2021/02/08LROニュース(7)

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  • 2021.02.09 UP
    2021/02/08LROニュース(7)
    • 【1】BIMCOとICSが船底等の水中洗浄作業に関する標準を発表
      • 【1】フジツボなどの水生生物が船底など船舶の水面下の部分に付着すると、航行時の抵抗が増して最大35%まで燃料効率が低下し、その結果燃料費がかさみCO₂排出量も増加することから、数年に一度の頻度でこれら水生生物を船底から除去することが重要である。一方で、船舶が海上にある場合には、除去した水生生物を適切に処理しなければ水生生物を他の海域に移動させることになり、地域の海洋環境に影響を与える結果を招くおそれがある。既に米国、豪、バルチック海、ニュージーランド、ハワイや加州など多くの国や地域がこの問題を深刻に捉え、国レベル又は地域レベルで関連規則を制定し、又は制定する動きを見せている。この問題に対処し、船主、港湾管理者、政府当局に作業の明確さと質の保証を提供するために、ボルチック国際海運協議会(BIMCO)と国際海運会議所(ICS)は、船舶の水中洗浄作業に関する業界初の標準「Industry standard on in-water cleaning with capture」を発表した。この標準は、作業の計画、文書化と評価の部分、および実際の洗浄、粒子の捕獲を含む排水の管理について詳細に記載しており、さらに、排水の水質基準、水生生物による汚損防止に関する助言、作業を担う業者の承認手続なども記載されている。この標準に従えば、マクロファウリングの少なくとも90%は洗浄業者によって捕捉され、排水は顕微鏡サイズ(0.000001メートル)までの生物や物質が除去される。
      • 原文 February 4, 2021, BIMCO (若林健一) 
    • 【2】加政府:2022年まで大型クルーズ船の航行禁止を延長
      • 【2】加政府は2020年3月に初めてカナダ海域における大型クルーズ船の航行を禁止し、規制をその後2021年2月末まで延長していたが、クルーズ船が医療体制に引き起こすリスクが継続していることを受け、運輸大臣は2月4日、大型クルーズ船の運航禁止を2022年2月末まで延長し、カナダ北極圏での娯楽船や旅客船の運航を禁止することを発表した。カナダ海域での乗客100人以上のクルーズ船の運航禁止により、2021年は実質的にアラスカクルーズやカナダ東海岸での全ての旅程がキャンセルされることになる。またこれらの規制に加え、加政府は乗客12人以上の娯楽船・旅客船のヌナツィアブト・ヌナビク・ラブラドール海岸を含む北極沿岸部への運航禁止を延長した。なお北極圏の地域住民による娯楽船の利用は規制の対象外で、フェリーや水上タクシーなどの必要不可欠な旅客船や、100人以下の小型クルーズ船も同様に含まれず、引き続き地域の公共衛生ガイダンスに従ってウィルス拡散を抑制し、将来の感染爆発を防ぐための緩和策に従うことが推奨されている。加政府は今後も引き続き経過を観察し、今回の規制措置によって運航を再開しても問題ないと判断された場合、運輸大臣は規制を撤回する可能性があるとしている。
      • 原文 February 4, 2021 Maritime Executive(植木エミリ)
    • 【3】中国が豪産石炭を積載したばら積貨物船の船員交代実施を許可
      • 【3】豪中間の貿易関係が悪化する中、豪産の石炭を積載し昨年9月20日に中国の港湾に到着したMSC所有のばら積貨物船Anastasiaが、着岸を認められず乗務している合計16名のインド人船員が交代できずにいた問題に関して、インド外務省報道官は、中国の中央当局が同船の船員交代を行うための移動を許可したことを発表した。昨年11月には、国際運輸労連(ITF)が中国、インド、豪政府に対して問題解決に向けて協力するように要請し、今年1月に同船と同様にインド人船員23名を乗せたばら積貨物船Jag Anandが船員交代を行うために日本に向けて中国の港を離れることが許可された。他にも50隻以上の船舶が同様に中国の港湾で待機を余儀なくされ、1,100名以上の船員が交代できずにおり、船舶管理者、海運組合、船員組合なども政府や本件に関係する組織に対して問題解決に取り組むよう要請を続けており、船舶自動識別装置(AIS)のデータによると、中国の港湾で待機するこれらの船舶の数は今週になり減少したことが確認されている。
      • 原文 February 5, 2021, Splash (若林健一)
    • 【4】2030年までに新たなバッテリー駆動船の就航を目指すStena Line
      • 【4】スウェーデンのフェリー企業Stena Lineは、交通分野での脱化石燃料への移行を促進するため、Volvo Grop・Scarnia・ヨーテボリ港と共同でTranszero Projectに参加しており、2030年までにスカンジナビア最大の港湾であるヨーテボリ港から排出されるCO₂の7割削減を目指しているが、同社は2月4日に行われたTranszero Projectの記者会見にて、2030年までにヨーテボリ港とデンマークのFrederikshavn港間約50海里(約92km)を航行するバッテリー駆動船を新たに就航させることを発表した。同社は2018年に、既に同区間でのバッテリーハイブリッド船「Stena Jutlandica」の運航を開始しており、同社は新たなバッテリー駆動船「Stena Elektra」の仕様について一年以内に発表し、遅くとも2025年までには最初の発注を行う予定だと述べた。Stena Elektraは全長約200m/乗客定員1000人/積載重量3000レーンメーターの、世界初の化石燃料を使用しないRo-Pax船になると見込まれている。当該船舶は軽量化と効率化のため高張力鋼で製造され、容量60-70MWhのバッテリーを搭載し、港湾で充電を行う。また同社は長距離航行を実現するため、電化と燃料電池・水素・バイオメタノールといった代替燃料と組み合わせることも検討している。
      • 原文 February 5, 2021 Offshore Energy(植木エミリ)
    • 【5】米海軍空母が南シナ海でバイデン政権誕生後初の航行の自由作戦を実施
      • 【5】米海軍第7艦隊が2月5日に発表したところによると、同艦隊所属の空母ジョン・S・マケインが同日南シナ海において中国が実効支配する西沙諸島付近において航行の自由作戦を実施した。同海域での航行の自由作戦の実施はバイデン政権誕生後初となる。同艦隊は、航行の自由作戦は国際法によって認められる権利、自由及び適法な利用を支持するものであり、中国、台湾及びベトナムによって課せられた無害通航に対する違法な制限に対抗するものであると述べている。これに対し中国軍は、同空母が中国の領海を許可なく航行し、中国の主権と安全保障を侵害したと述べるとともに、米国は南シナ海における平和で友好的な雰囲気を故意に邪魔しようと試みていると反論している。空母ジョン・S・マケインは同じ週の前半台湾海峡を航行し、また、1月には定期的な作戦行動を実施する目的で別の米海軍空母が率いる空母打撃群が南シナ海を航行している。
      • 原文 February 5, 2021, Reuters (若林健一)
    • 【6】騒音公害により海中の自然な音風景が変化
      • 【6】海洋生物にとって音は、餌の探索や移動、仲間と社会的に意思疎通を行うための重要な手掛かりであるが、アブドラ王立科学技術大学等の研究者はScience誌に発表した研究で、海運/建設/地震探査等による人間の活動は、騒音を生み出しているだけではなく、生物の発する音をかき消し、海中の自然な音風景を作り変えていると警告した。海中の音についての研究の多くは、複雑な歌で長距離間のコミュニケーションを行うザトウクジラなどの海洋哺乳類に焦点を当てて行われてきたが、研究を指揮した筆頭教授によると、最近では卵から孵ったばかりの魚の幼生でさえ、広大な海の中で「故郷からの呼び声」を聞くことができなくなっているという。海中は生物が様々な方法で使用する音の不協和音に満ちており、これらは健全な海を構成する重要な要素であるにもかかわらず、その重要性は未だ見落とされている。研究によると、昨年全人類の6割が移動制限下にあったとき、海中の騒音レベルは約2割減少しており、減少率は穏やかであったものの、大型の海洋哺乳類が海岸線近くに現れ、何世代にも渡って見られなかった水路に出現するなど、十分な変化が観測された。研究者は、気候変動やプラスチック汚染を解決するのは長い道のりだが、騒音を減らすことは、健康な海を実現する上で最も実行しやすく、成果を得やすい方法であるとしている。
      • 原文 February 5, 2021 BBC(植木エミリ)
    • 【7】南アの変異種の感染が拡大すればさらに厳しいロックダウンが必要か
      • 【7】南アフリカ政府は約2,000人の若者を対象に実施した調査の結果、アストラゼネカとオックスフォード大学が共同開発したワクチンについて、同国由来の変異種に対しては軽度から中程度の症状を防ぐ効果が低い可能性があるとの結果が得られたとして、このワクチンの接種を一時停止する措置をとった。これに対して英国政府は、この調査結果は初期のものであり、このワクチンが重症化を防ぐ効果がないとの証拠は一切ないとして、国民に安心するよう呼び掛けている。英国内の感染事例の大半が英国由来の変異種への感染事例であるものの、南ア由来の変異種への感染事例も既に147件報告されており、専門家からはさらに広範囲に感染が拡大している可能性を指摘する声や、感染拡大を抑えきれない場合にはさらに厳しいロックダウンを実施する必要があるとの声が上がっている。

        ※2/7の英国の感染者数:15,845人(日本2,276人の7.0倍)
        ※2/7の英国の死者数:373人(日本95人の3.9倍)
      • 原文 February 8, 2021, METRO (若林健一)
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