2021/03/26LROニュース(7)

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  • 2021.03.29 UP
    2021/03/26LROニュース(7)
    • 【1】イスラエルの貨物船がアラビア海でミサイル攻撃を受ける
      • 【1】イスラエルの治安当局者によると、3月25日、タンザニアからインドに向けアラビア海を航行していた同国の企業が所有する貨物船がミサイルによる攻撃を受けた。同船は攻撃後もそのまま航行を続けている。同国のメディアは、同船はリベリア船籍で同国の港湾都市ハイファに拠点を置くXT Managementが所有する船舶であると伝えている。本件に関してイスラエル政府当局は公式にコメントすることを避けている。約1ヶ月前にはオマーン湾で同国の車両運搬船が爆発物による被害に遭い、イスラエル当局は機雷が原因であると述べ、イスラエル首相はイランによる仕業であるとして非難したが、イラン側はこれを否定している。
      • 原文 March 25, 2021 gCaptain (若林健一)
    • 【2】英国の炭素中立に波力発電が大きく貢献する可能性
      • 【2】プリマス大学の研究者が、英国の波力発電分野の過去5年間の変動および現在の状況についての調査結果を発表したところ、波力発電は将来的に英国の年間発電量の最大15%を占め、2050年までの炭素中立の実現に貢献する可能性があることが明らかになった。2017年には、英国のエネルギーの約3割を太陽光・風力といった再生可能エネルギーが占め、分野の専門知識は洋上再生可能エネルギーの発展にも生かされたが、他の再生可能エネルギーと比べ波力発電は大きく後れを取っているという。研究者によると、これは特に目立った少数の問題や、商業的な課題が波力発電に対する一般的な信用を損なわせ、大規模なプロジェクトよりもニッチな利用に焦点を当てるようになったことが原因だとしている。英国の沿岸部の波の状態は、波力発電の開発に十分に対応できるものであるにもかかわらず、英国王室所有(Crown Estate)のリース地において、波力発電所があるまたは稼働中の場所はわずか9か所しかなく、更に一つの場所は建設中でもう一つは開発中であったが、これまでに波力発電のホットスポットの可能性があるとされてきた他の10か所に関しては、保留またはキャンセルとなっていた。研究者は、英国は波力発電分野のパイオニアであり、政府と業界の適切な支援があれば、同国の炭素中立に重要な役割を果たすとしている。
      • 原文 March 25, 2021 Offshore Energy(植木エミリ)
    • 【3】モザンビーク海峡が安全保障上の課題のホットスポットになる可能性
      • 【3】モザンビークの北部では2017年以降イスラム過激派組織による反乱により少なくとも2,600人が死亡し、60万人以上が避難を余儀なくされており、国連の報告ではソマリアを拠点とするイスラム勢力が司令部として機能しており国境を越えた繋がりも指摘されている。この反乱はアフリカ南部の情勢を不安定化させ、世界の外航タンカーの約3割が通航するモザンビーク海峡の安全を脅かし、同海峡をインド洋における安全保障上の課題の新たなホットスポットにしつつある。武力衝突は2020年に急激に拡大し、政府がイスラム過激派と対峙するタンザニアにも国境を越えて波及した。8月にはイスラム過激派組織がモザンビーク北部の主要港を政府から奪ったが、これがソマリアと同様に武装勢力が海賊行為に走る第一歩となることを懸念する声があがっている。また、海上を経由する麻薬の密輸が武装勢力にとって重要な資金源となっており、いわゆる「スマック・トラック」という密輸ルートを通って、アフガニスタンで栽培され欧州などに輸送されるヘロインの大部分が、一度モザンビーク北部に陸揚げされている。同海峡北部では液化ガスプラントの開発が進んでおり、仏や米など海外からの投資も行われているが、情勢の悪化を受けて仏の石油企業Totalはその業務の一部をモザンビーク北部から仏領マヨット島に移し始めている。深刻な債権問題に直面しているモザンビーク政府は反乱に対してこうかてきな行動をとることができず、傭兵への依存度を高めている一方で国際的な支援の受入れにはやや消極的である。仏や他の欧州諸国などは現在、問題を封じ込めるための努力を強化している。
      • 原文 March 24, 2021 The Maritime Executive (若林健一)
    • 【4】北極海航路で耐氷性の低い船は高確率で氷に阻まれる危険性
      • 【4】過去10年間で北極海の船舶交通量は急増し、特に北極海航路(NSR)の貨物輸送量は10倍以上に増えたが、気候変動により海氷が減少するにつれ、耐氷性の低い船がますますNSRへ参入してきている。氷海域での航行は、経年で硬化した氷に衝突したり、船体表面への氷の付着、遠隔地であることや難しい天候条件といった多くの危険と隣り合わせだが、最も深刻な問題は、船舶が海氷に囲まれて動けなくなり、砕氷船などの他の船舶の助けが必要になることである。船が氷に囲まれると、船体に圧力がかかって深刻な損傷を負う可能性があり、油の流出に繋がる可能性がある。また動けなくなった船が浅い海域に向かって漂流し、座礁して乗組員や乗客、貨物を危険に晒す可能性もある。フィンランドの研究者達によると、NSRで実際に船が氷に囲まれて立ち往生した事例は2013年から2017年の間に58件発生しており、船舶の耐氷性を低・中・高に分類すると共に、海氷の密度60-70%と90-100%に分け、春から秋にかけて一定の距離を航行する船舶が氷に囲まれる確率を検証した。その結果、確率を決定づける要素は船舶の耐氷性と海氷の濃度で、氷の状態が厳しいことで知られる東シベリア海など、地理的な要因によってリスクが高まるわけではなく、ラプテフ海・カラ海・東シベリア海において発生率に顕著な違いはないことが明らかになった。特に耐氷性が中・低程度の船のリスクは非常に高く、耐氷性の低い船が海氷密度90-100%の海を航行した場合、中程度の船に比べて3倍、高程度の船に比べてリスクは20倍もが高かった。更にどの船種でも氷の密度が高いほど動けなくなる危険性が高まり、密度が60-70%から90-100%に増えると、発生率は2倍になる。
      • 原文 March 25, 2021 High North News(植木エミリ)
    • 【5】イランが石油輸出の拠点をオマーン湾に移転することを計画
      • 【5】現在、イラン産の石油の90%以上はハークル島を中心としてペルシャ湾から輸出されているが、3月25日、イラン大統領は今年実施する新たな39の主要インフラの整備計画の詳細を発表し、同国の石油輸出の拠点をペルシャ湾からオマーン湾に面するコー・モバラック港に移転する計画であることを明らかにした。同港は、1日当たり100万バレルの原油を輸送することができるGoureh-Jask原油パイプラインに接続されており、同じくオマーン湾に面しパキスタンとの国境に近い新たなコンテナ港であるチャーバハール港の約200㎞西に位置している。
      • 原文 March 26, 2021 Splash (若林健一) 
    • 【6】スエズ運河の閉塞に伴う国際海運への影響
      • 【6】24日に発生したスエズ運河の閉塞によって、穀物から子供服に至るまでのあらゆる製品の輸送費が高騰し、石油製品に至ってはほぼ2倍になった。複数の船舶が運河からの迂回を余儀なくされており、運河の両岸を塞いでいる巨大コンテナ船の離礁作業は現在も引き続き行われているが、既報のとおり船舶の再浮上には数週間を要すと見られており、欧州とアジアを結ぶ主要な航路が閉鎖されたことによって、既に小売商品の供給に遅延や支障が出ていた船会社にとって問題は深刻化している。独の保険会社Alliantzによると、この閉塞によって国際海運は一週間で60億ドル(約6577億円)から100億ドル(約1.9兆円)の損失が出る可能性があり、just-in-time制度を導入している欧州の製造業や自動車部品メーカーは最も大きな打撃を受けると考えられている。24日以降、運河の両側には30隻以上の石油タンカーが待機しており、26日時点で原油価格は3%上昇しているが、専門家は、原油やLNGの需要はローシーズンのため、価格にはそこまで響かないだろうと分析している。しかし運河の閉鎖が数週間続いた場合、欧州からアジアに輸出されるナフサや燃料油などの石油製品を輸送する小型タンカーへの影響は大きくなると見られており、航路を喜望峰経由に変更するとなると、航海日数は更に2週間追加され、燃料費も余計にかかることになる。
      • 原文 March 26, 2021 gCaptain(植木エミリ)
    • 【7】英国の新型コロナウィルスの感染者数の推移が横這い状態に
      • 【7】英国での新型コロナウィルスの感染者数はここ数週間急激に減少していたが、3月26日に公表されたデータによれば、これが横這い状態となった。また、10代の若者の間では僅かに増加が見られた。英国全体の実行再生産数(R)の値は0.7乃至0.9とされ、先週の0.6乃至0.9と比べ増加している。イングランドではロンドンと南西部を除くすべての地域で上位レベルが1.0に達しており、これはウィルスが再び指数関数的に拡散する状況に近づいていることを示唆している。さらに、英保健省は、今回のデータは3月8日に学校が再開した影響を反映していないとし、今後数週間でさらに感染率が上昇する可能性があると説明している。欧州大陸の多くの国では感染拡大によりロックダウンの発令や延長を余儀なくされており、英国首相はワクチンに耐性を持つ変異種の流入を防ぐために国境での規制を強化する可能性があると警告している。

        ※3/25の英国の感染者数:6,397人(日本1,930人の3.3倍)
        ※3/25の英国の死者数:63人(日本人30の2.1倍)
      • 原文 March 26, 2021, Bloomberg (若林健一) 
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