2017/4/24LROニュース(6)

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  • 2017.04.24 UP
    2017/4/24LROニュース(6)
    • 1】米国沿岸警備隊が2016年PSC白書を発表
      • 1】米国沿岸警備隊(USCG)が2016年PSC白書を発表した。2016年に実施したPSCは対前年比125回増えたにもかかわらず、出港禁止命令を出した回数は103件と、前年の202件からほぼ半減し、過去5年間の最低となった。この結果、過去3年間平均の出港禁止命令発出比率も1.67%から1.63%に微減した。全体としては、出港禁止命令の件数は減ったものの、消火設備・防火設備の不備に伴う出港禁止命令件数は3年間継続して増加している。環境面では、MARPOL附属書I(油濁汚染防止)関係の問題事例がここ数年減り続けているが、故意に「魔法のパイプ」を作って油に汚染された水をたれ流したり、偽造された給油記録書を提出するなど、刑事罰に発展する悪質な事例も引き続き発生しており、USCGは国際条約に基づく船主の責任が適正に履行されるようあらゆる手段を駆使して法の適正な執行にあたっていく。白書本文は下記のリンク参照。
      • 原文 USCG (長谷部)
    • 2】中国の北極外交が活性化:「氷の道」建設へ
      • 2】(論説)過去数か月、中国要人が北極海周辺政府、企業、研究機関を訪れ、公式声明を発表し、将来的な協力と中国政府の支援を表明している。3月後半に、プーチン大統領がロシア白海沿岸のアルハンゲリスクで開催した国際会議には中国の副首相が出席し、両国が協力し中国企業がアルハンゲリスクに大水深港を建設し、北極海北航路の活性化が協議されたほか、中国とシベリアの間の物流を促進するためのBelkomur鉄道事業に中国が投資することも協議された。これとは別に、中国の投資集団がムルマンスク港の石炭ターミナルの開発に3億米ドルを投資することも協議されている。習近平国家主席はトランプ大統領との会談のために米国にむかう途上、ヘルシンキに立ち寄り、フィンランド大統領と会談して今後の北極海開発に関する協力関係の発展について話し合った。
      • 原文 Apr. 18, 2017, The Arctic Journal (長谷部)
    • 3】トラックを利用してLNGバンカーを供給するシンガポール初の施設が完成
      • 3】シンガポールLNG(SLNG)社とシンガポール海事港湾庁(MPA)は昨年開催されたシンガポール国際バンカリング会議(SIBCON)で、トラックを使用して柔軟にLNGバンカーを船舶に供給する施設の建設に合意していたが、4月12日、同施設がジュロン島のSLNGのターミナルに完成した。この施設があれば、トラックによるLNGの小口配送が可能となり、船舶燃料としてだけではなく、小口の陸上のあらゆるLNG配送需要にも対応することができる。今回はトラックにLNGを供給できるバースは1か所だけだが、需要が伸びればあと3バース増設することが可能。式典に出席したMPA長官は、LNGが船舶燃料として世界中に普及するには時間がかかるかもしれないが、世界的な船舶バンカリングのハブ港湾として、よりクリーンな代替燃料供給のニーズに応えていく必要があり、本事業によってシンガポールLNGバンカリング試験事業の好スタートを切ったと語った。
      • 原文 Apr. 13, 2017, MPA (Hannah)
    • 4】ハンブルグ港にリーファーコンテナ自動管理システムが導入
      • 4】港湾ターミナルにおけるリーファーコンテナの管理は、これまではターミナル管理会社のスタッフが4時間から8時間ごとに、コンテナが正常に作動しているか、温度、湿度などの情報を手作業で確認していたが、オーストリアの会社がリーファーコンテナにワイヤレスのセンサーを磁石で取り付けて自動でリーファーコンテナを管理するシステム(CTASリーファーシステム)を開発し、このほどハンブルグ港の南西ターミナルで運用を開始した。同システムはあらゆるメーカーのリーファーコンテナに対応可能なシステムで、15分ごとにラジオ波で自動的に個別のコンテナの情報を管理センターに発信し、何か異常が発生した際には直ちに警報が発信され、迅速な対応を可能としている。
      • 原文 Apr. 11, 2017, ハンブルグ港(長谷部)
    • 5】ロシア国防省が北極海最北端の基地の写真を公開
      • 5】ロシア国防省が北極海のフランツ・ヨシフ群島のAlexandra Landに最近建設したNagurskoye基地の写真を公開した。基地の広さは14000平方メートルで、北緯80度と北極海最北端に位置し、150人の兵士が駐屯することができる。ロシアは北極圏における軍事・経済活動を強化しており、北極海北航路沿いに大深度港湾と関連インフラを整備し、ヤマル半島で大規模な石油・ガス開発を行い、チュクチ自治区のペベクで洋上原子力発電所の建設を進め、北極海の自然保護区を外国の観光探検船に公開している。軍事面では、過去2年間で北極海に新たに6の基地を新設し、ロシアの北方艦隊はNew Siberian Islandsの基地を拠点として活発に活動している。さらに、ロシア軍は新たに北極海警備のため2つの守備隊を創設し、防空能力を高めるために、北極圏で新たな飛行場と情報収集基地のネットワークの整備を進め、巡航ミサイルの発射実験を昨年は3回北極圏で行っている。
      • 原文 Apr. 18, 2017, The Maritime Executive (長谷部)
    • 6】ILOで海賊に人質となった船員の賃金の支払いについて協議
      • 6】4月3日から5日まで、国際労働機関(ILO)特別三者委員会(STC)の作業部会が開催され、海賊によって人質にとられた船員に対する賃金の支払い保証について協議された。作業部会は、船員の最低労働・生活水準を規定するILOの海上労働条約(MLC)の規定に従い設立され、政府関係者、海運事業者、船員労働組合の代表など150人以上が出席して開催された。船員の中には極めて短期の雇用契約しか持たないために、海賊によって人質として長く拘束されている間に、雇用契約が切れ、賃金の支払いを含め必要な支援を船主や船社から受けられないと言う実例が報告されている。作業部会は本件に関しMLC2006を改正すべきかどうか答申するように求められているが、本年1月に船主から見捨てられた船員の経済的保障に関するMLCの改正が発効していることから、海運業界は本件に関する再改正は不要との立場をとっている。
      • 原文 Apr. 19, 2017, World Maritime News (長谷部)
    • 7】EU Navfor、海賊に襲撃された商船を救助
      • 7】4月22日夜、ソマリア東岸沖をパトロール中のEU海軍(EU Navfor)旗艦Galiciaは、海賊に襲撃されているとの商船からの救助信号を受信し、哨戒ヘリを発艦させるとともに救助に急行した。Galiciaの接近を察知した海賊は襲撃を止め逃走した。Galiciaの特殊チームが商船を調査したところ、商船には襲撃による複数の弾痕が認められたが航海は可能であり、商船は次港に向け航海を継続した。この事件を受けEU Navforの報道官は、ソマリア沖における警戒の必要性と、ベストマネージメントプラクティスに沿った自衛手段の重要性を重ねて強調するコメントを発表した。
      • 原文 Apr. 24, 2017 EU Navfor (武智)
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