2021/03/16LROニュース(7)

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  • 2021.03.17 UP
    2021/03/16LROニュース(7)
    • 【1】パナマがIMOに対して豪中間の対立に関する問題を解決するよう要請
      • 【1】現在も豪産の石炭を積載した74隻の船舶が荷揚げを許可されずに1,500人以上の船員を乗せたまま中国の沖合で数カ月の間待機を余儀なくされている問題について、パナマ政府は国際海事機関(IMO)事務局長に対して問題に関する仲介や船員と船主への支援についての協力を要請した。豪政府が新型コロナウィルスの起源について国際的な枠組みでの調査を要求したことに対して、中国政府が豪産の製品の輸入制限の措置をとるなど、両国間の対立は数カ月間にわたって続いている。パナマの海務大臣は、我々の使命はこれらの船舶の船員が帰国するための合理的で前向きな解決策を見つけることであると述べ、IMOの外交的な力が、商業的な不一致によって船員の人権や幸福が無視され続けているという事実を権限のある当局に対して明らかにすることに役立つと語っている。中国での荷揚げを待ち続ける多くの船舶は9カ月以上にわたって待機を余儀なくされており、国際労働機関(ILO)の条約勧告適用専門家委員会は海上労働条約をくまなく調べ、商業的な紛争や意見の不一致に乗組員が巻き込まれてはならず、また、特に雇用契約の期限が終了している場合などに乗組員の下船が妨げられることがあってはならないと判断している。
      • 原文 March 16, 2021 Splash (若林健一)
    • 【2】気候変動によって危機に晒される地中海の海草原
      • 【2】スペインのバレアレス諸島周辺に群生する海草Poceidonia oceanicaは、毎年1haあたりアマゾンの熱帯雨林の15倍以上ものCO₂を吸収するともいわれ、気候変動に対する最も強力な自然防御の一つである。この海草は海水温によって、有性生殖も自身のクローンを生成する無性生殖も可能であり、イビザの海洋保護区では、約20万年前に海底に撒かれ発芽した種から生まれたと推定されるクローンが発見されている。しかしこうした永久にも近い寿命を持つにも関わらず、海草原を取り巻く環境は脅威にさらされている。海草原は、船が下す錨によって押しつぶされたり引き裂かれるなどのリスクがあり、2008年から2012年にかけて、フォルメンテラ島の海草原は錨泊の影響で44%減少した。この海草は成長が非常に遅く、数年前につけられた傷でも修復には千年かかると言われている。また島内の排水施設から放出される水による海水の富栄養化という懸念もあるが、最大の課題は気候変動による海水温の上昇である。海草が耐えられる熱の上限は約28℃で、研究者によるとそれによって大量死することはないが、成長の遅い植物にとっては過度の負担となる。バレアレス諸島周辺の海草原を保護するための政府の行動は近年強化されつつあり、一部の研究者は、海草が吸収した炭素に金銭的価値を付与することで、海草を保護する資金を確保できると考えているが、温暖化と海草にかかる時間の問題は依然として重要な課題である。
      • 原文 March 14, 2021 BBC(植木エミリ)
    • 【3】IMRB設立の提案に対する支持が拡大
      • 【3】3月10日に国際海事機関(IMO)に提出された国際海事研究開発委員会(IMRB)の設立に関する提案は、IMOによる監督の下、世界の海運業界における脱炭素化を支援するため50億ドル規模の研究基金(IMRF)を通して、消費する船舶燃料1トン当たり2ドルの拠出を義務付けるものである。今回の提案には、MALPOL条約附属書Ⅵの第6章の新しい草案が含まれており、また、昨年11月にIMOで開催された第75回海洋環境保護委員会(MEPC75)で提唱された法的運用、管理、法律、及びガバナンスなどのさまざまな面についても取り上げている。これまでに、ジョージア、ギリシャ、日本、リベリア、マルタ、ナイジェリア、パラオ、シンガポール、スイスがこの提案を支持しているが、これらの国に加え、ボルチック国際海運協議会(BIMCO)、クルーズライン国際協会(CLIA)、国際海洋請負業者協会(IMCA)、国際乾貨物船主協会(INTERCARGO)、国際フェリー協会(INTERFERRY)、国際海運会議所(ICS)、国際独立タンカー船主協会(INTERTANKO)、国際パーセルタンカー協会(IPTA)および世界海運評議会(WSC)が共同提案者となっており、WSCによるとこの度新たにデンマークがこれに加わった。IMOは2050年までに船舶からの温室効果ガス排出量を2008年比で半減させる戦略を設定しているが、海運が世界のCO2排出量に占める割合は2012年が2.76%であったのに対し、2018年は2.89%と増加している。
      • 原文 March 15, 2021 gCaptain (若林健一)
    • 【4】AMSA:海上でのコンテナ紛失を防ぐための戦略
      • 【4】国際海運では毎年平均1500個のコンテナが海上で紛失しており、豪海上安全局がコンテナ紛失防止のため取るべき措置をまとめた標記報告書を発表したところその概要は以下のとおり。①コンテナの紛失は、船舶の構造的な損傷、海洋/沿岸環境への悪影響、近隣の船舶や漁業への重要なリスクに繋がり、海運産業への風評被害となるだけでなく、後始末に多額の費用を要する。②紛失を防ぐにはまず、貨物固定用の機器や備品の定期的な点検・整備が不可欠であり、効果を持続するため、検査/監視/整備手順もまた定期的に見直される必要がある。③運航会社は、船員が船上での役割に応じて、貨物の固定マニュアルに精通しているようにするための訓練を実施する必要がある。貨物固定マニュアルは、書き方に不足があると手順からの逸脱やコンプライアンス違反に繋がるため、包括的で理解しやすいものでなければならない。船員は安全性・実用性共に実際の作業に準じたマニュアルに従い、貨物の最大積載量や重量配分などの制限を確実に把握し遵守する必要がある。④コンテナは最も過酷な気候条件を想定して収納・固定される必要があり、また天候が悪化して実際に固縛を増やす必要性が生じる前に、固縛の追加について検討されなければならない。悪天候の中航海するよりも早期に回避する方が良く、効果的なウェザー・ルーティングが実施されるべきである。また船長は常に最新の天候情報を参照し、運航会社は船長がいつでも確実に情報にアクセスできるようにしなければならない。
      • 原文 March 16, 2021 Safety4Sea(植木エミリ)
    • 【5】中国が化石燃料に支えられた5カ年計画を承認
      • 【5】世界の温室効果ガス(GHG)排出量の26%を占める中国は、5年毎に経済的および社会的な目標を設定する5カ年計画を策定しており、今回の第14次計画は、2030年までにGHG排出量のピークを迎え、2060年までにGHG排出量ゼロにすることを目指すと宣言して以降最初の計画であったことから、化石燃料からの脱却を含む野心的な気候目標が設定するという期待が大きかった。しかし、専門家からは、今回の計画に脱炭素化を進めるために十分な詳細な計画や2060年までに脱炭素化を達成するための戦略的ガイダンスが含まれていないとして、中国は石炭、石油、ガスへの依存を継続することに焦点を当てており、中国の排出量は今後も増加し続けるとの見方を示している。2020年には多くの国でGHG排出量の劇的な減少が見られたなか、中国においては前年比で1.5%増加している。計画では市場メカニズムの導入によりグリーン技術の開発が刺激されるとしているが、専門家は、化石燃料の消費は中国経済にとって非常に重要であり、特に現在は不確実な外部環境に直面しているため、化石燃料の消費を抑制することを留保するとの見方を示している。中国は非化石燃料がエネルギー消費に占める割合を20%とすることを目指しており、過去5年間と同様の増加を見込んでいるが、化石燃料が占める部分にもかなりの割合を残し、エネルギー消費を管理するための目標も欠けており、以前の計画よりも排出量の制約が少なく、GHG排出が2025年までに減速するという保証はないとの分析もある。
      • 原文 March 12, 2021 EURACTIV (若林健一) 
    • 【6】英で救命艇の訓練中に船員が負傷する事故
      • 【6】英国南極観測局(BAS)は、今年11月に南極大陸へ向けての初航海を予定している新たな極地調査船Sir David Attenboroughにおいて、救命艇の進水訓練中に事故が発生し、船員2名が軽傷を負っていたことを報告した。英国船舶事故調査局(MAIB)の調査によると、同船が3月4日、スコットランドのLoch Buieでの訓練中に、船員が乗っていた救命艇が船上から海へ転がり落ちたという。救命艇や救助ボートの訓練は海上業務における最も危険な演習の一つであり、統計的に見ても、曳航訓練や航行中の船舶へのはしごを使った乗船等に匹敵する危険を伴っている。昨年12月には、ばら積み船Blue Bosporusがカナダ沖で訓練中、救命艇が予期せず解放され2名の船員が重傷を負う事故が発生していた。負荷解放装置の誤作動やタイミングのずれ、危険な作業慣行や人為的ミスに起因した死亡事故の相次ぐ発生を受けて、IMOは救命艇や救助艇の訓練に関する新たな規則を採択した。当該新規則は、船員に対しIMOが義務付けた救命設備の信頼性を高めることを意図しており、2020年1月より施行されている。
      • 原文 March 15, 2021 Maritime Executive(植木エミリ)
    • 【7】ジョンソン首相などがアストラゼネカ社製ワクチンの安全性を強調
      • 【7】独、仏、伊、西など欧州の多くの国が副作用を懸念してアストラゼネカ社製のワクチンの使用を一時中断している問題を受けて、ジョンソン首相はワクチン接種を停止する理由は一切ないと述べ、また、スコットランド相も自らも順番が来れば躊躇なく接種を受けると述べ、さらに北アイルランドの主席医務官も自身が月曜日に同社製のワクチンを接種したことを伝え、国民に対して安心するように呼び掛けている。各国は、同社製のワクチンを接種した場合に血栓ができるリスクがあるという懸念を理由に使用を一時停止しているが、欧州医薬品庁(EMA)も同社製のワクチンを接種した人に血栓ができる症例が多く見られるといった事実はないと述べている。

        ※3/15の英国の感染者数:5,089人(日本989人の5.1倍)
        ※3/15の英国の死者数:64人(日本人30の2.1倍)
      • 原文 March 16, 2021, Evening Standard (若林健一) 
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