2017/2/21 LROニュース(6)
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2017.02.21 UP
2017/2/21 LROニュース(6)
- 1】 バングラデシュの船舶解体場で働く労働者の1/3が呼吸器疾患
- 1】 2月2日、バングラデシュの職業安全健康環境基金(OSHE)が同国の船舶解体場で働く101名の労働者を対象とした健康調査の結果を発表し、101名のうち33名の体内から多量のアスベストが発見された。このうち、8名は肺の60%をアスベストにより浸食されていた。これらの労働者については、毎週の健康チェックと、毎月肺の検査を行うことが勧告された。OSHEは解体される船舶の船主や労働者が当該船舶にアスベストが含まれていることを認めたがらないと指摘している。アスベストは肺がんを引き起こす可能性もあり、世界の50か国で輸入が禁止されている。 原文 Feb 2, 2017bdnews24.com(長谷部)
- 2】 ヤマル油田からのパイプラインによる輸出能力が倍増
- 2】 1月18日、ロシア国営のガスプロムはヤマル半島のBovanenkovskoveガス田からロシア北方のウフタまでの、2番目のパイプラインを、1番目のパイプラインに並行して開設した。ウフタから先は、2012年にロシアが建設したバルティック海経由でドイツに至る”Nord Stream”パイプラインにつながっているので、ヤマル半島から欧州向けへの輸出能力が倍増したことになる。新しく建設されたパイプラインの総延長は1265kmで、2本のパイプラインを合わせた年間輸送能力は1150億㎥となる。なお、ガスプロムはこのパイプラインと同時にロシア北方のプルぺと黒海のZapolyaryeを結ぶパイプラインなど、合計で3本のパイプラインの供用を開始した。 原文 Feb 2, 2017,The Maritime Executive(長谷部)
- 3】 豪の会社が消費者と生産者を直結する海上貨物予約システムの提供を開始
- 【3】 豪のChina Sea Rates社は、米国の消費者が中国の生産者から直接物品を購入することを可能とする海上貨物予約システムを開発した。このシステムはいかなるインターネット通販事業者や船社のサイトにも簡単にインストールすることが可能で、フォワーダー等の物流事業者をバイパスすることが可能となる。同社の”One Click, One Ship”システムを使えば、消費者自らが海上貨物輸送料金を把握・比較し、予約することが可能となり、現在航空便小包が使えない25kg以上の重量物を直接購入し、中間物流コストを節約することにより、輸送コストの大幅な節減を図ることができる。 原文 Feb 2, 2017,The Load Star(長谷部)
- 4】 最初の実用商業自動運航船は定点の短距離を往復するフェリーなどに
- 4】 1月28日、ロールスロイス社の技術開発担当副会長が技術誌に投稿し、同社としては、最初に商業的に実用化される自動運航船は、川やフィヨルドの入り口など短距離の定点を往復する自動車運搬フェリーか港湾タグで、3年以内に実用化される見通しを示した。より一般的な外航貨物船の自動運航化は10年から15年かかるとしている。自動運航船には、陸上の管制センターから遠隔操作されるものと、船舶自体が周辺状況を判断して自律的に運航するものが含まれる。同社はフィンランドで先進的な水上自動運航技術(Advanced Autonomous Waterborne Applications: AAWA)開発事業に参画しており、2020年までに、沿岸域で自動運航船を実用化させる予定。 原文 Jan 28, 2017Spectrum(長谷部)
- 5】 ロッテルダムでタンクコンテナの需給マッチング会社がスタート
- 5】 2月2日、ロッテルダムでTankContainerFinder.comが営業を開始した。国際タンクコンテナ機構(ITCO)によれば、世界中で458200個のタンクコンテナが流通しているが、化学薬品、ガス、石油、その他の液体などように細かく用途が分かれており、荷主が自分の製品を運搬するのに適したタンクコンテナを近隣で調達するのは容易なことではない。一方で使用する荷主が見つからない5万から8万個のコンテナが利用されないで放置されている状態にあるので、世界で約3000社のコンテナリース会社と①何社以上の荷主企業の需給をマッチングさせるサイトを開設した。ソフト開発の段階から多くの引き合いがあり、既に全世界から多くの企業が参加している。 原文 Feb 2, 2017,ロッテルダム港湾局(長谷部)
- 6】 OBPがバブ・エル・マンデブ海峡周辺における海上保安情勢について分析
- 6】 1月31日、米国のNGOであるOBP (Oceans Beyond Piracy)は昨年10月以来、海上保安状況が悪化しているバブ・エル・マンデブ海峡周辺海域の海上保安情勢について分析した新たな報告書を発表した。同海峡周辺の最近の攻撃は、単なる海賊から、イエメン周辺の部族対立に起因するものと、テロ攻撃に変質してきたとして、昨年の10月から12月までの7件の事故は、従来からの海賊事件が1件、イエメン周辺の部族対立に起因するものが4件、海上テロ攻撃が2件に分類できるとしている。こうした保安状況の悪化に対応するためには、耐攻撃性の高い船舶の使用や、より高度な装備と訓練を受けた民間警備員の配乗、同海域の運航を回避して喜望峰を迂回するといった航路の変更、より高額な保険料の支払い、船員・警備員に対する高額な補償料など、大幅なコスト増が予想されるほか、既存の保安対策について、個々にその当否と改善を検討しなくてはならないと結論付けている。 原文 Jan 31, 2017OBP(長谷部)