2017/4/3 LROニュース(8)

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  • 2017.04.03 UP
    2017/4/3 LROニュース(8)
    • 1】オールボー港がデンマークで最初の二酸化炭素中立港湾に
      • 1】オールボー港がデンマークで初めてで、世界でも数少ない二酸化炭素中立港湾になる見込み。二酸化炭素中立港湾となるための取り組みは2010年から始まったが、当時は、タグボートやクレーン等が多くのディーゼル油を燃料とし、港湾や道路の照明のために多くの電力を消費していたため、年間1240トンの二酸化炭素を排出していた。その後、国際的な環境管理の基準であるISO 14.001に基づいてエネルギーの効率化を進め、2012年は港湾管理庁の事務棟などをリノベーションして熱消費量を85%削減し、その後も、港湾道路やクレーンをエネルギー効率の良いものに改修・置換し、太陽エネルギーも活用して、2015年には、電力の使用量を40%削減することによって二酸化炭素排出量も41%削減した。2016年に風力タービンの発電施設を導入することにより、ついに二酸化炭素中立の目標を達成することとなった。
      • 原文 Mar. 13, 2017, オールボー港湾庁 (Hannah)
    • 2】IHOの新たなECDIS基準の発効(9月1日)までにやるべきこと
      • 2】国際水路機関(IHO)の電子海図表示システム(ECDIS)に関する新たな基準が本年9月1日から適用され、8月31日以降に設置されるECDISは最新のIHOの基準に合致したものでなくてはならない。既存のECDISについてはIMOがソフトウェアの維持管理に関するガイドライン(MSC. 1/ Circ. 153)を公表しており、このガイドラインに従って、運用中のECDISについてもアップグレードをしなくてはいけないというのが、殆どの旗国やいくつかの寄港国の方針であると考えられ、アップグレードが済んでいないと、PSCで問題になり最悪の場合、出港禁止となる恐れがあるので、船主は早めにECDISの製造事業者と連絡を取って、9月1日までに最新のIHO基準に合致するようにアップグレードすることが望まれる。
      • 原文 Mar. 15, 2017, DNV-GL (長谷部)
    • 3】USCG長官が国家記者クラブで2017年年次記者会見を実施
      • 3】3月16日、米国沿岸警備隊(USCG)の長官は、国家記者クラブ(National Press Club)で2017年の年次記者会見(The 2017 State of the Coast Guard Address)を行ったところ概要以下のとおり。USCGは米国の軍事組織の中で唯一広範な司法警察権を有し、全世界の60を超す諸国と二国間協定を締結し、広範な領海・EEZの管理を行い、海上交易と経済安全保障を促進している。2016年においても数々の実績を上げたが、なかでも、2023年就航予定の砕氷巡視艇の建造に着手し、北極評議会の加盟国からなる北極海沿岸警備隊フォーラムを立ち上げ、多額の違法ドラッグの密輸を摘発・阻止した。会見の全文は以下のリンク参照。
      • 原文 Mar. 16, 2017, USCG (長谷部)
    • 4】トランプ海軍増強計画に対応困難な米造船業界
      • 4】トランプ大統領は中露の軍備拡張に対抗するために米軍の装備を大幅に拡充すると宣言し、海軍の艦艇も現在の275隻から350隻に拡充すると言明したが、いつまでにどのような艦艇を整備するのか詳細計画は示されていない。この海軍増強計画のためには少なくとも7000億米ドルの予算と30年以上の時間と現在は存在しない何万人もの熟練した造船工を雇用し訓練しなくてはならない。最初の関門は、大統領がこうした大幅な予算の増額について議会の同意が得られるかであるが、予算が付いたとしても、電気工から溶接工まであらゆる熟練工の確保に加え、過去数年にわたり軍事予算の抑制が続いてきたために生産体制が縮小していた造船所、舶用品製造業、原子力燃料製造事業者などの生産能力の拡充に十分な時間が必要と考えられる。
      • 原文 Mar. 20, 2017, Reuters (長谷部)
    • 5】NATOに違法漁業の取り締まりを望むソマリア
      • 5】3月13日に発生した海賊事件の犯人は地元漁民で、ハイジャックしたタンカーがソマリアの企業が用船した船であると知り、身代金をとらずにハイジャックしたタンカーを解放した。地元漁民はソマリア沖で不法操業を行っている外国籍トロール船に不満を募らせており、プントランド自治政府も不法漁業取締の問題が解決しない限り、今後も海賊事件が発生すると警告している。同政府の副大統領もNATOに不法漁業の取り締まり要請を行ったが、任務の対象外として断られたことに憤慨している。一方で、歴史的に漁業はソマリアの地元住民の生活を支えるための主たる経済活動だったわけでなく、海賊の大多数が元漁民であるわけではないとの反論もある。
      • 原文 Mar. 20, 2017, all Africa (長谷部)
    • 6】米国の港湾管理者協会が港湾関係予算の削減に懸念を表明
      • 6】米国港湾管理者協会(AAPA)はトランプ政権が提案している2018年予算案において連邦政府の港湾関係予算が大幅に削減されるのではないかと懸念を表明した。例えば、運輸省(DOT)の経済回復をもたらすための交通関係投資(TIGER)補助金の一部として、昨年はドック、港湾引き込み鉄道、港湾道路の改良のためにマルチモーダルインフラ補助金が6180万米ドル認められていたが、現在の予算案では、この補助金が全面的に削減されている。さらに国土安全保障省の港湾保安補助金から昨年度予算では35の港湾を対象として港湾の保安対策改善補助として1億米ドルの補助金が支出されたが、新予算では大幅に削減されることが予想されている。またトランプ大統領は環境保護庁(EPA)の総予算を31%削減するとしているが、EPAのディーゼル排ガス削減補助は港湾管理者が既存のディーゼルエンジンを動力源とするトラック、機関車、船舶等を新たな環境によりやさしい設備に買い替えるのに利用されており、予算削減の影響は大きい。
      • 原文 Mar. 20, 2017, World Maritime News (長谷部)
    • 7】Martek社がEMSAから2年間のドローン運用契約を獲得
      • 7】欧州海上保安庁(EMSA)は海上哨戒活動を強化するために5か年計画を策定し、総額6700万ユーロを支出する予定だが、その一部としてこのほどMartek Marine社が遠隔操縦航空機サービス(RPAS)の提供事業者として、EMSAと2年契約を締結した。契約にはドローンの提供だけではなく、操縦者、長距離アンテナ、運航管理車、地上要員などシステム全体の運営が含まれている。ドローンから得られた画像やセンサーの情報は管理センターに同時転送され、EU加盟国が有事発生時に的確かつ迅速な判断を下す支援を行う。ドローンは目視見通し外(BVLOS)の運用が可能で、国境管理・捜索救難・海上汚染監視・不法漁船の発見などの目的に活用される。
      • 原文 Mar. 16, 2017, Martek (長谷部)
    • 8】比大統領がスカボロー礁における中国の更なる活動を容認
      • 8】3月17日、中国の南シナ海の前線基地ともなっており、かつて習近平総書記が市長を務めていた三亜市の共産党書記が「スカボロー礁に環境観測所を設置する準備を本年から開始する。」と発言したのに対し、比の最高裁判所の上級副判事は「こうした中国の挑発に比政府が何の反応も示さなければ、中国は南シナ海上空に防空識別圏を設定し、南シナ海全域を管理することになる。」と比政府に対して警告を発していたが、3月19日、比のドゥテルテ大統領は、「比政府は中国の行動を止めることはできない。中国に対して宣戦布告した途端に、比軍は破れて、係争中の海域以上のものを失うだけだ。」と発言した。
      • 原文 Mar. 19, 2017, Asian Correspondent (長谷部)
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