2021/02/10LROニュース(7)

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  • 2021.02.12 UP
    2021/02/10LROニュース(7)
    • 【1】キプロス政府が船員のワクチン接種に関する共同アプローチを提案
      • 【1】新型コロナウィルスのパンデミックが発生して以降、船員を基幹労働者(Keyworkers)として指定する必要性が広く支持されるなか、キプロス海運副大臣は、世界的な船員交代の危機に対応するため、船員に新型コロナウィルスのワクチンを接種するための実用的な世界規模の取組みを提案した。欧州委員会およびIMO事務局長に宛てた書簡の中で同氏は、提案の内容について2つの要素を概説するとともに、船員のワクチン接種の問題に対処するための実用的で実行可能かつ共同的な取組みの必要性と、感染再拡大により各国がより厳格な措置を講じるなか乗組員の交代を可能にするために世界規模ですべての利害関係者と協力するというキプロスの決意を強調している。船員の出身国または居住地、輸送および顧客の制限、ワクチンの入手や接種の手順、接種後に必要な時間など、船員のワクチン接種に関して課題は多い。キプロス政府は、近海のみを航行する船舶については各国で引き続き対処可能で地域的な協力も容易であるとし、長距離の国際航海に従事する船舶を孤立した集団(Bubble)として指定して、船員がそれぞれ乗船前に居住国でワクチンを接種できるように、すべての国が受入れ可能な十分な数の承認済みのワクチンを確実に確保するための世界規模の取組みを提案している。
      • 原文 February 10, 2021, Splash (若林健一) 
    • 【2】2020年の欧州での洋上風力発電への投資額が過去最高に
      • 【2】WindEuropeによると、2020年はコロナ禍にもかかわらず欧州の新規洋上風力発電所への投資額が過去最高となる263億ユーロ(約3.3兆円)に達し、2020年に追加された2.9GWの新規発電能力に加えて、今後数年に渡って7.1GW分の発電能力が追加されていく予定である。昨年は英/蘭/独/仏が洋上風力発電への最終投資を決定し、1,493MWを接続した蘭や706MWを接続したベルギーを含む5つの国で新たに9つの洋上風力発電所で発電が開始され、ポルトガルは浮体式洋上風力発電装置の設置を完了した。こうした動きによって欧州の洋上風力発電能力は25GWとなり、12の国が116の洋上風力発電施設を有し、英国はその4割を占めるなど他国をリードしている。他国でも洋上風力発電を強化する動きは活発で、仏は2023年までに完成予定の1GWの発電所の建設作業に着手する予定であり、ポーランドでも、2050年までに発電能力を28GWにすることを目指した洋上風力法が可決された。また風力発電所を支援するための差額契約を行う国が増えていることと並行し、昨年はネスレ/アマゾン/ドイツ鉄道などによる6つの主要な洋上風力の電力売買契約が締結され、企業による洋上風力電力への需要が示された。
      • 原文 February 9, 2021 Euractive(植木エミリ)
    • 【3】ノルウェーが2021年の露・中による諜報活動や浸透工作を警戒
      • 【3】ノルウェーの諜報機関(the Norwegian Intelligence Services:NIS)、警察機動部隊(the Police Security Services:PST)及び国家安全保障局(the National Security Authority:NSM)の3者は2月8日に共同で2021年における脅威とリスク評価について発表した。NISによると2021年にノルウェーが直面する脅威には3つの傾向があるとして、第一に他国による諜報活動や浸透工作からの脅威が継続すること、第二に北極海での軍事活動が増加しており緊張が高まっていること、第三に欧州に対するテロの脅威は消えていないことを挙げ、さらに他国による諜報活動や浸透工作からの最大の脅威は露や中国によるものであるとしている。さらにPSTは、近年海外の諜報機関がノルウェーの行政機関や民間企業のネットワークに繰り返し侵入しているとし、2021年に露や中国がノルウェーに仕掛ける諜報活動のうち最大のものはデジタル分野での諜報活動やネットワークへの侵入になるとの見方を示すとともに、今年行われる議会選挙への影響について懸念を示した。またNISは、我々は過去10年間で北極圏やノルウェー海、ウクライナ、シリア、ナゴルノ・カラバフなどで露による軍事力の積極的な行使を目にしてきたと述べ、また、露は北極圏で軍事基地の整備を急ぎ、最新の高度な兵器の開発に多額の費用を投じており、北極海における兵器実験の頻度は増加を続け、それに伴い重大な事故の発生リスクも継続するとの見方を示している。
      • 原文 February 9, 2021, HIGH NORTH (若林健一) 
    • 【4】認可施設での解体作業について順守状況を確認する必要性を指摘
      • 【4】船舶リサイクルに関する欧州規則(EU-SSR)によると、EU船籍の船舶は、現在世界43か国で認可されているリサイクル施設のいずれかで解体される必要があるが、トルコで過去4か月間に、EU-SRRで認可された2つの船舶リサイクル施設で死亡事故が発生したことを受け、環境NGO・Shipbreaking Platformは、欧州委員会は全ての施設で規則の要件に則った運営および解体作業が行われているかを確認する必要があると指摘した。2件の事故はそれぞれ、昨年10月に移動式海洋掘削装置の解体作業中、破損した手すりが作業員に落下したものと、今年2月に別の解体施設でトーチカットを行っていた作業員に鋼の塊がぶつかったもので、どちらの施設も事故発生後直ちに関係当局への連絡を行っている。トルコの船舶解体数は世界全体で見れば少ないものの、大多数の船の最終処分先である南アジア諸国よりも責任ある方法で船を解体したいと考える船主からの受注を集めている。大型船の解体作業に伴う多くのリスクは、重機を安全に使用し、汚染物質を封じ込め、国際廃棄物法に従った方法での処理が可能な場所で管理される必要があり、今月発生した事故に関しては、トーチカットにより発生する有毒ガスやスラッグといったリスクを、機械を利用することによっていかに減らせるかについての検討を更に促すべきである。
      • 原文 February 9, 2021 Shipbreaking Platform(植木エミリ)
    • 【5】ゼロエミッション船開発プロジェクト「Tesla of the Seas」
      • 【5】英国企業のWindship Technology社はDNV GLと共同で、高さ48メートルの三枚の翼から構成される風力推進装置とCO₂、NOx、SOxおよび粒子状物質(PM)を排出しない新たなディーゼル・エレクトリック方式の電気推進システム、さらには大型太陽光パネル、炭素回収技術、船型最適化技術、専用のウェザー・ルーティン用ソフトウェアを備えたゼロエミッション船の開発を目指す「Tesla of the Seasプロジェクト」を発表した。この風力推進装置は風力タービンの技術や設計を採用し25年以上の寿命を持ち、港内航行や荷役作業を妨げないよう甲板に収納も可能である。この技術は外航のばら積貨物船やタンカーでも採用できるとしている。
      • 原文 February 8, 2021, Safety4Sea (若林健一)
    • 【6】漁具に大型クジラへの被害は実際より過小評価されている
      • 【6】クジラが漁具に拘束されると、窒息死または餓死に繋がる可能性があり、他の海洋生物の捕獲用に設計された漁網や釣り糸による負傷で、年間約30万頭のクジラやイルカが死亡している。大型のクジラが漁具に引っかかったという報告は小型のクジラに比べて稀なため、大型クジラへの危険性はそれほど高くないと考えられていたが、St Andrews大学の研究者達がEndangered Species Research誌に掲載した研究によると、研究者達がクジラの夏の餌場として重要なカナダのSt Lawrence湾でドローンによる写真を分析したところ、尾びれについた傷跡から、シロナガスクジラの40~60%、ナガスクジラの55%がどこかしらで漁業用のロープや網に引っかかっていることが明らかになった。セミクジラやザトウクジラは、60~80%が生涯で1度以上は漁具に引っかかっており、大型のシロナガスクジラやナガスクジラは力が強く、漁船団から遠く離れた沖合に生息しているため、漁具に拘束される割合はこれまで10頭に1頭程度と考えられていた。研究チームは、こうした漁具による巻き込みによりクジラの個体数減少に繋がるおそれがあるため、この危険性について評価するための更なるデータが必要としている。
      • 原文 February 9, 2021 BBC(植木エミリ)
    • 【7】英国政府が「ワクチンパスポート」の導入の検討を既に開始
      • 【7】英国運輸相は2月10日にインタビューに答え、黄熱病と同様に新型コロナウィルスの予防接種証明書を交付することで、ワクチンを接種した人の航空機による海外渡航を支援する国際的な制度について、既に米国政府やシンガポール政府、国連の航空関連組織などと話し合いを行っていることを明らかにした。一方で、現在の規則では旅行目的の移動は禁止されており、現在進めている国民へのワクチン接種による効果を見極めるにはより多くのデータが必要であり、現時点で先行きは不透明であることから休暇のための旅行の予約はすべきでないと国民対して呼びかけている。

        ※2/9の英国の感染者数:12,364人(日本1,216人の10倍)
        ※2/9の英国の死者数:1,052人(日本人81の13倍)
      • 原文 February 10, 2021, Evening Standard (若林健一)
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