2017/4/28LROニュース(5)
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2017.04.28 UP
2017/4/28LROニュース(5)
- 1】国際海難救助連合が2017年の「海難救助表彰」応募の受付を開始
- 1】国際海難救助連合(IMRF)は、世界の海難救助機関の間の連携や情報の交換を促進することを目的に設立されたNGOであるが、海難救助に優れた実績を残した団体・個人を表彰するH.E.R.O. (Honoring Excellence in Rescue Operation)表彰2017の応募受付を開始した。毎年、約40万人が全世界の海難で命を落としているが、救難救助に当たる個人やチームの優れた貢献が無ければ、犠牲者数はもっと多いはずである。新たな技術開発によって、捜査救難活動を迅速に行うことが可能になったとはいえ、海上で行われる優れたチームや、自己犠牲を顧みない個人の貢献は、陸上から遠く離れた海上で行われることが多いので社会的に認知されにくいことを踏まえ、海難救助において素晴らしい実績を残した個人・団体を表彰するのがHERO表彰の目的である。 原文 Apr. 19, 2017, IMRF (長谷部)
- 2】海洋投棄されたプラスチックごみが海流に乗って細分化して北極海に集積
- 2】4月19日、科学誌に投稿された研究論文によれば、2013年に北極海全体を7か月間研究船で調査した結果、大西洋からの北極海に向けて北に流れる強い海流の結果、海流の終点であるグリーンランド東方海域とバレンツ海に約3000億個の微細プラスチックゴミが集積していることが分かった。海底にはより多くのプラスチックごみが集積している可能性がある。北極海で発見された微細プラスチックごみは、北極海周辺で発生したものではなく、経年化した微細プラスチックとなっていることから、北極海以外の海洋に投棄されてから何十年もかかって北極海に流れ着いたものと考えられ、今後も同様なゴミが継続して北極海に流れ着くことが見込まれる。北極海の他の部分ではあまりプラスチックゴミが発見されていないことから、海流がグリーランド東方で北極海の深部に潜り込むため、この海域に集中してプラスチックゴミが浮遊しているものと考えられる。 原文 Apr. 19, 2017, The Washington Post (長谷部)
- 3】航海用海図の補正の重要性
- 3】Britannia P&I Clubの調査によれば、一時的な航行警報や、新たな海図の発刊に先立って通報される水路通報が、航海用電子海図表示装置(ECDIS)や紙海図に適切に反映されていない事例が見受けられる。航行警報や水路通報等全ての通報は、航海の安全に極めて重要であり、これらの情報が正しく海図に反映されていなければ、船舶の座礁や施設の損壊、海洋汚染、法令違反等の結果を招くばかりか、事故発生時には船舶の堪航性に疑問を持たれる可能性がある。また、船舶の勾留、船主や船長に対して罰金を科される等の影響を与えることもある。 原文 Apr. 13, 2017 Britannia P&I Club(武智)
- 4】米大統領、パリ協定から離脱するか2週間以内に表明
- 4】米国のトランプ大統領は4月27日、米国がパリ協定から離脱するかどうか、約2週間以内に表明すると述べた。トランプ大統領は選挙中、オバマ政権の環境保護政策は米国経済の足枷となっているとして、就任後100日以内にパリ協定から離脱すると明言していた。大統領はパリ協定に基づき設立された「緑の気候基金」に対する中国、ロシア、インドなどの拠出の低さを不公平であると指摘している。一方、多数の米国企業や一部の共和党議員は、海外における米国産業の利益保護のため、協定に留まるよう求めている。 原文 Apr. 27, 2017 Reuters(武智)
- 5】米軍艦を襲撃したソマリアの海賊に終身刑
- 5】2010年4月にジブチ沖で米軍艦を襲撃し、米国で拘束されている31歳のソマリア人海賊に対し、4月26日、終身刑が言い渡された。この海賊は他の5人の仲間とともに、海賊対策作戦に従事していた米海軍揚陸艦Ashlandをボートで襲撃、Ashlandの反撃を受けてボートが炎上し、仲間とともに身柄を拘束されていた。仲間の5人はすでに有罪判決を受け服役している。 原文 Apr. 26, 2017 Reuters(武智)