2021/01/27LROニュース(7)

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  • 2021.01.28 UP
    2021/01/27LROニュース(7)
    • 【1】300社以上の企業が船員交代促進のためのネプチューン宣言に署名
      • 【1】新型コロナウィルスの感染拡大により、数十万人もの船員が交代できずに本来の契約期間を超過して乗務を続けているという人道的な危機を受け、世界各国の船会社や石油企業などの用船者など300以上の企業が、船員の健康と交代に関するネプチューン宣言に署名した。同宣言は、船員交代を促進し世界のサプライチェーンを維持するために必要な4つの行動として、①船員を基幹労働者(Keyworkers)に指定し、優先的にワクチンを接種できるようにすること。②既存のベストプラクティスを基にゴールドスタンダードとなる健康プロトコルを作成する。③船員交代を促進するために船舶の運航者と用船者間における連携を強化する。④船員交代のハブとなる場所への航空便のアクセスを確保すること、を掲げている。船員交代の問題に関しては、国際機関、各団体、企業、政府機関などが解決のための努力を続けているが、ウィルスの変異種が確認されたこと受け各国政府が移動に関する制限を強化しており、事態はさらに悪化している。長引く乗務による疲労で船員は身体的にも精神的にも健康を害しており、このことは船舶事故のリスクや環境汚染のリスクを増加させ、世界の貿易量の9割を担う海上のサプライチェーンの保全に脅威を与えている。
      • 原文 January 26, 2021, Seatrade Maritime News (若林健一)
    • 【2】欧州委員会:新たな北極政策についての公開協議の結果概要
      • 【2】欧州委員会と欧州対外行動庁(EEAS)は2016年、①気候変動と戦い、環境を保護する②持続可能な開発を促進する③国際協力を強化するという3本の柱に基づく北極政策を採択し、2020年8月から11月まで、当該政策を見直すための公開協議を実施した。公開協議は、欧州Green Deal(EDG)の下でのEUの目標やEU国際海洋ガバナンスに照らして、北極圏地域における新たな課題と機会を更に広範に反映させるのに役立てられ、官民や政府/非政府組織、地元の関係者など北極圏地域の幅広い利害関係者が関与した。寄せられた意見には、現在の北極政策における優先事項との継続的な関連性を求める声が大多数を占め、EUは国際協力の強化を通じて、北極圏を安全かつ持続可能にし、繁栄させていくための行動として、①長期的な視点で、北極圏の生態系・住民・生物を蝕む環境的に持続可能でない慣行を阻止。②北極圏の持続開発な開発を実現するため、EDGと新たな北極政策の繋がりを強化。③北極圏におけるEUの政策と実行に科学と研究を中心に据える。以上を踏まえ、欧州委員会とEEASは北極問題におけるEUの役割を再検討し、2021年末までに新たな北極政策を発表する予定である。
      • 原文 January 26, 2021 欧州委員会(植木エミリ)
    • 【3】ギニア湾で海賊事件が増加している背景
      • 【3】各国海軍による努力をものともせずギニア湾では海賊が活動を活発化させており、1月23日にはコンテナ船から15名の乗組員が誘拐され、1名の乗組員が殺害される事件も発せしている。昨年ギニア湾で発生した船員の誘拐事件は22件で合計130名の船員が誘拐されている。海賊はナイジェリアのニジェール・デルタからやって来ると言われているが、国内の石油産出量の多くが同地域で産出されている一方、かなりの部分が未開発であり、汚染状態もひどく、国内で最も失業率が高い地域に数えられている。これにより収入を求める者達が、誘拐、油の窃盗と精製、海賊行為などの違法であるが稼ぎが良い様々な犯罪に手を染めている。国際商業会議所の国際海事局(ICC-IMB)によると、近年誘拐事件は増加の一途をたどっており、被害者は漁船の乗組員から大型タンカーの乗組員まで様々で、貨物や積荷の油を盗む目的で船舶を襲撃した賊が、船会社が乗組員に対して高額な身代金を払うことに気付いたとしている。昨年の石油価格の下落とナイジェリア国内の景気後退により失業率と経済状況はさらに悪化しており、23日に発生した襲撃事件は、200海里もの沖合で発生しシタデルが破られ船員1名が殺害されており、海賊事件がより組織化され危険度を増していることを表している。
      • 原文 January 25, 2021, gCaptain (若林健一) 
    • 【4】Amazonがクリーンな舶用代替燃料の製造事業に資金援助
      • 【4】Amazonは2040年までに自社事業を炭素中立化することを2019年に宣言し、実現に向けて20億ドル(約2076億円)を投じたClimate Pledge Fundを設立し、脱炭素化に向けた持続可能な技術の開発支援を行っている。この度、合成燃料および再生可能電力によって生産されるグリーン水素(GH)に力を入れている新興企業・Infinium Holdings(IH)の資金調達ラウンドに、三菱重工業やその他のベンチャー資本パートナーと共に参加した。他のE-fuelベンチャー同様、IHは既存のディーゼル機関やジェットタービンと互換性のある高エネルギー密度な製品の製造を目指しており、産業から大気中に排出されるCO₂を回収し、化学反応でCO₂とGHを再結合させて合成液体燃料を製造する。IHによると、同社の燃料はバンカー燃料や道路用ディーゼル燃料といった標準的な石油精製製品と同じ方法で燃焼可能で、インフラを変更することなく既存の航空機/船舶/トラックに使用できるため、即座に脱炭素化へ向けて動き出せるという利点がある。しかしE-fuelはグリーンアンモニアや液体水素と異なり、回収したCO₂が永久に貯蔵されるわけではなく、燃料タンク内で一定期間経過した後も大気中に放出されるため、厳密にはゼロカーボン燃料の選択肢としては当てはまらない。
      • 原文 January 26, 2021 Maritime Executive(植木エミリ)
    • 【5】EU理事会がギニア湾での海賊対処の支援に関する新たな構想を承認
      • 【5】EU理事会は1月25日、今回初の試みとしてギニア湾においてthe Coordinated Maritime Presences (CMP) 構想に着手することを承認した。CMPの概念は、信頼性のあるパートナー及び海上保安の提供者としてのEUの能力を向上させることが狙いで、EU理事会が決定する関心海域(Maritime Area of Interest:MAI)においてEUによる作戦行動への関与を強化し、恒久的なプレゼンスと奉仕を確保し、海上における国際的な協力や連携を推進していくものである。欧州委員会はギニア湾をMAIに指定して調整所(Coordination Cell:MAICC)の設立も併せて承認した。ギニア湾におけるCMP構想は、EUのギニア湾戦略に沿って同海域におけるEUの取組みを強化するもので、同海域において増加する武装海賊による襲撃事件や身代金目的の誘拐事件など、同海域の治安と統制を弱体化させる諸課題に対処する沿岸国やヤウンデ行動指針に基づく各組織の取組みを支援していく。今後EU理事会は同海域でのCMP構想の実施に関して政策的な統制を確保し、戦略指針を準備するとともに2022年1月に見直しを行う予定。EUは、ギニア湾におけるCMP構想の結果に基づき、他の海域においてもCMP構想を展開させる可能性があるとしている。
      • 原文 January 25, 2021, 欧州委員会(若林健一)
    • 【6】バルチラが長距離輸送の脱炭素化プロジェクトに参加
      • 【6】Horizon2020の一環として2021年春から開始されるCHEK計画は、低炭素エネルギー・技術の統合的な利用を通した海運からのCO₂排出量削減を目指しており、水素燃料・風力発電・バッテリー・熱回収・空気潤滑・新防汚技術を利用すると共に、船舶の設計/運航方法の開発を行う予定で、バルチラの技術グループは、フィンランドのヴァーサ大学が率いるコンソーシアムの一員として当該計画に参加する。計画内では、風力エネルギーによって推進するばら積み船と、バルチラが設計したエンジンを搭載し、水素燃料で航行するクルーズ船という二種類の船舶の設計を行い、 新たな革新的技術の組み合わせにより、黒煙排出量を95%以上、GHGを99%削減し、エネルギー消費量は最大50%節約可能と見込まれており、いくつかの主要な技術は実際の運航船で実証される予定である。水素エンジンの開発と試験に加え、バルチラは①ハイブリッド化・エネルギー貯蔵・陸上電源への接続を含めた両船のシステム統合②燃料消費量の削減と効率最適化のためのモジュール式のfuel-flexibleなパワートレインの開発③操縦性と効率を向上させるための新型ゲートラダーシステムの実装④風況を予測し、優勢な風況を利用した風力推進船の航路最適化を行う。
      • 原文 January 25, 2021 Wärtsilä(植木エミリ)
    • 【7】英首相:ロックダウンを少なくとも3月までは継続する考えを示す
      • 【7】ジョンソン首相は1月27日、イングランドで今月から開始したロックダウンについて、少なくとも3月8日までは継続し学校もそれまでは再開させない考えであることを明らかにした。首相は、既に開始しているワクチン接種について、優先的に接種を行うとしている1500万人へのワクチン接種が2月中旬までに終えることができれば、翌月から学校を先海させることができるとし、他の経済活動や社会活動への規制もこの日以降に解除できるとしている。英国での死者数は世界で5番目に多く、人口10万人当たりの死者の割合は最も高い結果となっている。

        ※1/26の英国の感染者数:20,089人(日本2,765人の7.3倍、緊急事態解除基準47人の427倍)
        ※1/26の英国の死者数:1,631人(日本74人の22倍)
        日本の緊急事態解除基準(直近1週間の新規感染者数の合計が人口10万人当たり0.5人以下)を英国(人口約6644万人)に適用した場合、1週間当たりの新規感染者数は332人、1日当たり約47人となる。
      • 原文 January 27, 2021, Reuters (若林健一)
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