2021/03/25LROニュース(7)

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  • 2021.03.26 UP
    2021/03/25LROニュース(7)
    • 【1】NGOが北極海での黒煙排出量の削減を訴え燃料の切り替えを要請
      • 【1】3月22日から26日の日程でバーチャル形式により開催される国際海事機関(IMO)の汚染防止・対応小委員会第8回会合(PPR8)において、NGOは、北極海で重質油を燃料とする船舶から排出される黒煙(ブラックカーボン)の量は、燃料をよりクリーンなものに切り替えることを義務付けることで、約44%削減できると主張している。環境NGOは、燃料の切り替えの義務付けはIMOや海運業界にとって容易なことであり、海運部門を脱炭素化の軌道に乗せることになるし、北極圏やそこで生活を営む人々にとっても重要であると主張し、IMOは10年以上前からこの問題に取り組んでいるが現在まで具体的な行動には至っておらず、迅速かつ効果的な行動が求められると述べている。また、ディーゼル油や軽油(MGO)を使用する船舶にあっても、陸上の輸送手段が既に取り入れているように、微粒子を取り除くフィルターを設置または使用する必要があるとも訴えている。
      • 原文 March 22, 2021 SEAS AT RISK (若林健一)
    • 【2】シンガポールで世界最大規模の浮体式太陽光発電装置が設置される
      • 【2】シンガポールを拠点とする太陽光エネルギーの開発事業者であるSunseap Groupは3月24日、同国のジョホール海峡内に世界最大級となる5MWの浮体式太陽光発電装置(OFPV)の設置を完了した。この発電装置には、13,312枚の太陽光パネル、40台のインバーター、3万台以上のフロートが使用されており、年間約600万KWhのエネルギーを生産するとともに、約4,258トンのCO₂を相殺可能と見込まれており、同国の脱炭素化に貢献することが期待されている。また当該装置には、電気パネル・制御システム・22kVの変圧器が備わっており、発電した電力を全国に送電するための海底ケーブルの着陸地点にもなっている。装置は天候の変化にも耐えられるよう強固な低張力制御係留システムで設計されており、プラットフォームおよび必要な全ての機器を安定した状態に保つことが可能である。同社は今回の設置について、予測不可能な外洋の性質や航路、フジツボなどの海洋生物といった問題に加え、係留装置やシステムの設計には海洋に関する専門知識も求められたため、陸上での設置に比べ困難であったとコメントしており、土地の少ない国が再生可能エネルギー戦略の一環として洋上太陽光発電を導入するなかで、今回の成功が更なるOFPVプロジェクトの実施に繋がることを望むとしている。
      • 原文 March 24, 2021 Offshore Energy(植木エミリ)
    • 【3】中国が南シナ海での権益主張を正当化するための法案を準備か
      • 【3】メディアの報道やアナリストの分析によると、中国当局は南シナ海に対する権益主張を正式化し、国際法の分野でより効果的にその主張を擁護するために海事基本法を可決させようとしている。中国のメディアは、今月初めに北京で開催された全国人民代表大会で発表された計画がこの法案の可決を求めていると伝えており、South China Morning Postのニュースサイトも、この計画が、中国は法的な闘争や国の利益を断固として擁護するために備えなければならないと主張していると伝えている。中国政府が運営する中国海洋アカデミー(Academy of Ocean of China)は、全国人民代表大会の代表であるShao Zhiqing氏が、中国の海上安全を保護し、交易路を含む海洋開発を促進するために、2019年にこの法案を提出したと伝えている。アジア太平洋地域の専門家は、特に2013年に比が実施したように他国が国際法廷に訴えた場合、中国が南シナ海における自国の権益主張を強化するためにこの法案を使用すると予測している。米国のアナリストも、中国は貿易路や海洋資源としての南シナ海の重要性を認識しており、いわば南シナ海に関する弁護士を雇おうとしていると述べている。専門家は、中国はこの法案によって他国の海洋資源探査プロジェクトを阻止するために南シナ海における中国の実効支配や船舶の通航を変更することまではせず、単に他国に対して偉大な海洋国家としての地位を示すために、包括的な一連の政策と文書を必要としていると分析している。
      • 原文 March 24, 2021 Dryad Global (若林健一) 
    • 【4】北海からの化石燃料の掘削を引き続き許可する英国政府
      • 【4】英国は、化石燃料の使用を段階的に廃止するため、北海での化石燃料の掘削ライセンスの新規発行を停止すると見込まれていたが、英国政府は化石燃料からの慎重な移行の一環として、経済と雇用を守るため掘削の許可を出すことを発表した。新規発行停止を訴えていた環境団体は、化石燃料が気候を破壊することは既に分かり切っており、COP26の開催国としての英国の立場を損なわせる決断だとして非難した。しかし閣僚たちは、戦略は依然有効であると主張しており、国内の石油・天然ガスの需要や予測される生産量、洋上風力発電などのクリーン技術の増加や化石燃料分野におけるCO₂削減量の進捗状況などを考慮した「チェックポイント」を導入するとしている。化石燃料分野は、CO₂排出量を2025年までに10%、2027年までに25%削減する目標が設定されており、2030年までには50%削減しなくてはならない。こうした目標を支援するため、2030年までに官民から最大160億ポンド(約2.3兆円)が共同投資され、そのうち最大100億ポンドが水素の製造、30億ポンドが炭素回収利用貯蔵(CCUS)に利用される予定である。英のエネルギー長官は、化石燃料からの不可逆的な移行において、石油・ガス業界の労働者を置き去りにせず、英国がグリーン経済を支えるために必要な次世代のクリーン技術に焦点を当てていくとしているが、WWF Scotlandのディレクターは、エネルギー転換を公正なものにしたいならば、既存の技術をより迅速に活用し、必要なゼロカーボン産業に取り組んだ方が良いとコメントした。
      • 原文 March 24, 2021 BBC(植木エミリ)
    • 【5】スエズ運河に座礁したコンテナ船の再浮上に数週間を要する可能性
      • 【5】3月24日夕刻に満潮をむかえたが、20,388TEUの巨大なコンテナ船Ever Givenは動く気配を見せていない。その399mの船体によってスエズ運河は完全に閉塞し、既に140隻以上の船舶の運航に遅れが生じている。スエズ運河庁は当初2日以内に同船を移動できると見込み、現場には多くのタグボート、掘削機、浚渫船が配備されたが状況は変わっていない。25日にオランダのサルベージ会社SMITが8名の救助チームを現場に派遣して調査を行った。同社のCEOは作業には数日から数週間を要すると述べ、また、同船を浮上させるために必要なすべての機材を現場に用意するには時間を要する可能性があると指摘している。同氏は、スエズ運河は全幅にわたって同じ深さではなく、中央は最大25メートルあるものの、それは直ぐに15メートル、11メートルとなり、運河の端に近づくに連れさらに浅くなり、船首部付近は1メートルしかなく、同船の現在の状況はまるで海岸に打ちあがった巨大なクジラの様であると説明している。SMITの救助チームは、同船を浮上させるためバラスト水や燃料だけでなく積荷のコンテナまで降ろす必要があるか検討を行っており、プロセスには時間を要すると語っている。スエズ運河は通常1日当たり平均52隻の船舶が通航する。国際海運会議所(ICS)によれば、1日当たり30億ドル相当の貨物がスエズ運河を通過するとされる。同船の所有者である正栄汽船は、事故により他の船舶やその関係者に途方もない心配をかけていると謝罪し、同船の移動は非常に難しい作業になると認めている。事故当時の航跡をみると同船の後を航行していた船舶も不規則な動きをしており、同船の管理会社による強風が事故の原因であるとの主張を裏付けている。
      • 原文 March 25, 2021 Splash (若林健一)
    • 【6】英海軍が全ての掃海艇を無人化へ
      • 【6】英国では、国防全体の抜本的な見直しとして、海軍の増強のため陸軍を縮小するなど構造自体を大きく変えることが検討されており、その一環として掃海艇は完全に廃止され、無人の自律運航システムへ置き換えられることとなった。機雷対策(MCM)は、退屈で汚く危険で、自動化するには最適の作業であり、小型で無人のMCMプラットフォームは製造費用が安く、操縦者にとってもより安全なものである。海軍によると、無人のMCMシステムは操作も劇的に迅速化させるとしており、最悪の条件下でも機雷を従来の5倍から10倍速く見つけ出すことが可能であるという。時間・安全性・コスト面での利点により、英海軍のMCM艦隊は、初めて完全に無人化したものとしては第一級の船団となる可能性がある。昨年11月、英国は機雷に対抗するための新たなハイテクシステムを構築するため、英仏共同の海事地雷対策(MMCM)プログラムに2.5億ドル(約272億円)投資することを発表したが、今年1月にも英国国防省はAtlas Elektronikに対し新たに3基の自律型掃海システムを注文しており、3400万ドル(約37億円)を投じて提供されるCombined Influence Minesweeping(SWEEP)システムは、英海軍に導入される最初の自律型掃海システムとなる見込みである。
      • 原文 March 24, 2021 Maritime Executive(植木エミリ)
    • 【7】英国政府が4月までにワクチンパスポートの導入について検討
      • 【7】イングランドでは4月12日に屋外での飲食の提供が可能となる予定であるが、英国首相がパブに行く場合にはワクチンを接種したことを証明する所謂「ワクチンパスポート」が必要になるかもしれないと発言したことに対し、パブの店主などから疑問の声があがっていた。これを受けて首相は、ワクチンパスポートの制度の導入の可否については4月に報告が行われる予定でまだ何も決まっておらず、4月12日の段階でこの制度が適用されることはないと述べ、全国民にワクチン接種の機会が提供されて初めて制度を実施できる可能性があると改めて説明し、また、道徳的な問題や倫理的な問題など多くの困難な課題があるとも語った。一方で、ワクチン接種、感染したことによる自身の免疫、および検査の3つがワクチンパスポートの基本的な要素になり得るとも話している。

        ※3/24の英国の感染者数:5,605人(日本1,491人の3.8倍)
        ※3/24の英国の死者数:98人(日本人47の2.1倍)
      • 原文 March 25, 2021, BBC (若林健一) 
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