2021/01/12LROニュース(7)

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  • 2021.01.13 UP
    2021/01/12LROニュース(7)
    • 【1】 スエズ運河庁が2020年の通航船舶隻数等を公表
      • 【1】スエズ運河庁は、2020年における通航船舶隻数などを公表した。2020年は、海運業界がスエズ運河の利用を避けてより長距離の喜望峰を経由する航路を選択しているとの報道もあり、また、自動車運搬船の通航量が60%減少したことに加え第1四半期に始まったクルーズ船の世界規模での運航停止による減収を経験したが、結果として年間の通航船舶隻数は18,829隻(11億7千万トン)に達し、2019年(通航船舶隻数18,880隻(12億1千万トン))と比較して51隻の減少(トン数にして3%の減少)に留まり、運用開始以降年間の通航船舶隻数が2019年に次いで2番目の多さを記録し、また過去3番目の年間収益額も記録した。全体の通航船舶隻数は前年から減少したものの、通航料に関するインセンティブの効果もあって複数の船種においては増加を記録し、ばら積貨物船の通航隻数は20%以上増加して5,113隻、一般貨物船の通航隻数も約20%増加して1,792隻となった。また、全体の通航量の20%以上が初めてスエズ運河を利用する船社の船が占め、新規利用船社の呼び込みにも成功した。スエズ運河庁は、引き続き全ての船種の通航料について昨年と同程度のレベルを維持する方針で、コロナ禍における悪条件や課題に対応すべく複数のクラスの船舶向けに昨年導入したインセンティブや軽減措置の更新も承認している。
      • 原文 January 4, 2021, The Maritime Executive (若林健一)
    • 【2】 HAC:2030年までに世界の陸地と海洋の30%を保護する目標を発表
      • 【2】2011年に結成され、現在50か国以上が加盟しているHigh Ambition Coalition(HAC)は、1月11日に開催されたOne Planet Summitにて、HAC for Nature and Peopleを発足し、自然破壊と野生生物の絶滅に歯止めをかけるため、2030年までに地球上の陸域と海域の30%を保護する目標を発表した。この目標は、今年5月に中国で開催されるCOP15において、生物多様性にとってパリ協定の様な主要な目標となる可能性が高く、HACはコロンビア/コスタリカ/ナイジェリア/日/加といった国々の早期の取り組みが、会合での合意の基礎となることを望むと述べた。この目標は多くの国から支持されているが、一部の環境団体は、自然保護区を増やすことにより土地の奪い合いや人権侵害につながる可能性があると指摘し、またCOP15での合意の一環として、自然保護だけでなく財政や持続可能な開発に関する野心的な取り組みを望む開発途上国に懸念を抱かせる可能性がある。生物多様性は気候変動と異なり、自然の持続可能な利用・動植物等の遺伝資源の利益の共有・保全という問題があり、目標の合意にあたっては、互いに衝突する可能性があるこうした問題への対処も課題となる。
      • 原文 January 11, 2021, The Guardian(植木エミリ)
    • 【3】 米海軍省が新たな北極海戦略「a Blue Arctic」を公表
      • 【3】米海軍省は1月5日に新たな北極海戦略「a Blue Arctic」を公表した。同省は、氷の融解により北極海で航行可能な水域が増え、大国間の競争において米海軍が様々な課題に直面するなか、同戦略において米海軍が維持すべき北極海におけるプレゼンスの適切なレベルや方法を示すことで、好ましい勢力均衡を維持するために必要な準備を効率的かつ効果的に実施することを確保するとしている。同戦略は、物理的な環境の変化や中国やロシアによる軍事活動の強化など、今後数年において米国が北極海で直面する様々な課題について概説し、継続的な米海軍のプレゼンスや同盟国との協力がなければ価値観を共有しない中国やロシアによって北極海における平和や繁栄は大きな課題に直面することになるとしたうえで、米海軍は、強化されたプレゼンスの維持、同盟国との協力強化、北極海で求められる海軍力の増強の3つの目標を追求することにより、北極海における米国の安全保障上の利益を実現していくとしている。また、同戦略は昨年12月に海兵隊及び沿岸警備隊と共同で発表した海洋戦略「Advantage at Sea」の内容を踏まえたものとなっている。
      • 原文 January 6, 2021, HIGH NORTH NEWS (若林健一)
    • 【4】 北極海航路の利用はアジアより欧州の方が活発
      • 【4】ノルウェーの研究機関Centre for High North Logisticsの研究者による、北極海航路(NSR)の利用状況に関する調査結果は以下のとおり。①2016年から2019年にかけて、NRS沿いのロシア北岸沖での海運活動が急速に増加しており、航海数は1705件から2649件と58%増加した。②同期間の貨物量も750万トンから3150万トンに増え、貨物のほとんどは欧州へ輸出される液体炭化水素だった。③航海数の増加は、NSRを航行する内航船の増加と同様に、南西カラ海-欧州港湾間でのLNGおよび天然ガスコンデンセートの輸送が増加したことが要因である。④NSRを利用する海運企業は、アジアよりも欧州の企業の方が遥かに多く、NSRとアジア太平洋地域の港湾よりも、NSRと欧州の港湾間の航海の方が頻度が高かった。⑤アジアの海運企業は、多くが主にロシア以外の港湾間を行き来する国際海運に関心を示している一方、欧州の海運企業は内航船活動に重点を置き、航海のほとんどがロシアのMurmansk-Sabetta間や、カラ海やオビ湾沖で行われていた。⑥しかし全体的に見ると、ロシアの内航船活動が海運企業数・船舶数・航海数において最大であり、ロシアの所有/運営する海運企業は、同期間にNSRで活動した全海運企業の62-73%を占めていた。
      • 原文 January 11, 2021, HIGH NORTH NEWS(植木エミリ)
    • 【5】 コンテナ運賃の高騰を受け欧州荷主協議会などがECに介入を要請
      • 【5】アジア欧州間のコンテナ輸送の運賃が高騰を続けるなか、欧州フォワーダー協会(CLECAT)及び欧州荷主協議会(ESC)は共同で欧州委員会(EC)に対して書簡を送り、コンテナ船社が契約条件に違反して貨物輸送の予約受付けに関して不合理な条件を設定し、運賃を意のままに吊り上げており、景気が低迷するなか経済成長を妨げる結果を招いているとして、ECとして他国の当局と同様に適切な対応をとるよう要請した。中国では規制当局がコンテナ船社の調査を検討していると言われており、米国では連邦海事委員会が世界海運評議会(World Shipping Council)に対して書簡を送り、より高額の収益が得られるアジアへコンテナを直接回送したいコンテナ船社の意向により、米国内で貨物の輸出が拒否される事態が発生していることに懸念を表明している。年末の時点で北欧向けの上海輸出コンテナ運賃指数(SCFI)は昨年から266%上昇して1TEU当たり4,286米ドルを記録したが、複数のフォワーダーが1月から2月までの間は40フィートコンテナ1個当たり16,000米ドルを支払うよう求められたケースもあるという。
      • 原文 January 6, 2021, gCaptain (若林健一)
    • 【6】 「氷のアーチ」の弱体化で北極海の氷盤の流出が加速
      • 【6】グリーンランドとカナダ群島を隔てているネアズ海峡には、海氷によって形成されたアーチ状の機構があり、海流や風によって北極海から押し出される海氷を調整する弁の様な役割を果たしている。しかしトロント大学の研究者によると、この氷のアーチは北極圏の温暖化によって強度が失われつつあり、北極海の海氷を長期に渡って保持することが困難になってきている。ネアズ海峡北部のリンカーン海には、北極海で最も古く厚い氷盤があり、こうした氷は、今世紀中に起こりうると予測されている夏季の無氷状態の最後の砦である。こうした氷は、気温上昇による融解か、氷の流出のいずれかによって失われる可能性があるが、ネアズ海峡の場合は後者であり、通常1月以降、アーチが海峡に固定されると海氷の南下を遮断するが、アーチの形成期間が短くなっていることにより、結果的に海峡を通過する氷の量が増加している。過去20年間のデータでは、アーチの平均的な持続期間は毎年約1週間ずつ短くなっており、200~250日持続していたのが現在では100~150日に減っている。また海峡を通過する氷の量は、1990年代後半から2000年代前半にかけては毎年42,000㎢だったが、現在では2倍の86,000㎢の氷が失われている。
      • 原文 January 9, 2021, BBC(植木エミリ)
    • 【7】 英国政府:入国時に陰性証明書の提示の義務化を決定
      • 【7】英国政府は、1月15日午前4時から、英国民も含め海外からイングランドに入国する人に対し、出発前72時間以内に新型コロナウィルスの検査を受け、結果が陰性であったことを証明する書類(陰性証明書)を提示することを義務化する。政府は、検査の基準や書類など詳細については政府のウェブサイトに掲載するとしているが、航空会社や他の輸送事業者は旅客が検査を受けていることを確認し陰性証明書の提示がない場合は搭乗を拒否する義務を負い、入国者も規則に違反した場合は最低500ポンド(約7万円)の罰金が課されることになる。客室乗務員や輸送トラックの運転手などのほか11歳未満のこどもは対象外となる。スコットランドやウェールズでも同じ規則が適用される予定だが開始日は未定。なお、今回の規則の導入に関係なく、政府が指定する国以外の国から入国した場合に実施が義務付けられている10日間の隔離措置に関する規則は維持される。

        ※1/11の英国の感染者数:46,169人(日本6,101人の7.6倍、緊急事態解除基準47人の982倍)
        ※1/11の英国の死者数:529人(日本48人の11倍)
        日本の緊急事態解除基準(直近1週間の新規感染者数の合計が人口10万人当たり0.5人以下)を英国(人口約6644万人)に適用した場合、1週間当たりの新規感染者数は332人、1日当たり約47人となる。
      • 原文 January 12, 2021, The Guardian (若林健一)
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