2017/2/28 LROニュース(6)

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  • 2017.02.28 UP
    2017/2/28 LROニュース(6)
    • 1】 Dryadが海上犯罪に関する2016年第4四半期報告書を発表
      • 1】 2月10日、海上保安情報等の専門会社であるDryad社は2016年第4四半期の海上犯罪報告書を発表した。全世界で2016年に62名が身代金目的で誘拐され、2015年の19名、2014年の9名と比べると大幅に増加した。ナイジェリア沖の海賊の件数は2015年の20件から、2016年は49件と2.5倍に増加し、身代金目的で誘拐された船員の人数も前年の31名から51名に急増している。世界全体でみると2012年から海賊事件の総件数は継続して減少しており、前年の246件に対し、2016年は191件と減少した。報告書自体は以下のリンクを参照。
      • 原文 Feb 10, 2017,Dryad Maritime(長谷部)
    • 2】 英国海洋学センターが深海底の鉱物資源の採掘が環境に与える影響を警告
      • 2】 2月9日、英国海洋学センター(NOC)は、深海底の鉱物団塊の採掘は、深海底の生態系に長期間にわたる深刻な悪影響を与える恐れが高いと報告した。深海底の鉱物団塊の商業的な採鉱は未だ開始されていないが、深海底の開発を所管する国際海底機構(ISA)は多くの国に太平洋中央部における深海底開発の権利を与えている。NOCは1970年代から現在までに実施された数々の試験的な採鉱によってもたらされた環境への影響をまとめて、採鉱活動によってもたらされる環境への一般的な影響を検討した。
      • 原文 Feb 9, 2017NOC(長谷部)
    • 3】 水中ケーブルをロボット工学と自動運航技術を活用して遠隔検査・修理
      • 3】 英国政府はHeriot-Watt大学海洋システム研究所とSmart Systems グループに対し、400万ポンドを供与して、ロボット工学と船舶自動運航技術を活用して、離れた場所から水中のケーブルを検査・修理して耐用年数を延長する技術開発を進める。英国政府は地球温暖化ガスの削減のために、現在5GWの能力しかない洋上風力発電施設を2050年までに合計発電能力を40GWまで引き上げるという野心的な目標を立てているが、現在までは水中ケーブルを含む洋上風力発電施設の運用・補修の費用の削減には取り組んでこなかった。英国は水中の遠隔検査技術の分野で世界に先行しており、この遠隔検査技術は、石油ガスの海上掘削リグの運用停止・廃止技術としても応用でき、海上掘削リグを廃止する産業は2020年までに年間25億米ドルの売り上げが期待できる有望な新たな産業である。
      • 原文 Feb 10, 2017The Maritime Executive(長谷部)
    • 4】 船員の雇用主に対し最低25%の船員に薬物検査を行うように要請
      • 4】 船員の雇用主は、米国においては法律(46CFR16.230)上、薬物検査計画を作成し、船舶検査証書の対象となる業務を担当する船員等に対して、ランダムな薬物検査を実施し、検査の記録を保存して、年に1回、管理情報制度報告書(Management Information System (MIS) Report)の一部として、米国沿岸警備隊(USCG)に提出しなくてはいけないが、このほどUSCGは2017年におけるランダム薬物検査の最低実施率を25%にすると発表した。但し、2016年分として提出された情報に問題があり、または同年のランダム検査の結果として、薬物陽性者の比率が1%を超える場合には、USCGは2017年において25%以上ランダム検査をすることを雇用主に対して指示することができる。2016年に報告されたランダム検査による全体平均の薬物陽性比率は1%を下回った。
      • 原文 Feb 7, 2017Safety4Sea(長谷部)
    • 5】 海水の循環速度の鈍化により二酸化炭素の吸収能力が増え海水酸性化が進行
      • 5】 UC Santa Barbara校の地理学者等がNature誌に発表した研究によれば、今世紀に入ってから海洋の地球温暖化ガス吸収能力が高まる結果として海洋の酸性化が進み、海洋生態系中のカルシウム炭酸塩の形成に悪影響を与えている。なぜ海洋の地球温暖化ガス吸収能力が高まったのかは不明であったが、海表面の海水と深海底の海水との間の循環速度の鈍化が寄与していることが本研究で判明した。科学的な常識では、表面の海水と深海の海水の循環速度が落ちれば、海面温度が上昇して、表面の海水に含まれる二酸化炭素量が飽和に達して、大気中からの二酸化炭素吸収能力が落ちるはずだが、反対の観測結果が出たのは、二酸化炭素を多く含む深層水が海洋表面に上昇しにくくなったためと考えられる。
      • 原文 Feb 8, 2017,ERI(長谷部)
    • 6】 すでに多くの船主がBWMS設置を先延ばしするために定期検査を前倒し実施
      • 6】 2月9日、日本海事協会がシンガポールで行ったセミナーによれば、約700隻の船舶がバラスト水管理装置(BWMS)の既存船への設置期限を先延ばしするために、2014年と2015年に前倒しで定期検査を既に受検した。一方で、BWMSを装備する船舶も増えており、同協会が検査している船舶の約15%、1000隻から1500隻が既に同装置を装備している。
      • 原文 Feb 10, 2017Seatrade Maritime News(Hannah)
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