2019/09/27LROニュース(6)

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  • 2019.09.30 UP
    2019/09/27LROニュース(6)
    • 【1】イラン政府が拘束していた英国のタンカーの解放を表明
      • 【1】英国籍タンカーStena Imperoがイラン革命防衛隊により拿捕されてから2ヶ月以上が経過し、イラン政府は、同船を解放するために必要な法的手続きが整ったとして、同船を解放することを明らかにした。同船の具体的な出港日時については明らかになっていない。同船の解放により、2ヶ月以上にわたり続いた英国とイラン政府による両国のタンカー拿捕を巡る対立は終焉を迎えるとみられるが、一方で、ジョンソン英首相は23日、サウジアラビアの石油精製施設への攻撃はイランによる仕業であると発言し、米国とともにイランを責める姿勢を見せており、英・イラン両国間の全面的な緊張関係はすぐには治まりそうにもない
      • 原文 September 23, 2019, Telegraph(若林健一)
    • 【2】サウジの原油減産の最も大きな影響を受けているのは中国
      • 【2】中国の石油輸入は伝統的にサウジアラビア、イラン及びロシアに依存しており、中国の石油供給量の40%以上は湾岸諸国に頼っている。中国の国家統計局(National Bureau of Statistics)によると、昨年の中国のサウジアラビアからの原油輸入量は、世界シェアの約20%に当たる約4億5千9百万トンで、対前年比で10.1%(約2390億ドル)もの増加を記録しており、9月14日に発生したサウジアラビアの石油精製施設へのドローンによる攻撃により同国の石油精製施設の約6割が停止する事態となったことで、最も大きな影響を受けている国は中国であると見られる。また、攻撃を受けたアブカイク石油精製施設においては、中国がサウジアラビアから輸入する原油の約3分の1が精製されているが、石油精製施設は特定の原油を取り扱うように通常は調整されているため、他の種類の原油に切り替えるという選択をした場合、生産の遅れや技術的な問題により、中国国内の多くの石油精製施設が影響を受けることも予想されている。さらに、中国は、最近になり米国産の石油輸入にも頼っているが、両国間で加熱する貿易戦争によってその量は減少しており、また、米国による対イラン制裁により、イランからの石油輸入量も制限を受けている状況にある。
      • 原文 September 24, 2019, Asia Times(若林健一)
    • 【3】Brexit: 英国政府が8社の輸送企業と緊急輸送協定を締結
      • 【3】英国運輸省はBrexitの際に医薬品を含む緊急輸送物資の輸送契約の入札にあたり、応札資格を持つフェリー会社等運輸関係8社をあらかじめ指定する今後4年間にわたる緊急輸送協定を締結した。あらかじめ当該8社に入札資格を与えることにより、実際に緊急輸送の必要が生じた際に、より早くより効率的に実際の輸送契約を締結することを可能とするもので、今年初めに不必要・不用意に複数フェリー会社と緊急輸送契約を結んで社会的非難を浴びたのと異なり、現段階では国民の税金は全く使われていない。緊急輸送は、ドーバー・カレー・ダンケルク等のBrexitの際に混乱が予想される港湾を避けたルートを選んで実施される予定。
      • 原文 September 24, 2019, The Loadstar(長谷部正道)
    • 【4】IPCC: 「気候変動による海洋・雪氷圏に対する影響」特別報告書を発表
      • 【4】地球温暖化により、雪氷圏での溶融が進み、海水の上昇で世界中に大きな影響を与えるとされている。特に懸念されるのは高山地域、低地沿岸地域、北極圏、そして小島嶼開発途上国に住む14億人の生活や、生態系の破壊、そして異常気象の発生数などで、9月24日に気候変動に関する政府間パネル(Intergovernmental Panel on Climate Change: IPCC)は特別報告書「気候変動による海洋・雪氷圏に対する影響」を発表し、海と雪氷圏での継続的な変化に対する緊急的な対応を要求した。この報告書には現在の気候変動による脅威の評価、次世代が対応することになる課題、回避できない気候変動問題に適応する選択肢、持続可能な社会への管理などが記載されている。さらに、地球温暖化を最低限に抑えることが有効であることを証明し、GHG排出量の削減が海と雪氷圏への変化の軽減につながるとした。
      • 原文 September 25, 2019, IPCC(蘭潔美)
    • 【5】北極海の海氷面積が史上2番目に小さい面積に
      • 【5】9月18日に記録された北極海の海氷面積が観測開始以降、2007年及び2016年と並ぶ2番目に小さい面積の415万㎢となり、これから秋と冬にかけて面積は上昇する見込みだが、風の方向や他の原因などでさらに減少することも考えられる。観測史上13番目までの年間最小面積はすべて過去13年に観測されており、2012年には史上最小面積が観測され、今年の記録も長期的な下降傾向を表している。今年の最小面積観測日は1981年から2010年までの平均日の9月14日より4日遅れているが、四分位範囲の9月11日から9月19日には当てはまっている。
      • 原文 September 23, 2019, NSIDC(蘭潔美)
    • 【6】ロイズ船級協会が燃料電池を利用した新世代船舶の技術開発に参加
      • 【6】ロイズ船級協会EMEAは、イタリアのNavalprogetti社とトリエステ大学と共同で、欧州地域開発基金の資金支援を受けて、再生可能エネルギーによる船舶駆動システム(Renewable Energy Ship Propulsion: REShiP)を開発する研究開発事業を、約69万ユーロの予算で2019年4月1日から開始した。燃料電池による電力によって駆動し、IMOの窒素酸化物・硫黄酸化物・二酸化炭素等の排ガス基準を満たし、排ガスも騒音もほぼゼロの革新的な駆動システムを開発する。燃料電池による駆動システムは既存船にも装備でき、150人から200人を定員とする中型クルーズ旅客船に搭載することを目標とする。
      • 原文 September 23, 2019, ロイズ船級協会(長谷部正道)
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