2017/1/4 LROニュース(5)

NEWS


※LROニュースの内容については、有料メールニュースなど営利目的での転載はご遠慮頂くとともに、2次使用の際はLROニュースからの転載である旨を明示していただきますよう、お願いいたします。

トップページ > LROニュース > 2017/1/4 LROニュース(5)

記事アーカイブ

  • 2017.01.04 UP
    2017/1/4 LROニュース(5)
    • 1】韓国産業銀行が海運・造船業界救済のための様々な金融支援措置
      • 【1】韓国国営の韓国産業銀行の運用する造船基金から船主が新造船のための融資を受けるためには、今迄は船主の債務比率が400%以下であることが条件であったが、新規造船需要を促進するため、同行はこの条件を廃止し、5年以上の用船契約さえあれば、船主は自由に新造船のための融資を基金から受けられるようになった。さらに、12月21日、同行は民間投資機関と共同で5000億ウォンの海運企業向け新基金を創設した。
      • 原文 Dec 21. 2016.Splash 24/7(長谷部)
    • 2】ガスプロムと三井物産が広範な戦略協力協定を締結
      • 2】12月16日、世界最大のLNG生産・供給企業であるガスプロムと三井物産はサハリンIILNG開発計画の拡大やLNGバンカー供給事業を含む広範な戦略協力協定を締結した。日本国際協力銀行(JBIC)もガスプロムと覚書を交わし、日ロ共同事業に対する金融支援を約束した。国土交通省は横浜港でLNGバンカー供給事業を開始するための事業可能性調査を開始している。
      • 原文 Dec 20. 2016.Ship & Bunker(長谷部)
    • 3】Hapag-LloydとUASCの合併交渉が資金不足で難航
      • 3】Hapag-LloydとUASC両社は合併することを昨年の7月に合意し、昨年末までに世界で5番目に大きい船社になる予定であったが、海運不況が深刻化する中で、UASCに対し融資を行っている銀行団が5-9億米ドルの融資を引き揚げようとしており、銀行団はUASCの出資者に対して追加資金の提供を要求している。この穴を埋めるために世界で最大級の政府系ファンドであるカタール投資庁やカタール国立銀行が出融資を行うという噂もあるが、正式な決定はされていない。この結果、合併の実現は3月末頃までにずれ込むという見通しもあるが、Hapag-Lloydは主たる融資機関と競争当局からの承認を得るのに一定の時間がかかるのは通常であるとしている。
      • 原文 Dec 20. 2016.Reuters(長谷部)
    • 4】韓進海運の次の破綻は海運会社ではなく大手船主に
      • 4】2017年は、海運会社に船舶を貸し付けている船主が、船舶余剰の影響をまともに受けて、破綻に至る可能性がある。例えば、大型コンテナ船の独立系船主として最大規模のギリシャのDanaosは韓進海運が運航していた55隻のコンテナ船のうちの8隻の船主であったが、2017年中に同社が貸し出している24隻のコンテナ船の用船契約が切れ、2018年にさらに3隻の用船契約が切れる予定である。用船市場はしばらく回復の見込みはないことから、同社には、これらの長期用船契約切の船舶を解体するか、現在の低迷するスポット用船市場ではるかに低い用船料で短期の用船契約を締結するしか選択肢は残されていない。同社は優良な船社と長期の用船契約を締結することに経営の安定性を図ってきたが、韓進海運の破綻によって、用船市場のゲームのルールは変わってしまったのである。
      • 原文 Dec 22. 2016.The Loadstar(長谷部)
    • 5】ICS:海運を欧州排出権取引制度の対象とする欧州議会の決定に反対
      • 5】国際海運会議所(ICS)は、IMOが2021年までに二酸化炭素排出削減の具体的な対策に乗り出さない限り、2023年から国際海運をEU排出権取引制度の対象とするとした欧州議会環境委員会の決定に強く抗議し、同決定は現在進行中のIMOにおける作業を阻害し、EU非加盟国を失望させるものであると表明した。ICSは欧州船主協会(ECSA)と協力して、2017年前半にも予定される欧州議会の全体会合で環境委員会の決定が否決され、また全体会合で可決された場合に備えて、EU加盟国や欧州委員会に反対の立場を訴え続けていく。EUの排出権取引制度は、電力・ガスなどのエネルギー産業やセメント・鉄鋼といった大規模製造業を想定して作られた制度であり、中小企業が多い海運業界に適用するのは不適当である。二酸化炭素排出削減のために、市場原理をどうしても導入するとするなら、ICSとしては化石燃料に対する世界一率の課税制度の導入を支持する。
      • 原文 Dec 16. 2016.ICS(Hannah)
  • 資料閲覧 その他