2021/01/29LROニュース(7)

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  • 2021.02.01 UP
    2021/01/29LROニュース(7)
    • 【1】イエメン沖のタンカーに対する国連による調査の開始がさらに延期に
      • 【1】イエメン政府が紅海に面するフダイダ港の沖合で洋上の原油貯蔵施設として使用してたタンカー「SAFER」は、現在反政府組織フーシ派の支配下にあり、保守作業が実施されておらず老朽化が進んでいる。SAFERには110万バレルの原油が搭載されたままで、昨年5月に機関室への浸水が始まっているとの報告があり、国連は専門家による調査や安定性を確保するための作業の実施について昨年11月にフーシ派との合意に至った。しかし、国連の報道官は1月27日の会見で、国連による調査はロジスティックの問題により遅れが生じており、現在もフーシ派との間で話し合いを続けていることを明らかにし、調査の開始時期は当初予定していた1月乃至2月上旬から3月上旬にずれ込むとの見方を明らかにした。また、報道官は、適時の調査の機会を逃さないためには、今後数日間のうちに緊急的にこれらの問題を解決する必要があるとも述べている。さらに、ここ数日間でフダイダ港の北で戦闘が激しさを増しており、砲撃により利用可能な数少ない港のうちの1つが被害を受けたとの報告もある。船体の目に見える腐食に加え、タンク内のガス抜き作業が長期間行われていないことから、船上が有毒な環境になっているおそれや爆発の危険性もあると考えられている。
      • 原文 January 28, 2021, The Maritime Executive (若林健一)
    • 【2】ノヴァテクがカムチャツカ半島の環境をモニタリングする協定に合意
      • 【2】ノヴァテクは1月28日、ロシア天然資源利用監督局とカムチャツカ地方政府間の環境モニタリング協定に署名したことを発表した。この協定は、ロシア最東端の領土・カムチャツカ半島に隣接する海域を研究するための科学的プログラムの開発と実施に合意するものであり、環境への技術的な悪影響を最小化するため、環境を構成する要素の監視や研究所での実験を含めた環境モニタリングシステムを構築する。同社は、北極圏内の施設で生産されたLNGの積み替え拠点として、カムチャツカ半島にLNGの積み替え施設を建設することを提案しており、北極圏で生産されたLNGは氷上輸送船で運ばれた後に通常のLNG輸送船に積み替えられ、より多くのアジア太平洋地域の顧客へ配送される予定である。当該計画の実施により、北極海からのLNG供給経路の最適化が可能になり、北極海航路の開発が進むと見込まれている。建設予定のカムチャツカ半島Bechevinskaya 湾内のLNG積み替え施設には洋上で船から船にLNGを移送する浮体式貯蔵庫が設置され、フル稼働時には最大657隻のLNG輸送船の運航が可能である。
      • 原文 January 28, 2021 Offshore Energy(植木エミリ)
    • 【3】炭素回収・貯留技術が英国の脱炭素化に不可欠な理由
      • 【3】エジンバラ大学の教授によると、炭素回収・貯留技術(CCS)は鉄鉱業やセメント製造業、その他多くの製造業からのCO₂排出量削減を短期間で実現するための唯一の方法であり、パリ協定の気温上昇を2度未満に抑えるという目標を達成するためには、CCSの発展は欠かせないと説明する。CCSは、発電所や工場で生じる排気からCO₂を抽出して凝縮させ、地下の貯留空間に送り込むものであるが、英国は北海にCO₂の貯留に使用できると思われる使用済みの油田を多く有していることから、CCSを発展させ運用するのに適していると考えられている。過去20年間において、いくつかのCCS開発プロジェクトが着手されたが予算の問題から中止されてきた。しかし、ジョンソン政権は気候変動対策の一環として、2030年までに国内の4つのCCS開発プロジェクトに10億ポンド(約1,430億円)の資金援助を約束している。これに対しては、CCSは脱炭素技術としては信頼性が低く、2030年までの目標達成には貢献できないとし、代わりに再生可能エネルギーの製造所を増やすことを優先すべきとの意見もある。たしかに現在国内で脱炭素に最も成功しているのは、化石燃料に代わり再生可能エネルギーによる発電に切り替えた発電所である。しかし、鉄鉱業やセメント製造業は電力消費のほか製造の工程で大量のCO₂を排出することから、CCSなしでは英国経済に必要なこれらの産業においてCO₂排出量を削減することは困難である。同教授も、当初は発電所の脱炭素化を期待されたCCSは、今や他の産業にとっても脱炭素化で重要な役割を果たし得ることは明らかであると指摘している。
      • 原文 January 16, 2021, The Guardian (若林健一)
    • 【4】 Mission Possible:重工業と交通の脱炭素化を促進する連合が発足
      • 【4】1月27日のダボス会議にて、世界経済フォーラム/エネルギー移行委員会/ロッキーマウンテン研究所/We Mean Business coalitionにより、重工業および交通分野の脱炭素化を促進するための新たな連合としてMission Possible Partnership(MPP)が結成された。MPPは2019年の国連気候行動サミットで発足したMission Possible Platformを土台とし、具体的な行動と共に炭素中立を目指す参加企業は30社から400社に成長した。また国際エネルギー機関はMPPの戦略パートナーとして、政府との関わりに中心的な役割を担い、モデル化や技術ロードマップの作成に専門知識を活用する。MPPは、2021年後半には海運/航空/鋼鉄分野における飛躍的な炭素中立協定を発表することを目指し、今後3年以内には、これらの分野同様、トラック/化学工業/セメント/アルミニウム分野の企業が気候行動協定に合意するための手助けを行う。これらの7つの分野からMPPに参加している企業を合わせると、世界のCO₂排出量の30%を占めており、MPPは今後5年以内に7つの分野における投資パターンの明確な変化を目指しており、食糧や農業といった追加の分野においても炭素中立の気候行動協定を追求していく予定である。
      • 原文 January 27, 2021 We Mean Business coalition(植木エミリ)
    • 【5】バイデン政権が誕生する中南シナ海で米中の緊張が再び高まる
      • 【5】中国軍の爆撃機と戦闘機による台湾の防空識別圏への侵入が報告された1月23日、米海軍の空母セオドア・ルーズベルト率いる空母打撃群が航行の自由作戦を実施するために南シナ海に入域した。この数日前には米国でバイデン新政権が誕生しており、米インド太平洋軍は今回の作戦行動について、航行の自由の確保と安全保障を強化する協力関係の構築のために実施するものであると説明し、バイデン政権にあっても東南アジア地域において中国が覇権を握ることを防ぐために、同地域への関与をより深め、同盟関係の構築に努めていく姿勢を示した。南シナ海では、マレーシア、ベトナム、フィリピン、ブルネイ、台湾も権益を主張しており、主に中国による軍事拠点化や巡視船、漁船を監視する機能として米国のプレゼンスを歓迎している。一方、昨年は米国が南シナ海の埋立に関与する中国国営企業に制裁を課すことを発表し、中国も自らが地域の平和と安定をもたらすとして米国を部外者扱いするなど米中両国の緊張状態はさらに悪化し、周辺諸国は両国の緊張状態が軍事衝突に発展した場合地域経済に壊滅的な結果をもたらすとして懸念を示した。今回の米海軍による作戦行動の前日には中国が、海警局の巡視船による外国船舶への武器使用や、中国が主張する礁の上にある他国の構築物の破壊などを認める海警法を成立させており、衝突のリスクがさらに高まる可能性がある。専門家は、米国は引き続き南シナ海でのしょう戒を実施し周辺国との関係を強化していく一方、中国も軍事演習の頻度を増やし他国による資源開発の動きを阻止していくとの見方を示している。
      • 原文 January 25, 2021, Reuters (若林健一)
    • 【6】 乱獲が原因で大洋性のサメやエイの絶滅リスクが高まる
      • 【6】食物連鎖の頂点に君臨するサメは、海洋の健康に重要な存在であり、サメの喪失は他の海洋生物だけでなく人間の生活にも大きな影響をもたらすが、エクセター大学等の研究者がNature誌に発表した研究によると、主に乱獲が原因で、過去50年間で外洋のサメの71%が減少していることが明らかになった。研究者達がまとめた外洋に生息する世界中のサメやエイのデータによると、約1200種類のうち31種類が大洋性で、海中の長距離を移動している。サメやエイは主に肉やヒレ、肝油のために捕獲されるが、趣味の釣りや他の魚を狙った漁業で誤って捕獲されることもある。調査された31種類のうち24種類が絶滅の危機に瀕しており、特に頭数が激減しているヨゴレザメ・アカシュモクザメ・ヒラシュモクザメは絶滅危惧種に指定されている。フレーザー大学の研究者によると、大洋性のサメやエイは陸地から遠く離れて生息しているにも関わらず、平均的な鳥類や哺乳類より遥かに高い絶滅の危機に晒されており、海洋全体の健康だけでなく貧しい国々の食糧安全保障も脅かしているという。科学者達は、サメやエイの絶滅を防ぐには迅速な行動が必要であり、各国政府に対し科学的根拠に基づいた漁業制限を実施するよう求めている。
      • 原文 January 28, 2021 BBC(植木エミリ)
    • 【7】EUが新型コロナウィルスのワクチンの輸出を規制
      • 【7】欧州委員会の副委員長は1月29日の記者会見で、欧州委員会がEU圏内で製造された新型コロナウィルスのワクチンの輸出を規制する措置を決定したことを明らかにした。EUではアストラゼネカ社製のワクチンの供給不足が生じており、EUは英国にある同社の工場で製造されたワクチンにより不足を補いたい意向も示している。この措置により、英国はベルギーで製造されるファイザー社製のワクチンの入手が困難になる可能性があるが、ジョンソン首相の報道官はワクチンの供給の維持に自信を持っていると述べている。

        ※1/28の英国の感染者数:28,680人(日本3,969人の7.2倍)
        ※1/28の英国の死者数:1,239人(日本109人の11倍)
      • 原文 January 29, 2021, METRO (若林健一)
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