月だけで3人の幹部の殺害に成功したこととなる。Misayaは一連の爆弾攻撃のほか、海賊行為の責任者といわれており、2012年以降、Misayaらは誘拐や海賊行為などで少なくとも1200万ドルを得ていたと見られている。大統領報道官はMisayaの殺害について、身代金目的の誘拐を繰り返すテロリストグループに対する大打撃であると語っている。
      • 原文 Apr. 29, 2017 The Maritime Executive(武智)
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