2021/01/28LROニュース(7)

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  • 2021.01.29 UP
    2021/01/28LROニュース(7)
    • 【1】コロナウィルスの感染拡大により米加州の2大コンテナ港が大混雑
      • 【1】米加州の主要なコンテナ港であるロサンゼルス港とロングビーチ港では、既に新型コロナウィルスの感染拡大により貨物の処理が滞っているが、現在両港で合わせて約700人の労働者が新型コロナウィルスに感染し、他にも隔離の必要などから多くの職員が職場を離れざるを得ない状況となっている。ロサンゼルス港によると同港だけで約1,800人の労働者が不在となっており、ビジネスの観点からはこの機能低下や施設の閉鎖は悲惨な状況で回復には数カ月を要するとみている専門家もいる。ある投資会社の報告は、新型コロナウィルスの影響により状況はさらに悪化する可能性があると分析している。港の管理者や労働者などからは、米国の2大コンテナ港が閉鎖の危機にあるとして、労働者を対象としたワクチン接種の開始を求める声が上がっている。また、同州のサンディエゴ港の造船会社でも60人の労働者が新型コロナウィルスに感染したとの情報もある。
      • 原文 January 25, 2021, Splash (若林健一) 
    • 【2】 着々と進行するNorthern Lights Project
      • 【2】Northern Lights Projectは、ノルウェー政府による炭素回収貯留(CCS)実証プロジェクト「Full-scale CO₂ handling chain in Norway」の一環であり、国営エネルギー企業Equinorや石油メジャーのTotal・Shellと協力し、オスロフィヨルド周辺のセメント企業や廃棄物発電事業者の工場から排出されるCO₂を回収/液状化し、陸上ターミナルまで海上輸送して、そこから海底パイプラインで北海の海底貯留施設まで液化CO₂を輸送/貯留する商業ベースのCCS事業である。英の海中建設企業・Subsea7は1月28日、当該プロジェクトにおいて、ノルウェー西海岸のOygardenにある施設から沿岸部の複合貯留施設までCO₂を輸送する約100kmのパイプラインの設計/製造/建設を行う4000万ポンド(約57億円)規模の契約を結んだことを発表した。パイプラインの製作は同じくノルウェー西海岸にある同社の工場で行われ、沖合での作業は2022年から2023年の間に開始される予定である。同プロジェクトの新規契約は順調に進んでおり、昨年12月にはノルウェーのエンジニアリング企業・Aker Solutionsが回収したCO₂を海底の貯留施設に注入する機器を提供する契約を結び、海底制御システムのEPCI契約を結んだノルウェーのエネルギー企業・Aibelは今月から作業を開始する予定である。
      • 原文 January 28, 2021 Energy Voice(植木エミリ)
    • 【3】米国船級協会がシンガポール港においてアンモニア燃料の研究を実施
      • 【3】米国船級協会(ABS)は、シンガポール港でのアンモニア燃料の供給体制や燃料搭載、安全性に関する課題などについて、シンガポールの南洋理工大学(NTU)及びアンモニア安全訓練研究所(ASTI)と協力して研究を進めている。ABSは、アンモニアは船舶燃料として大きな可能性をもっており安全設計やアンモニア燃料船の運航に関する課題の解決に向けて先頭に立って取り組んでいくとし、シンガポールはアンモニア燃料の受取り、貯蔵、消費、燃料搭載を実施する上で戦略的に優位な場所にあり重要な役割を果たす可能性を持っていると述べている。同研究には、伊藤忠、エクソンモービル、MANエナジー・ソリューションズなどが初期パートナーとして参加し、船舶燃料としての取扱い、船舶間移送、燃料搭載といった技術的な情報の提供を行う。NTUは、本研究はシンガポールの脱炭素化に関する長期戦略とも調和しており、アンモニア燃料の様々な面に関して理解を深めたいと述べている。
      • 原文 January 25, 2021, The Maritime Executive (若林健一) 
    • 【4】気候変動に強いと思われていたザトウクジラの分娩率が低下
      • 【4】St Andrews大学の研究者達がGlobal Change Biologyに発表した研究によると、回遊性クジラの夏の重要な餌場であるカナダのセントローレンス湾では、気候変動によって急激な海水温と海水位の上昇が起こり、ザトウクジラの重要な食料源であるニシンの減少という波及効果が生態系に悪影響を与え、ザトウクジラの分娩率が過去15年間で著しく低下したことが明らかになった。研究者達はメスのザトウクジラの脂肪からサンプルを採取して、クジラが過去に妊娠していたかどうかをテストし、個々のマーカーを識別することにより、子クジラと共に戻ってきたかを割り出した。その結果、妊娠したクジラの39%が出産に至っておらず、年間の分娩率は2004年から2018年にかけて大幅に減少していた。これまでザトウクジラが属するヒゲクジラ亜目は、回遊パターンを変えたり、餌場や餌となる生物に変化が起きた時は餌を変えるなど、気候変動の影響に対する抵抗力を持つ可能性があると思われていたが、環境に大きな変化があったセントローレンス湾でのクジラの分娩率の低下は、生態系の変化に対し限定的な抵抗力しか持たないことを示唆している。
      • 原文 January 28, 2021 The Guardian(植木エミリ)
    • 【5】再生可能エネルギーによる電力が初めてEUの主要電力となる
      • 【5】1月25日、欧州のシンクタンクEmberとAgora Energiewendeが公表したデータによると、EUの昨年の使用電力量のうち、石炭やガスなどの化石燃料による電力量が占める割合は37%まで減少した一方、再生可能エネルギーによる電力量が占める割合は38%に達し、再生可能エネルギーによる電力が初めてEUの主要電力となった。残りの25%は原子力発電が占めている。再生可能エネルギーのうち、風力発電と太陽光発電による電力量が増加し、風力発電が全体の14%、太陽光発電が全体の5%を占めている。再生可能エネルギーの残り19%の多くは水力発電とバイオエネルギーによる発電が占めているものの、ここ数年両者が占める割合に変化はなく成長はほぼ止まった状態にある。一方で課題も山積しており、EUは2030年までに現状20%以下にとどまる再生可能エネルギーが消費エネルギー全体に占める割合を32%まで増やすという目標を掲げているが、2030年までの炭素排出量削減目標を新たに55%に設定したことで、その目標は38~40%まで引きあがることになる。この2030年までの新たな目標を達成するには年間の発電量をさらに100TWh増やす必要があるが、現在計画されている内容では72TWhの増加しか見込めない。さらに、EUの各加盟国における取組にも開きがある。また、コロナウィルスの影響で昨年の電力需要は4%減少したがこれも長くは続かず、昨年後半からは原子力発電の減少もあり再び化石燃料への需要が増加している。
      • 原文 January 25, 2021, Euractiv (若林健一) 
    • 【6】欧州議会:100%再生可能水素への転換に天然ガスの利用は不可避
      • 【6】1月27日の欧州議会環境委員会で可決された動議では、2050年までの炭素中立実現と重工業の脱炭素化には、再生可能水素や超低炭素水素への転換に向けた明確な取り組みが重要と表明すると同時に、転換期においては、産業および交通分野での再生可能水素・超低炭素水素の規模拡大にインセンティブが必要であることを認めている。動議を起草した中道右派の議員は、再生可能水素のみに重点を置くことによって、水素産業へのハードルを作るべきではないとし、再生可能水素が商業的に利用可能になるまでは、その架け橋として低炭素水素の役割も必要と述べた。同委員会では低炭素水素の生産にあたり、①架け橋の役割を果たすものであること②生産から消費までのGHG排出量を大幅に削減すること③将来的な閉じ込め効果を避けることの3つの基準を推奨している。低炭素水素を架け橋として利用するこの妥協案は多くの議員から支持されたが、緑の党系の議員は天然ガスが重要な立ち位置を占めることに反対の意を示した。低炭素水素を巡っては、欧州委員会は昨年、原子力発電による水素も低炭素水素とみなすとしていたが、この度の環境委員会では議員の分裂を割けるためこの問題に関しては言及せず、同委員会は欧州委員会に対し、再生可能水素・低炭素水素を認証するための包括的な専門用語集と基準の導入を求めた。
      • 原文 January 27, 2021 Euractiv(植木エミリ)
    • 【7】英国政府:指定施設での隔離対象となる入国者の出発国リストを公表
      • 【7】英国政府は1月27日、ホテルなど政府が指定する施設での隔離措置の対象とする入国者の出発国のリストを公表した。リストには、アルゼンチン、ブラジル、南アフリカ、ポルトガルなどコロナウィルスの変異種が確認されたことにより既に渡航禁止となっている計30カ国が含まれ、これらの国からの入国者は政府が指定する施設で10日間の隔離を実施することになる。指定施設での滞在費用など制度の詳細については来週公表される予定。また、政府は現在レージャー目的の渡航を禁止しているが、この実効性を確保するために、渡航目的が必要なものであることを記載した様式の提出も新たに求めることとしている。英内務相は、ロックダウンの発令により正当な理由がない限り外出が禁止されているが、いまだに多くの人がこの規則を守っていないと述べ、改めて外出を控えるよう呼び掛けている。

        ※1/27の英国の感染者数:25,308人(日本3,851人の6.6倍)
        ※1/27の英国の死者数:1,725人(日本94人の18倍)
      • 原文 January 27, 2021, Evening Standard (若林健一)
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