2017/10/31 LROニュース(5)

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  • 2017.10.31 UP
    2017/10/31 LROニュース(5)
    • 1】メキシコ湾油濁事故の油流出規模は2倍になるも現段階で環境被害なし
      • 1】メキシコ湾で油流出事故を起こしたLLOG開発社は、10月18日、沿岸警備隊(USCG)と米国環境安全執行局(BSEE)に対し、当初見積もり量の約2倍の最大1万6000バレルの油が流出した可能性があると報告した。原油の漏出は水深約5000フィートの海底で、小さな破孔から排出されているため、漏出油は細かい粒となって、海面に到達する前に、深海底流に乗って拡散されると思われるとUSCGはコメントしているが、USCGとBSEEは海面に流出油が到達した場合に備えて、LLOG開発社と米海洋大気庁(NOAA)に要請して、海上待機処理体制を整えている。USCGはさらに航空機と遠隔操縦海中ドローンを使用して、流出油の捜索を行っているが、現在までに流出油は確認されていない。
      • 原文 Oct. 20, 2017, gCaptain (長谷部)
    • 2】国際運輸労連とUAEが船員の放棄の問題で連携
      • 2】国際運輸労連(ITF)とUAE連邦交通庁(FTA)は10月中旬に、UAEと湾岸諸国が直面する船員の放棄の問題の解決のために、今後両者が連携を深め情報交換を行っていくための、議定書の締結に向けて作業を進めていくことで合意した。FTAはUAE政府として2006年の海上労働条約を批准するための国内作業を進めていくことを言明し、ITFは批准作業のために必要な助言や訓練などの面で支援することを約束した。ITFはUAE政府が放棄船員の問題に真剣に取り組む姿勢を明らかにし、船員の人権を繰り返し侵害しているある船主の船舶について入港禁止措置を既にとったことを評価し、このような動きが湾岸地域の他の諸国にも広がっていくことを期待するとコメントした。
      • 原文 Oct. 20, 2017, ITF (長谷部)
    • 3】北極海北航路を航行する船舶の2割弱が露の運航規則に違反
      • 3】ロシアの北極海北航路(Northern Sea Route: NSR)庁によれば、2017年1月から10月の期間において、84隻の船舶が88回、露政府が定めた運航規則に違反したと発表した。違反船舶数はこの夏同航路を運航した船舶の全体数の約15-20%にあたる。違反の具体例として、同航路侵入時または退出時に同庁への通報を怠った、承認した航路から逸脱した、承認なしに同航路に侵入した、船舶の性能を超える危険な海氷条件で航行したなどが挙げられている。違反数の約半分が、船舶の性能を超えた海氷状況下での航行で、事故に直結する重大な違反だとしている。本年初めには、デンマークのばら積み船と原子力砕氷船が衝突するという事故が発生したが、幸運にも大事故に至らず両船とも沈没に至らなかった。
      • 原文 Oct. 19, 2017, High North News (長谷部)
    • 4】欧州理事会が旅客船の安全基準の強化に関する3命令を採択
      • 4】10月23日、欧州理事会は、旅客船の安全規制と基準を改正する命令、乗船した旅客情報のデジタル化を求める命令、RO-ROフェリーと高速旅客船の監査に関する枠組みを明確化する命令の3命令を採択した。この3提案については、本年6月に欧州議会との間で非公式の合意ができていた。これらの命令によって、旅客船の安全性が向上するばかりでなく、デジタル化等を通じて、船社の事務負担の簡素化・迅速化が図られることとなり、海運業界にとっても恩恵がもたらされる。これらの3命令について、欧州議会は既に10月4日に正式承認しており、今後の日程としては、命令を具体化する規則が理事会と議会で11月中に承認され、その数週間以内に官報公示され、新規則は公示の20日後に発効・適用されることとなる。
      • 原文 Oct. 23, 2017, EU (長谷部)
    • 5】海洋酸性化の影響に関する報告書がCOPで公表
      • 5】独が主導で250人以上の世界中の科学者が8年間にわたり研究した「海洋酸性化による生物学上の影響」に関する報告書が、11月にボンで開催されるCOPで報告されるところその概要は以下のとおり。CO2排出による海洋酸性化は全ての海洋生物に影響を及ぼし、海洋生物の幼生が特に影響を被る。一例として、成魚にまで成長できるタラの幼魚は、現在の数の1/4或いは1/12にまで激減する可能性がある。こうした海洋の酸性化は、気候変動・海洋汚染・沿岸域の開発・乱獲・養殖に使用される餌の影響で、将来的にさらに促進される。産業革命以来、海洋の表流水の平均pHは8.2から8.1に減少したが、この結果、海水の酸性度は26%増加した。酸性化の影響は、冷たい海より暖かい海の方が大きく、二枚貝や巻貝の方が甲殻類より影響を受けやすい。
      • 原文 Oct. 23, 2017, BBC (Dafnis)
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