2021/03/11LROニュース(7)

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  • 2021.03.12 UP
    2021/03/11LROニュース(7)
    • 【1】海運業界がIMRF設立の提案を支持する共同声明を発表
      • 【1】国際海事機関(IMO)に50億米ドルの「国際海事研究開発基金(IMRF)」を設立するための提案がなされたことを受け、3月10日、ボルチック国際海運協議会(BIMCO)、クルーズライン国際協会(CLIA)、国際海洋請負業者協会(IMCA)、国際乾貨物船主協会(INTERCARGO)、国際フェリー協会(INTERFERRY)、国際海運会議所(ICS)、国際独立タンカー船主協会(INTERTANKO)、国際パーセルタンカー協会(IPTA)および世界海運評議会(WSC)は共同声明を発表したが、その概要は以下のとおり。①海運業界は、脱炭素化の目標を達成するために重要となるIMRFの設立に関する提案を歓迎する。②今回の提案を提出した各国政府は世界の船腹量の多くを管理している。③海運業界は各国政府に対して、今年11月に開催予定の海洋環境保護委員会(MEPC)で提案を承認することを視野に入れ、6月に開催されるMEPCで提案を前進させることを求める。④この提案が、各加盟国によって支持されない場合は、2030年までに必要な外航船舶による脱炭素化はほぼ不可能になる。⑤IMRFは、国際海事研究開発委員会(IMRB)を支援し、海事業界のための脱炭素技術を研究開発する共同プログラムを進め、また、太平洋島嶼国を含む発展途上国でのCO2削減プロジェクトを支援するものである。⑥外航船舶に適用できる大規模な脱炭素技術はまだ存在しないため、脱炭素化は研究開発の大幅な加速によってのみ実現でき、IMRFを早期に設立し海運業界を脱炭素化するためのゼロエミッション船を開発する必要がある。
      • 原文 March 10, 2021 国際海運会議所 (若林健一)
    • 【2】英国とアイルランドの主導で砕波に関する共同研究が始動
      • 【2】海運や海洋再生可能エネルギー(ORE)の設計において、波の交差により発生する砕波は最も過酷な条件の一つであるが、2021年夏より、Oxford大学とUniversity College Dublinの主導の下、こうした条件下で発生する砕波への理解を深めることによってOREの開発を支援することを目的とした2年半の共同計画が実施される。研究チームにはManchester大学やEdinburgh大学、上海交通大学の研究者も参加し、DNV・欧州中期気象予報センターとの産業連携も行う。1995年1月に北海沖で初めて観測された異常波(ドラウプナー波)は、最大で25.6mの高さを記録したが、こうした異常波は周囲の波に比べて非常に大きく、しばしば何の前触れもなく発生するため、特に海運活動にとって危険な波である。同チームは以前にも、ドラウプナー波を研究室で再現する実験に成功しており、その結果、波浪予測ツールや洋上設計ガイドラインで使用されている既存の基準は、波の交差する条件下では無効であり、信頼性に欠けることを明らかにしていた。英国およびアイルランド近海は、OREが両国のエネルギー供給に大きく貢献する可能性を秘めているが、こうした資源の開発には各国の厳しい海洋環境に対応する設計が重要な問題であり、例えば中国の洋上風力発電所の候補地は台風の影響を受ける場所にあり、そうした場所では波の交差が発生しやすいため、設計上の課題はより大きい。研究チームは、新たに開発される波の崩壊・散逸基準を波浪予測ツールや洋上設計ガイドラインに導入していくと共に、Supergen ORE Hubを通じてその知見を広めていく予定である。
      • 原文 March 11, 2021 Offshore Energy(植木エミリ)
    • 【3】北極評議会議長国の露がオブザーバー国の積極的な関与を歓迎
      • 【3】今年5月から北極評議会の議長国を務める露は、持続可能な開発と経済成長を北極評議会議長としての優先分野に設定し、この課題への実用的なアプローチは、一方では気候変動による悪影響を最小限に抑えることに焦点を当てつつ、他方では北極海における航海や天然資源の採掘活動で新たな機会を提供するというものであり、北極海への接続性の確保やインフラの開発も主要な目標の1つであるとしている。また、これに加え、気候変動への適応、生物多様性の保全、採掘計画と経済発展、北極海航路に沿った貨物輸送、北極圏でのすべての州に影響を与える観光や貿易の成長にも取り組むとし、北極評議会のすべての加盟国の共同の努力が必要であると訴えている。露は、2022年に計画している第3回北極生物多様性会議のほか、海洋環境の保護や永久凍土の劣化などの寄稿問題に取り組むため、北極圏でいくつかの会議を開催することも目指している。露は2020年に持続可能な開発に関するいくつかの案をワーキンググループ(SDWG)に提案しており、また、北極圏に暮らす人々の労働条件や生活条件を改善するための計画も持っているとしており、既に北極圏に関する政策の立案だけでなくその実施についてもすべての北極圏国と緊密に連携しているが、提案する議題は非常に広範に及ぶことから、オブザーバー国のより積極的な関与も歓迎するとの立場を示している。一方で、露北部の主要産業は天然資源開発で北部地域への大規模な投資を行っており、露経済が天然資源に如何に依存しているかを考慮すると、露は脱炭素化に関心はないと指摘する専門家もいる。
      • 原文 March 10, 2021 HIGH NORTH NEWS (若林健一)
    • 【4】シンガポールがIALAの協定に批准
      • 【4】1957年に非政府機関として発足した国際航路標識機関(IALA)は、船舶の航行援助(ATON)、船舶交通サービス(VTS)、e-navigationにおける技術的な基準をとりまとめる国際組織であり、海事産業全体で共通の基準と慣行を策定するための専門委員会を有し、安全で経済的かつ効率的な海上輸送を促進するため、世界中でATONの調和を牽引している。2020年には同機関を国際機関化するための設立協定案が採択され、同機関が政府間組織となるには30か国の署名と批准が必要であるが、シンガポールは3月1日に同機関のConvention on the International Organization for Marine Aids to Navigationにアジアで初めて署名を行い、署名からわずか数日後の9日には同協定への批准を行った。同国は長年に渡って、様々なIALAのワークショップやコースを開催してきたほか、2018年にはIALA 会員の人材育成を支援するためのIALA World-Wide Academyに5年間を通じて100万シンガポールドル(約8100万円)を拠出するMOUにも署名を行っており、評議会員の任期も4年務めている。シンガポール海事港湾庁はこの度の批准について、同国は主要なハブ港湾および世界で最も忙しい国際海運航路の沿岸国として、安全で効率的な海運を促進するためのIALAの取り組みの重要性を理解しているとコメントした。
      • 原文 March 10, 2021 Safety 4 Sea(植木エミリ)
    • 【5】インド太平洋軍司令官が西太平洋における米海軍の優位性について警告
      • 【5】中国海軍は過去何年にもわたって急速に近代化を進めており、その発展は減速する兆しを見せていない。3月9日、米インド太平洋軍司令官は上院軍事委員会において、米海軍が西太平洋地域におけるプレゼンスを強化しなければ、中国海軍に優位に立たれることになると述べた。中国海軍はすでに艦隊の規模では世界最大であり、質的能力も急速に向上している。2020年だけで25隻以上の主要な艦船を就役させており、米海軍は、中国海軍が2025年までに西太平洋地域に強襲揚陸艦6隻、空母3隻、最新の水上戦闘艦50隻以上を配備すると予測している。同司令官は台湾を防衛する能力について問われ、中国海軍の大きな進歩によって従来の抑止力は実際に浸食されつつあるとし、米国が前向きな姿勢に転じなければ中国がさらに優位に立つことになると述べ、前方展開する勢力を追加する必要性を訴えた。日本や豪などの同盟国の艦船は数を補うために役立つが、同司令官は米海軍の第7艦隊が有するより多くの艦船が必要な場合には、追加勢力が第一列島線に到達するには米西海岸からは約3週間、アラスカからでも17日間を要するとし、時間が重要な要素であると強調した。この地域でのバランスを回復するためには、長距離ミサイルや防空レーダー基地の増設に加え、作戦を支援するための予算が必要であるが、同司令官はこのニーズに対応するために他の国防費から予算を振り替えることについては難しい選択になる可能性があるとしている。
      • 原文 March 9, 2021 The Maritime Executive (若林健一)
    • 【6】中国の港で9か月間足止めされていた船が貨物を陸揚げ
      • 【6】オーストラリア・中国間の対立によって、一時は豪州石炭を搭載した70隻以上の貨物船および1400人以上の船員が足止めを食らっていたが、昨年7月に中国北東の京唐港に停泊したマルタの船が今年3月に入ってようやく積荷の陸揚げを行った。待機していた269日間には、船員交代のため韓国へ迂回した期間も含まれており、2月10日以降、200日以上待機していた他の8隻の船も中国の港湾で荷揚げを行った。情報筋によると、今回の荷揚げは船員が足止めされた国への友好の意を示すためのものであり、豪州石炭の輸入禁止を緩和するものではないという。中国の税関当局は質問に応じず、陸揚げされた貨物が通関されているのか保管されているのかは不明である。海事団体が積荷を下ろさせない中国当局と出国させない買い手との板挟みで船員の精神状態が悪化していると警告したため、足止めされている船員は中国と船員の母国間の火種となっており、昨年12月には豪のメディアが、商船に乗船していた4人の船員が自殺しないよう監視されていたと報じていた。ブルームバーグの海運データによると、昨年6月から10月にかけて中国に停泊した船のうち少なくとも10隻が今年に入ってからインドで積荷を下したという。今月に入ってから更に2隻の船が中国の港湾に停泊しており、現在豪州石炭を搭載した46隻の船が中国の港湾の外で待機している状態である。
      • 原文 March 10, 2021 gCaptain(植木エミリ)
    • 【7】デンマーク政府がアストラゼネカ社製ワクチンの使用を一時停止
      • 【7】デンマーク政府は、アストラゼネカ社とオックスフォード大学が共同開発したワクチンについて、数件の血栓が生じた事例や1件の死亡事例が確認されたことから同ワクチンの使用を一時停止する決定を下した。これに対し英国の医薬品医療製品規制庁(MHRA)は、ワクチンとの直接的な関連性は確認されておらず、あくまでも予防的措置であり問題ないとして、国民に対して同ワクチンの接種を受けるように訴えている。

        ※3/10の英国の感染者数:5,926人(日本1,128人の5.2倍)
        ※3/10の英国の死者数:190人(日本人54の3.5倍)
      • 原文 March 11, 2021, Evening Standard (若林健一) 
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