2017/3/17 LROニュース(5)
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2017.03.17 UP
2017/3/17 LROニュース(5)
- 1】 ECSA等EUの海事関連団体がEU海運戦略の中間見直しについて要望
- 1】 欧州船主協会(ECSA)をはじめとする欧州の海事関連10団体が欧州海運週間2017の開催にあたり、EU海上交通戦略(2009-2018)の中間見直しにあたり、共同宣言を発表したところ概要以下のとおり。第一に、EUの報告方法に関する命令の抜本的見直しを行ってEUシングルウインドウの徹底を図り、報告を1回行えば、貨物や運搬に関するすべての必要な情報が、EU各国の関係機関によって共有されることにより、船員、船社等の事務的な負担を軽減すること。第二に、中間見直しにおいては、既定の戦略の適否を判断するだけではなく、2018年以降の戦略を立てるべきであり、理事会議長国のマルタの主導で海上交通政策に関する閣僚宣言が発出されることを歓迎する。第三に、EUは世界的な自由貿易の主導者になる一方で、地球温暖化に対する海運業界の対応をIMOが策定するのを支援すべきである。 原文 Mar. 1, 2017,ECSA(長谷部)
- 2】 EU理事会が排出権取引制度(EU ETS)の改正に対する交渉ポジションを決定
- 2】 EU理事会は2014年10月に欧州排出権取引制度について主要な検討課題を決定し、当該決定を受けて欧州委員会は2015年7月に関連する命令の改正案を提案した。改正案は通常の法令作成手続きに従い、最終案文を作成するために、欧州議会と欧州理事会による検討が必要とされるため、まず欧州議会が本年2月15日に全体会議で欧州議会としての改正案を採択した。欧州理事会は2月28日、今次改正に関する理事会としての交渉ポジション(general approach)について合意した。この結果、今後欧州議会と欧州理事会の間で、それぞれの改正案に基づいて、最終案文を得るための交渉が行われることとなる。なお、欧州議会の決定の中については、海運分野を排出権取引制度に取り込む提案も盛り込まれていたが、今回理事会が合意した交渉ポジションでは、海運分野の排出権取引制度の取り込みについては触れられていない。 原文 Feb. 28, 2017,EC(長谷部)
- 3】 揚子江船業が今年中にさらに10%の人員削減
- 3】 3月1日、シンガポール証券市場に上場している中国の揚子江船業の会長は、株主に対する経営説明会で、長引く造船不況から脱出するために、2017年中に従業員数を2万人から10%削減して、1万8千人にすると表明した。同社は既に、過去2年間の間に2割の人員削減を行っているが、同社の経営状況は、2016年の利益は対前年比29%減少し、受注残は2016年末で、43億米ドルと減少している。昨年の新規受注額は8億2300万米ドルだったが、今年は15億米ドルの受注獲得を目指している。 原文 Mar. 1, 2017,Reuters(長谷部)
- 4】 第12回太平洋パートナーシップ共同演習が開催
- 4】 3月1日から、米海軍が参加して、米国の同盟国と友好国とともに、第12回太平洋パートナーシップ共同演習が開催された。今回の年次共同演習はスリランカ、マレーシア、ベトナムが主催し、米国の他に、英、豪、日、韓が参加し、大規模な自然災害に対する人道支援・災害救助対応準備能力の向上を図った。米国海軍からは、医療、歯科、土木、獣医のチームが参加し、主催国の同様のチームと連携しながら、医療に関するシンポジウムの開催や人道・災害救助訓練(HA/DR)などを実施した。 原文 Mar. 1, 2017,米海軍(長谷部)
- 5】 ソマリア沖でハイジャックされたタンカーが解放される
- 5】 ソマリア沖で3月13日に乗っ取られたタンカーが、3月16日に解放された。解放にあたり身代金の支払いは行われていない。現地当局者によれば、プントランド自治政府警察部隊との間で銃撃戦が行われ、4名の負傷者が出た。当該タンカーはスリランカ人8名が乗組み、ジブチからモガディシオに向け航海中に襲撃された。ソマリア沖では2012年以降船舶乗っ取り事件は発生していなかったが、頻度は低いものの未遂と思われる事象は発生しており、IMO事務局長は海運界に対し、ガイダンス及びベストマネージメントプラクティスの励行を求めていた。 原文 Mar. 16, 2017Maritime Executive(武智)