2017/1/13 LROニュース(5)

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  • 2017.01.13 UP
    2017/1/13 LROニュース(5)
    • 1】中国の資本で建設中のパキスタンのグワダル港が水不足で立ち往生
      • 【1】500億米ドルが投資されて建設中の中国=パキスタン経済回廊(CPEC)の入り 口であるグワダル港は何百万トンもの物資を取り扱う予定で、200エーカーの自由貿 易地区と原油・LNG輸出ターミナルが建設中であるが、グワダル港は砂漠の中に位置 するために、水不足が深刻で、港湾建設に従事するための人口の増加と既存の水源の 縮小と相まって、さらなる経済活動の拡充のために必要な水資源の供給がボトルネッ クになっている。パキスタン政府は高価な海水炭化装置を設置したが、一般住民の生 活水の供給に手いっぱいで、工業用には利用できていない。バルチスタン州に建設中 の2か所のダムが頼りだが、治安状況が悪くて、建設が遅れており、早くても完成は 2018年まで待たなくてはならない。
      • 原文 Jan 2, 2017,The Maritime Executive(長谷部)
    • 2】シンガポール高裁が韓進海運の資産差し押さえ禁止命令を解除
      • 【2】シンガポール高裁は、本年1月25日までの間、韓進海運、韓進海運のシンガ ポール完全子会社に対する訴訟行為を禁止し、HanjinRome号を除く、同社がシンガ ポールで保有する一切の資産に対する差し押さえを禁止する命令を昨年9月6日に出し ていたが、韓進海運に関する韓国裁判所の再建計画を待つべきとする韓進海運の主張 を同社が取り下げたため、1月6日、同高裁は9月の命令を解除した。この結果、韓進 海運の債権者はシンガポールにおいて、同社に対していかなる法的措置もとれること になった。
      • 原文 Jan 12, 2017,Hellenic Shipping News(長谷部)
    • 3】南シナ海:比政府は仲裁裁判所の判決をもとに直ちに対抗手段を
      • 【3】(論説)ドゥテルテ大統領は南シナ海の領有権問題の解決は当該海域から石 油資源の採掘が実際に行われるようになってからでも遅くないという立場だが、比大 学海事研究所所長は実際に資源開発が始まってからでは、既成事実が積み上げられ、 問題の解決は遅きに失する可能性が高く、今こそ中国の南シナ海における軍備の強化 に反対すべきであると主張する。比の対中国問題担当大使も、大統領と同様に、仲裁 裁判所の判決がある以上、国際法上遅きに失するというようなことはなく、当面は中 国との良好な関係を継続すべきと主張する。地政学の専門家は、中国の拡張主義を止 められるのは、同盟国の米国だけだと主張する。
      • 原文 Jan 2, 2017,Asia Maritime Reviews(長谷部)
    • 4】船舶からの排ガス環境規制に関する諸問題
      • 【4】(論説)船舶からの排ガスの排出規制については、二酸化炭素、硫黄酸化 物、窒素酸化物については、既に具体的な規制強化に向けての検討・合意がIMOや欧 州委員会等で進んでいる。一方で、黒色炭素を除いた微小粒子状物質の排出規制につ いては、ほとんど規制のための議論が進んでいないし、極圏の海氷融解を促進する黒 色炭素の排出規制の必要性と規制の対象となるべき黒色炭素の定義についてはIMOに おいて合意ができたものの、具体的な規制の実施方法については議論が遅々として進 んでいない。また強化された規制に対応可能な機関が実際に供給可能か、米国と欧州 の間で規制基準が異なることに伴う技術的な問題など規制を実施に移すに当たり解決 すべき問題は多い。
      • 原文 Jan 3, 2017, World Maritime News (Hannah)
    • 5】米国で刑事裁判を受けたソマリア海賊は厳罰に
      • 【5】ソマリアの海賊は21世紀に入ってから徐々に活動を活発化させ、2008年には 海賊活動が最高点に達し、わずか1年間で商船から815名が人質として誘拐され、船舶 のハイジャック事件も1年間で5倍となった。このため、2008年と2009年に国連決議が 採択され、諸外国の海軍がソマリア領海内を哨戒し、海賊を取り締まれることになっ た。しかし、逮捕した海賊をどのように刑事処罰するかについては、十分な検討がな かったために、多国籍軍による哨戒活動が始まって数年間は、せっかく逮捕した海賊 のほとんどを釈放していた。いくつかの国は、自国の利益を侵害した海賊について は、自国で刑事裁判にかけることに同意したが、オランダやフランスにおいては海賊 に対する特別法が無く、公海上の海賊行為に対して裁判管轄権がなかったために、仮 に有罪となっても通常の刑事犯罪として処罰されたため、最大でも5年程度の禁固刑 で済んだ。ところが、米国は200年以上前に制定された海賊を処罰する法律が今でも 有効であるために、米国海軍に逮捕され、米国で刑事裁判を受けた28人のソマリアの 海賊は、終身刑など他の国で裁かれた海賊に比べて極めて厳しい判決を受けることと なった。
      • 原文 Jan 01, 2017,The guardian(武智)
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