2021/02/15LROニュース(7)

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  • 2021.02.16 UP
    2021/02/15LROニュース(7)
    • 【1】韓国船級協会がアンモニア燃料船に関する報告書を公表
      • 【1】韓国船級協会(KR)は1月31日にアンモニア燃料船に関する報告書を公表し、安全面での規制や、その結果としてのアンモニア燃料船の設計への影響について概説している。炭素を排出しないアンモニア燃料は、保管や取り扱いが比較的容易で、2050年にはクリーン燃料を使用する新造船の半数以上がアンモニアを燃料として使用すると予想され、次世代燃料として水素とともに世界的な注目を集めており、大気圧下でも比較的高い温度で液体の状態で貯蔵できることも大きな利点である。同報告書は、アンモニア燃料のリスクは重油などの従来の燃料やLNGなどの液化ガス燃料のものとは異なるため、現在のIGCコードやIGFコードの要件を適用することは適切ではないが、アンモニアの特性を考慮した追加の安全対策を策定することにより、このリスクを低減できるとし、IGCコード第7章を活用してアンモニアを貨物として輸送する場合や冷媒・触媒として使用する場合のリスクを特定することにより、船舶燃料として使用する場合のリスクを特定する方法が合理的であるとしている。さらに、同報告書は、第7章を使用して開発されたIGFコードに要件を適用する場合、安全を確保するために、船の構造、レイアウト、およびシステムの多様性によって影響を受けるアンモニアのリスク評価も実行する必要があり、また、IGCコードの第16章の代替要件または追加要件を策定するには、既存の安全対策を検討し、燃料として使用する際の危険性を特定する必要があるとしている。
      • 原文 February 10, 2021, Safety4Sea (若林健一)
    • 【2】アントワープ港とゼーブルッヘ港が正式に合併を発表
      • 【2】ベルギー・アントワープとブルージュの自治体間では、2018年からアントワープ港とゼーブルッヘ港を合併する協議が行われていたが、2月12日に両港が正式に合併することが発表され、欧州北西に新たな港湾が創立される運びとなった。新たな港湾は、近隣のライバル港であり、欧州最大のコンテナハブであるロッテルダム港の至近距離に設立される予定である。2020年の両港の処理能力は、アントワープ港1200万teu、ゼーブルッヘ港180万teuで合計1380万teuであったが、両港の代表は、合併は処理能力の大小の問題ではなく、経済・人・気候が調和した初の港湾になることを目指し、顧客や利害関係者だけでなく、周辺の地域住民にも環境的な価値を創出するとして、3つの戦略的優先事項としてエネルギーとデジタル化における持続可能な成長・抵抗力の強化・リーダーシップを掲げている。合併後は、現アントワープ港湾当局の会長が新港の会長、ゼーブルッヘ港湾当局の会長が副会長に就任する予定で、残る議席のうち2つはブルージュ市、5つはアントワープ市に割り当てられる。また現アントワープ港湾当局の最高経営責任者は、新港のCEOに指名されている。合併にあたっては引き続き競争当局間での許可が必要となるが、2021年中には完了する見込みで、実現すれば、ヘント港とゼーラント港の合併により2018年に誕生したNorth Sea Portに続き、この地域で2番目の港湾合併となる。
      • 原文 February 12, 2021 gCaptain(植木エミリ)
    • 【3】ICSがサイバーセキュリティに関するウェビナーを開催
      • 【3】国際海運会議所(ICS)は2月10日にサイバーセキュリティに焦点を当てたウェビナーを開催した。ICS会長は、サイバー攻撃は国境を超えネットワークを介して広がり、事業継続を困難にさせ数千万ドルの損失を引き起こす可能性があると述べ、サイバーセキュリティは海運業会の主要な検討課題であるべきだと強調した。Wartsila Voyage社のサイバーセキュリティ責任者は、業務の最適化のために船舶間や船陸間とのネットワーク接続を進めるに連れサイバーリスクの特定や管理が複雑になると警告し、船舶に搭載する人、貨物、情報を保護るするための新たな方法を見つける必要があると訴えた。Inceのグローバルシニアパートナーは、航空業界は海運業会よりはるかに進んでおり統計がそれを物語っているとして、過去12か月で海運業界へのサイバー攻撃が400%増加していると述べた。講演者からは、ITシステムに侵入するためにオペレーショナルテクノロジー(OT)の弱点を利用する手口が存在し、過去3年間でその種の事案が900%増加したとの指摘もあった。また、海運業界は既存の国際条約や規制におけるギャップやそれが保険に与える影響にも対処する必要があるとの指摘もあり、例えば新造船でサイバー攻撃が発生し、それが船舶のシステム上の欠陥が原因であった場合、デューデリジェンスの問題が発生し得ると指摘している。さらに、サイバーリスクは常に増大し進化を続けているため、海運業界は常に注意を払っておく必要があると指摘している。
      • 原文 February 11, 2021, ICS (若林健一) 
    • 【4】欧州委員会:藻類の資源利用に関する公開協議の結果を発表
      • 【4】藻類は、欧州でまだ大部分が未開発の資源であるが、食品/飼料/製薬/肥料/バイオプラスチック/バイオ燃料に利用可能であり、その可能性はFarm to Forkや新たな循環経済行動計画といったEUの取り組み内で認識されており、欧州委員会は、藻類と藻類を原料とした製品の持続可能な生産/消費/利用を目的とした藻類の資源利用に関する包括的で分野横断的な取り組みの準備を進めている。藻類はCO₂排出量や環境への影響が少ないため、藻類の注目度の向上は、環境に優しく循環型で炭素中立な社会に移行するという欧州Green Deal の実現に役立つものである。欧州委員会が行った公開協議にはEU/非EU市民・研究機関/NGO/民間企業/公的機関等から多くの意見や提案が寄せられ、大多数の回答により藻類分野の可能性を解き放つため、①規制およびガバナンス体制の整備②市場の機能の支援③事業環境の改善④社会的な認知度と受容性の向上⑤知識・研究・改革のギャップを埋めるという5つの優先事項の関連性が裏付けられると共に、EUが藻類分野の発展を支援する重要な役割を担い、その取り組みがより競争力があり持続可能なものにすることに役立つという意見に同意された。欧州委員会はこの協議と更なる準備作業に基づき、包括的な取り組みの中で検討されるであろう効果的な行動や新たな機会、分野のニーズを特定していく予定である。
      • 原文 February 11, 2021 欧州委員会(植木エミリ)
    • 【5】南シナ海において政治的統制を強める中国
      • 【5】中国は過去10年間、巡視船、海上民兵および海軍を使用して南シナ海において他国の漁業や海底資源探査を妨害するなど嫌がらせ行為を続けてきたが、中国海警局による武器使用を認める新たな法律を整備したことで、今後もこの行動パターンを継続するものとみられる。しかし、中国によるこうした威圧行為のみに着目するのではなく、行政機能を拡大する動きにも着目することが重要である。中国は2012年に、西沙諸島のウッディー島に本部を置き、同諸島、南沙諸島などとその周辺海域を管轄する三沙市を創設した。それ以降三沙市は中央政府、海南省当局および人民解放軍などと協力し、管轄区域内において港湾や海水淡水化施設の建設、グリーンエネルギーへの投資、埋め立てや侵食防止工事を行い、人口を拡大させ、新たな民兵や法執行部隊を設立し、数百の企業からの投資を誘致してきた。さらに同市は、人民解放軍、法執行部隊および民兵部隊間の情報共有と共同作戦を促進するために、軍事、法執行および民間の統合防衛システムを作り上げた。三沙市は、これらの取組みを監督し日常業務を管理するために多数の機関を設立し、これらの機関が多くの重要な役割を果たしてるが、最も重要な点は、これらの機関が中国本土から遠く離れた南シナ海におけるすべての活動に対して中国共産党による強力な政治的統制を確保していることである。南シナ海での中国のすべての行動を中央政府のリーダーシップに帰す向きもあるが、三沙市の発展は、南シナ海に対する中国の支配がますます正常化、官僚化、地域化されていることを示している。
      • 原文 February 14, 2021, The Maritime Executive (若林健一)
    • 【6】北極海航路の通航量が予想に反して増えない理由
      • 【6】露のプーチン大統領は2011年に、北極海は欧州最大の市場とアジア太平洋地域を結ぶ近道で、コスト最適化の絶好の機会であると述べ、多くの専門家も北極海航路(NSR)を利用した輸送量は爆発的に増加すると予想していたが、10年後の現在、NSR経由での貨物輸送は非常に限られており、予測されていたほど上昇しなかった。専門家によると、北極海の通航量は確かに増えたが、北極海を通過するのではなく、北極海を目的地とする輸送が増えているという。ノルウェー船主協会の会長によると、同協会会員のこの海域での海運活動は限られており、貨物輸送が急増しなかった主な理由として、同航路が非常に季節限定的なものであることを挙げている。同氏の見解では、海運企業がNSR経由での輸送に関心を持つ可能性がある2つの要素として、①コンテナ船で構成される定期輸送②ばら積み船で構成される不定期輸送があるが、コンテナ輸送はJust-In-Timeに則って実際の運航の6-9か月前に発表されるスケジュールに基づいて作業を行っているため、1月の初めに6月や7月の氷の状況を予測することは難しく、企業にとってリスクが高い行為である。また北極海においても、通航量を増加させるため利用可能な広大な後背地を有する港湾がないため、これらの理由から、NSRでコンテナ輸送量が爆発的に増えることは現在のところ考えにくい。またばら積み船とコンテナ船が北極海を通過するには砕氷船の先導が必要であり、20年後は状況が異なる可能性があるものの、現在のところはそうした船の購入にも運航にも費用が掛かると指摘している。
      • 原文 February 12, 2021 High North News(植木エミリ)
    • 【7】英国内でワクチンを接種した人の数が目標の1,500万人を突破
      • 【7】英国内で新型コロナウィルスのワクチンを接種した人の数は2月12日までに15,091,696人となり、2月15日までの目標として設定していた1,500万人を突破した。また、このうちの約53万4千人は既に2回目のワクチン接種を終えている。英保健相は、ワクチン接種と新たな治療法により新型コロナウィルス感染症は今年末までには治療可能な病になるだろうと期待を述べつつ、70歳以上でまだワクチン接種を受けていない人に対して早期に接種を受けるように呼び掛けた。英保健省のデータによると、75歳以上のイングランド在住者でワクチン接種を受けた人の割合は93%に達している。
        ※2/14の英国の感染者数:10,972人(日本1,362人の8.1倍)
        ※2/14の英国の死者数:258人(日本人63の4.1倍)"
      • 原文 February 14, 2021, Evening Standard (若林健一)
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