2021/03/19LROニュース(7)

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  • 2021.03.22 UP
    2021/03/19LROニュース(7)
    • 【1】昨年1月以降スクラバーを搭載する船舶の数が倍増
      • 【1】ボルチック国際海運協議会(BIMCO)のデータによると、2020年1月1日以降、スクラバーを装備した船舶の数は、2021年3月1日までに2,011隻から3,935隻にほぼ倍増した。スクラバーは特に大型船にとって、船舶燃料の硫黄分含有量の削減に関するIMO2020規制の条件を満たすための魅力的な解決策であり、スクラバーへの投資の回収期間は12乃至18カ月と言われている。主要な海運部門では、コンテナ船の15.9(TEUで28.7%)、ばら積船の11.4%(DWTで22.7%)、原油タンカーの24.5%(DWTで29.9%)、およびプロダクトタンカーの4.2%(DWTで13.4%)にスクラバーが装備されている。世界の多くの船舶がIMO2020規制に準拠するための手段として低硫黄燃料油(LSFO)に燃料を切り替えたため、シンガポール港では船舶燃料の売上は増加している。船舶燃料全体の売上は2020年に5%増加し、2021年の最初の2カ月間も増加を続け、前年比で2.7%増となっている。2021年2月の燃料油の売上のうち4分の1はスクラバーを装備した船舶が使用する高硫黄燃料油(HSFO)が占めており、2020年1月の17%から上昇している。LSFOとスクラバーのどちらを選択するかは、LSFOとHSFOの価格差が影響するが、米国西海岸では価格差が最も低く、最大の価格差は中東でみられ、シンガポールの1MT当り118ドルが一般的な価格差であると言える。現在の価格差は1MT当り100ドルを僅かに超える金額で安定していると思われ、昨年より価格差が広がっていることから船主や投資家は新造船にスクラバーを装備する可能性が高くなっていると言える。
      • 原文 March 18, 2021 OFFSHORE ENERGY (若林健一) 
    • 【2】米でのクルーズ再開は需要が供給を超過する見通し
      • 【2】スイスの投資銀行UBSの調査部門は、米国のクルージング再開時期は、以前の予想より後ろ倒されて第三四半期からとなる可能性が高く、再開時期の延期により短期的には見通しが悪化しているものの、長期的な見通しはワクチン普及率の拡大により昨年の予想より向上し、一度再開されれば業界の回復は非常に強力なものになるだろうと予測している。分析によると、再開して最初の12か月間は立ち上がりが遅く、最初の第一四半期の稼働率は10%以下になるとされている。しかしこうした厳しい条件にも関わらず、クルーズ船の運航を再開するための制約によって開放できる客室数が限られることと、多くの旅程が最後の航海から2~3年ぶりとなるといった理由から、需要は供給を上回ると予想されている。こうした需給の不均衡は、昨年の春から運休停止のため大幅に収益が減少しているクルーズ企業にとっては、価格設定や予約において朗報である。UBSは、古い船舶を廃棄することにより、Carnival Corporation・Royal Caribbean・Norwegian Cruise Lineの業界上位3社は利益率が向上する可能性が高いとしており、特に2019年以降に納入された最新の大型船は収益性が高く、船団をアップグレードすることで、Carnival社の営業利益率は最大で5%増加し、競合他社も小規模であるが同様に改善する可能性があるという。
      • 原文 March 18, 2021 Maritime Executive(植木エミリ)
    • 【3】NORAD及び米北方軍が北極圏に関する戦略を発表
      • 【3】北米航空宇宙防衛司令部(NORAD)及び米北方軍が今週発表した最新の北極圏における戦略には米国とカナダ両国の防衛を確保するための将来の戦略的ビジョンと優先事項が示されている。両組織の司令官を兼任するVanHerck大将は、競争相手である国や潜在的な敵国がすべての領域において高度な機能を開発および適用して、自国の国民、重要なインフラ、および戦力投射機能を危険にさらしていることを認識していると述べている。この戦略は、露と中国の両国が北極圏での活動を増加させていることを示しており、露の領土から発射され北極圏を経由して米国およびカナダに飛来する高度な長距離巡航ミサイルは、北極圏における主要な軍事的脅威であるとしている。さらに、海氷の減少と資源を巡る競争はこの戦略的に重要な地域におけるもう一つの課題であり、中国は自国が「北極圏に近い国」であると宣言し、この地域での軍事および商業の両面でそのプレゼンスを常態化し、資源開発や航路の利用を増やすための行動を起こしていると記している。また同戦略は、北極圏における情報把握能力を構築し、作戦能力やインフラを強化し、信頼性のある防衛プレゼンスを確保することにより、北極圏内及び北極圏を通じて、先住民や行政を含む同盟国やパートナーと協力して米国とカナダを守るとし、北極圏における協力関係の発展と強化を強調している。NORADは3月17日、北極圏の防空演習であるAMALGAM DARTを3月20日から26日まで実施すると発表した。この演習には、カナダ空軍と米空軍のさまざまな機体が参加し、両軍が北極圏で同盟国やパートナーと協力して活動するために必要な技術の向上を図るとしている。
      • 原文 March 18, 2021 HIGH NORTH NEWS (若林健一)
    • 【4】ノルウェーで世界初の本格的な舶用トンネルの建設許可が下りる
      • 【4】ノルウェー運輸通信省はこの度、ノルウェー沿岸管理局(NCA)に対し、ノルウェー北西部に位置するスタ半島を切り拓いて、最大幅25.5mまでの船舶が通航可能な世界初の本格的な舶用トンネル・Stad Ship Tunnelの建設に着手するための許可を授与した。NCAはこの承認に基づき、トンネル建設予定地の取得に取り掛かると共に、プロジェクト組織の設置・入札基準の作成・入札の開始といった諸手続きを開始するとしている。トンネルの全体的な建設期間は3年から4年で、費用は総額28億NOK(約359億円)を要すとされており、NCAは2022年には着工できるよう、今年中に土地の取得と建設業者の選定を行うとしている。このトンネルは実際には半島周辺の航行距離を縮めるためのものでなく、北海とノルウェー海が交わる場所であり、ノルウェー沿岸を航行する船舶にとって最も危険な海域のひとつと考えられているStafhavet海を船が迂回できるようにするためのものである。スタ半島を通過する迂回航路の構想自体は数十年前から検討されていたが、最適な航路をピンポイントで調査する近年の研究によって勢いづき、ノルウェーはこのプロジェクトを2017年に正式に開始した。全てが計画通りに進めば、トンネルは2025年から2026年に完成する予定である。
      • 原文 March 18, 2021 gCaptain(植木エミリ)
    • 【5】ギニア湾での海賊事件の続発を受けて高まる懸念
      • 【5】ギニア湾の海賊事件を巡る状況は制御不能なまでに悪化してはいないものの、いくつかの傾向は、ギニア湾を航行する商船の乗組員にとって深刻な懸念事項となっている。ギニア湾では、あらゆる船種が攻撃を受ける可能性があるが、ここ数カ月の襲撃事件をみても乾舷がかなり高い船舶でさえ海賊が移乗に成功している。また、襲撃はナイジェリアのニジェールデルタに近い場所で発生する可能性が依然として高いが、発生場所もギニア湾の大部分に広がっており、ガーナからガボンに至る国々に影響を及ぼしている。2016年から2019年半ばまでは、この地域で発生する身代金目的の誘拐事件のほとんどがニジェールデルタ南部や西部に比較的近い場所で発生していたが、その後事件発生場所のニジェールデルタからの平均距離は2019年の第4四半期に大幅に増加し、2020年には、ナイジェリア付近だけでなく、トーゴやガボンといった国にも影響を及ぼしており、これが最も懸念される傾向である。海賊による襲撃が成功する可能性は暗闇の時間帯に高くなっている。さらに日中に成功した襲撃の少なくとも一部は他の違法行為と関連している疑いもあり、被害船舶は日中にランダムに標的とされているわけではない可能性が非常に高い。日中ではれば船員が早期に賊が乗船した高速艇を早期に確認し、速度を上げて回避動作をとることや船員がシタデルに集合し海軍の応答を待つということが可能であることから、夜間における襲撃の成功率が高くなっている。過去2年間で、海賊による襲撃と疑われる事例の報告も大幅に増加しており、潜在的な攻撃についての懸念も増大していることを示している。
      • 原文 March 17, 2021 ARX MOULDING (若林健一) 
    • 【6】洋上で係留/充電を行うブイのテストが春から開始
      • 【6】英国の海洋エンジニアリング企業・Jebb Smith Ltd は3月17日、環境に優しい海洋エネルギーソリューションを牽引するため、新たに子会社としてOasis Marine Powerを設立したことを発表した。同社の最初の製品は、電力供給機能を備えたOasis Power Buoyで、同製品はまず洋上風力発電所への設置を予定されている。これによって、ハイブリッドまたは電力で駆動する船員輸送船が、帰港する前に現地でバッテリーを補充することが可能になり、燃料に依存することなく船舶を十分に活用できるようにする。このブイは風力発電所から直接供給される電力を利用して、CO₂を排出しないエネルギー源を供給することによって、海上で係留ポイントと充電ポイントという二つの機能を提供する。ブイの設計および施工は間もなく完了する予定で、OMP社はこの洋上充電システムの利用法をアニメーションで解説するデモ動画を公開した。製品のテストは今年の春ごろの実施を予定しており、販売開始は2022年を予定している。このプロジェクトは英国の海事サービスおよび運用を向上させる技術革新を進展させるため、運輸省が支援しているイニシアティブMarRI-UKから資金援助を受けている。
      • 原文 March 18, 2021 Marine Industry News(植木エミリ)
    • 【7】英国首相自らアストラゼネカ社製ワクチンを接種し安全性をアピール
      • 【7】56歳のジョンソン首相は自身の1回目のワクチン接種で、血栓ができるリスクを指摘され欧州の多くの国が使用を一時停止していたアストラゼネカ社製のワクチンを接種するとし、国民に対して同ワクチンの安全性を訴えた。また、インドから輸入されるワクチンの供給量の減少については、ロックダウン緩和のロードマップに影響を及ぼすものではないことを強調した。一方でインペリアル・カレッジ・ロンドンの疫学者は、感染が拡大しているフランスでは感染者数の5乃至10%が既存のワクチンが効きにくいとされる南アフリカ由来の変異種に感染しているとして、フランスからのウィルスの流入に警戒する必要があると語っている。

        ※3/18の英国の感染者数:6,303人(日本1,536人の4.1倍)
        ※3/18の英国の死者数:95人(日本人39の2.4倍)
      • 原文 March 19, 2021, BBC (若林健一) 
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