2017/4/18LROニュース(6)
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2017.04.18 UP
2017/4/18LROニュース(6)
- 1】中国税関が北朝鮮産石炭の輸入を禁止し返送を指示
- 1】度重なる北朝鮮によるミサイル発射を受けて、2月26日、中国政府は北朝鮮の主要輸出品である石炭の輸入を禁止した。さらに、習近平=トランプ会談が行われた4月7日に中国税関当局は、石炭輸入商社に対し、管理下にある北朝鮮から搬出された石炭を同国に返送するよう命じた。この命令を受け、実際に10隻を超える北朝鮮の貨物船が石炭を積載したまま同国西岸の石炭積出港である南浦港に引き返しているのが確認された。北朝鮮から輸出された200万トンの石炭が中国国内の港湾で足止めされている模様。北朝鮮は中国の製鉄用のコークスの主要輸出国となっているが、北朝鮮からの輸入停止を受けて、中国は米国からの調達を増やしており、トランプ大統領の目指す米石炭産業の再生に寄与している。 原文 Apr. 11, 2017, Reuters (長谷部)
- 2】最近のソマリアにおける海賊事件の急増に対する専門家の見方
- 2】ソマリア沖では、過去1か月間の間に乗っ取り事件が5件発生するなど海賊の活動が急に活性化しているが、各種専門家の分析概要以下のとおり。1991年以来、海賊の活動を監視し続けてきた国際海事局(IMB)の局長は、「最近の5件の海賊事件の態様はかつての典型的なソマリア海賊の事例と異なっており、全ての船舶にとって、過去と同じレベルの海賊の脅威が再現していると断定するのは尚早。」とコメントし、BIMCOの保安担当責任者も上記見解に同意し「最近の海賊被害に遭った事例のいくつかは、ソマリア沿岸に接近しすぎて航行し、民間武装警備員も乗船させず、近隣の海上警備当局に登録・通報もせず、海賊がいるとわかっているソコトラ島とソマリア本土の間を近道しようとしたことが原因」としている。米海軍兵学校の教官も「以上のような軽率な行動を避けて、ベストマネージメントプラクティス(BMP)を船舶がちゃんと順守さえしていれば、海賊警備にあたる海軍等の対応能力も向上しているので、海賊はかつてのような脅威にはならない。」としている。 原文 Apr. 11, 2017, Splash 24/7 (長谷部)
- 3】EU MRV規則のFAQを欧州委員会が公表
- 3】欧州経済領域(EEA)域内の港湾に寄港する船舶は、いわゆるEU MRV規則 (Regulation (EU) 2015/757)に基づき、船舶からの二酸化炭素の排出を第三者機関によって承認された方法で観測し、2018年1月1日から欧州員会に届け出なくてはならないが、このほど欧州委員会から本規則に関して「よく聞かれる質問 (FAQs)」が発表されたところ、本文は以下のリンク参照。 原文 Apr. 10, 2017, EC (長谷部)
- 4】中国海軍がソマリア海賊作戦で誇大宣伝:インド海軍の協力を無視
- 4】4月8日、アデン湾で発生したツバル籍貨物船に対する海賊事件に関しては、緊急通報を受けて、付近を航行していたインド海軍の艦艇が9日現場に急行し、同海軍のヘリが上空に達し、乗員から既に海賊が逃亡したことを確認したのちに、同様に救援に駆けつけた中国海軍の兵士が貨物船に移乗し、乗組員の安全を確認したが、インド海軍の発表では中国軍の関与が明確にされていたにもかかわらず、中国軍の発表では一切インド海軍の援護には触れずにあたかも中国軍による単独の「救出作戦」のように発表したことが波紋を投げかけている。中国とインドの外交関係は、最近中印国境地帯の中国が主権を主張しているインド領にダライラマが訪問したことで悪化している。中国軍は2008年以来、ソマリアにおける国際的な海賊掃討作戦に参加しているが、この結果、海外では最初の中国軍の基地をジブチに構築し、海賊作戦と南スーダンのPKO活動の補給基地としている。 原文 Apr. 10, 2017, abc News (長谷部)
- 5】アブ・サヤフ、人質の漁船船長を殺害
- 5】4月17日、フィリピン大統領報道官は、昨年末にアブ・サヤフ(ASG)に人質にとられていた漁船船長が殺害されたことを明らかにした。同報道官は殺害された船長に対し深い哀悼の意を示すとともに、ASGの行為を強く非難した。フィリピン軍はASGに対して追討作戦を実施しており、ASGは追討から逃れるために足手まといとなったため、この船長を殺害したとみられる。フィリピン当局によれば、ASGは船員20名を含む、24名以上を現在も人質として拘束している。 原文 Apr. 17, 2017 The Maritime Executive(武智)
- 6】Frontex、イースター期間中に1400人以上の移民を救助
- 6】欧州国境沿岸警備機関(Frontex)は、イースターにあたる4月15日、16日の間に地中海中部で13件の捜索救助を行い、1400人以上の移民を救助した。15日に600人以上、16日に816人の移民を救助しており、救助された移民の多くはイタリアに移送されている。地中海中部における捜索救助はイタリア沿岸警備隊の海難救助調整センターが指揮しており、Frontexの勢力も同センターの指揮下で捜索救助を支援している。 原文 Apr. 17, 2017 Frontex(武智)