2017/3/16 LROニュース(5)

NEWS


※LROニュースの内容については、有料メールニュースなど営利目的での転載はご遠慮頂くとともに、2次使用の際はLROニュースからの転載である旨を明示していただきますよう、お願いいたします。

トップページ > LROニュース > 2017/3/16 LROニュース(5)

記事アーカイブ

  • 2017.03.16 UP
    2017/3/16 LROニュース(5)
    • 1】 需給状況の改善のためコンテナ船社は新船引き取りを延伸すべき
      • 1】 AP Moller Maersk(APMM)は2017年中に予定されていた9隻の14000TEUのコンテナ船の引き取りを違約金なしでほぼ1年引き延ばしたと発表した。コンテナ船業界全体では2017年中に約160万TEUの新船の引き渡しが予定されているが、他のコンテナ船社がマースクを見習って、新船引き取りの先延ばし交渉をすれば、コンテナ船業界全体の需給状況の改善に大きく貢献する。造船業が好況であった時期には、船社が新船の引き渡しの遅延を求める場合には、多額の違約金を造船所に支払わなくてはいけなかったが、現在造船業界では閑古鳥が鳴いており、交渉次第では、マースクのように違約金なしで新船の引き取りを引き延ばすことが十分可能である。
      • 原文 Feb. 27, 2017,The Load Star(長谷部)
    • 2】 ジョージア州とヴァージニア州の港湾管理者がFMCにターミナル協定を申請
      • 2】 2月24日、ジョージア州とヴァージニア州の港湾管理者は共同で米連邦海事委員会(FMC)に対し、米国東岸ゲートウェイターミナル協定(ECGAT)の締結のための申請を行った。同協定はターミナル運営、サプライチェーンの効率化、安全、カスタマーサービスなどの広範な分野で協定に参加する各港湾が自主的な連携を促進することを目的としている。拡張された新パナマ運河が昨年に開通して以来、米国東岸においてはより大型の船舶の寄港や取扱貨物量の増加が続いており、海運会社等の港湾の利用者から、拡大しつつある物流業務に的確に対応できる米国東岸の窓口となるような港湾機能の整備が求められている。この協定に参加する各港湾は本協定を通じてより効率的・効果的な運営が可能となり、両州の経済や利用者としての荷主や船社の利便に貢献することを目的としている。
      • 原文 Feb. 27, 2017,Georgia and Virginia Ports Authorities(長谷部)
    • 3】 現代商船のアジア内の新たな韓国船社間のアライアンスが運用を開始
      • 3】 3月1日、現代商船は中国航路に強みを持つ韓国の長錦商船と日本航路に強みを持つ韓国の三栄海運との韓国船社3社による新たなアジア内のアライアンスの運用を開始した。マースクとMSCとの間のスペース融通協定は4月1日から開始される予定。現代商船は向こう数か月以内に国営の船舶融資基金の支援で、新たな船舶やターミナルを買い増す予定。現代商船は購入した船舶を同基金に買い上げてもらった後に、安価でリースバックを受けて運用する予定。
      • 原文 Feb. 28, 2017,Splash 24/7(長谷部)
    • 4】 ECSAの委託を受けてDeloitteがEU海運の競争力について分析
      • 4】 欧州船主協会(ECSA)の委託を受けてDeloitteがこのほどEUの海運業の国際競争力を分析し、報告書としてまとめた。同報告書は税制や財政上の支援措置、法制度等8つの基準に基づき、シンガポール、香港、ドバイ、上海、バンクーバーとEUの競争力の比較を行った。この結果、第一に、運送、税制、環境などの政策問題を競争力という観点から包括的に束ねる国際的なEUとしての海運政策を作ることが重要であること。第二に、海事産業に対する国家支援の適否に関するガイドラインの適用基準について、法的透明性を高め、EUとしての競争力を高めるため加盟国ごとの違いを極力排除すること。第三に、トン数標準税制の適用基準として、自国籍籍船要件に過度にこだわるのをやめて、基準を緩和すること。第四に、IMOやILOの定めた国際基準以上の規制をEU独自に行うことを避け、所要の規制緩和を行うことなどを提言している。
      • 原文 Feb.28, 2017,ECSA(長谷部)
    • 5】 マーシャル諸島海事局が低硫黄分バンカーの船上検査について勧告
      • 5】 2月24日、マーシャル諸島(RMI)海事局は登録船主等に対して、米国とEU加盟国において、排出規制海域(ECA)内におけるバンカーの低硫黄分規制(0.1%以下)の履行担保のため厳格な検査が行われていると注意を喚起したうえで、PSCにおいて検査官から船上サンプリング検査を求められた場合には、船社並びに船長は、米国・EUの関係法令に加えて、IMOにより2016年12月に作成された「船上におけるバンカーの硫黄分サンプル検査に関するガイドライン」(MEPC.1/Circ.864)に基づき、事前に準備したバンカーサンプリング計画に基づき、サンプリング検査を行うことを検査官に要請すべきであるとしている。このように事前に準備したサンプリング計画に従えば、船長や乗員が事前に慎重に選択した他の油や沈殿物が混入する機会が最も少ない場所で正確なサンプリングを行うことができる。またEU決定2015/253に従い、実際にサンプルした検体の一部を船長が保管することも重要であるとしている。
      • 原文 Feb. 24, 2017,RMI(長谷部)
  • 資料閲覧 その他