2017/4/12LROニュース(4)
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2017.04.12 UP
2017/4/12LROニュース(4)
- 1】アジアから対米輸出の仕向港:東岸の港湾が西岸の港湾より益々優位に
- 1】海運情報統計会社のDrewry社によれば、パナマ運河の拡張後、2016年の下半期から始まったアジアからの対米輸出品の仕向港が米西岸から米東岸に移る傾向が継続している。2017年1-2月期の実績では、東岸の港湾向けの貨物が対前年比4%、メキシコ湾岸の港湾向けの貨物が同32%増加した一方で、西岸の港湾向けの貨物は同9%減少した。こうした傾向の中で、例えば上海=NY間の運賃は、上海=LOS間の運賃に比べて、40フィートコンテナ当たり1400米ドルものプレミアムがついているが、今後東岸向けのコンテナ船の大型化が進む中で、このプレミアムは縮小する傾向にあり、西岸から東岸へのシフトはさらに進む見込み。但し、自動車部品や高付加価値の電子部品などジャストインタイムの配送が要求される貨物については引き続き西岸の港湾に荷揚げされている。 原文 Apr. 3, 2017, The Load Star (長谷部)
- 2】IUCN: 北極海において7か所を新たな天然海事世界遺産に指定することを提案
- 2】4月4日、国際自然保護連合(IUCN)は、米国の天然資源保護協議会(NRDC)とUNESCO世界遺産センターと共同で「北極海における天然海洋世界遺産」と題する報告書を発表し、北極海の7海域を新たに世界遺産として認定するように提案した。北極海は、北極クジラ、イッカク、セイウチなど北極海にしか生存しない海洋生物の宝庫であり、また北極白熊やニシツノドリなど絶滅危惧種の生息地でもある。しかし、北極圏において地球の他の地域と比べて2倍の速度で温暖化が進み海氷が減少することにより、新たな海運航路の設定、石油ガス資源開発、商業漁業がおこなわれる可能性が増えており、一刻も早く北極海の世界的にも希少な海洋エコシステムを保護する必要がある。現在、北極圏では、5か所が世界遺産に指定されているが、そのうち海洋に関連するのは世界最大規模の約10万頭の太平洋セイウチが生息するロシアのウランゲリ島だけである。 原文 Apr. 4, 2017, IUCN (長谷部)
- 3】ソマリアでパキスタンの貨物船が乗っ取られるー過去1か月で4件目
- 3】ソマリア政府によると、4月4日、中央ソマリア沖でパキスタンの食料を運搬していた貨物船が海賊によって乗っ取られた。過去1か月で、4件目の海賊事件で、数年にわたって休止していた海賊活動がインド洋で再始動したのではないかと危惧が募っている。海賊活動が再活性化した背景としては、干ばつ、飢饉、汚職、武器密輸の増加、イスラム国の影響の拡大などが複合的に寄与している。最近の海賊事件の全ては、ソマリア北部の準自治政府であるプントランドの海賊が引き起こしたとみられるが、プントランドの沿岸部の都市は政府によって管理されていない無政府状態になっている。 原文 Apr. 4, 2017, NY Times (長谷部)
- 4】フィリピン治安部隊、アブ・サヤフと交戦で5人を殺害
- 4】4月11日、ボホール島北部のイナバンガにおいて、フィリピン軍と警察による治安部隊がアブ・サヤフ(ASG)と思われる10名の武装グループと交戦し、武装勢力5名を殺害した。治安部隊側は4名が死亡する被害が出ている。この武装グループについて軍は、ASGのリーダーと関係を示唆しているが、地元住民によれば、ISと連携する別のグループの可能性もある。軍は兵士、航空機などを投入して大規模なASG追討攻撃を行っており、イナバンガ当局は安全のため住民に避難を指示していた。軍高官は今後数か月のうちにASGを制圧することを約束しており、これまでASGに誘拐された多くの人質が解放されているが、ReCAAPによればいまだ21名の船員が人質となっている。 原文 Apr. 11, 2017 The Maritime Executive(武智)