2020/12/23LROニュース(7)

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  • 2020.12.23 UP
    2020/12/23LROニュース(7)
    • 【1】 英国洋上風力発電の大規模拡大のためには効率的な送電網が必要
      • 【1】2050年までの炭素中立化を目指す英国政府にとって、洋上風力発電の規模拡大はエネルギー分野におけるCO₂を削減するための中心的な政策である。洋上風力発電のコストは近年劇的に低下してきており、洋上から陸上の送電網につなぐ送電方法の合理化が、洋上風力発電をより経済的にするための次の課題となる。これまで英国の洋上風力発電所は、それぞれの発電所が個別のケーブルを敷設して陸上の送電網に接続していたが、今後9年間で洋上風力発電施設を4倍に拡大するにあたって、既存の方法では割高であるため、英国政府は7月に送電事業者のNational Gridからヒアリングを行い、送電方法の統合/合理化についての検討を開始した。同社によると、多目的国際電力接続装置を利用して洋上風力発電施設を接続すれば、陸上まで送電するのに必要な施設の建設量を半分に抑え、60億ポンド(約8400億円)の節約が可能であるという。英国政府は2030年までに、英国と他の欧州諸国との国内電力網どうしを接続する国際電力接続能力を現状の3倍の18GWに拡大し、英国内の余剰風力発電電力を欧州諸国に輸出し、電力の純輸出国となることを目指している。
      • 原文 December 17, 2020, gCaptain(植木エミリ)
    • 【2】 バイデン新政権:トランプ政権の南シナ海における対中政策を継承
      • 【2】バイデン新政権の対中政策は、中国の拡張主義に対して控え目な対応をとった同じ民主党のオバマ政権よりも、トランプ政権による厳しい政策を継承し、中国に対してさらに圧力を強めるものと見られている。バイデン次期大統領に国家安全保障問題担当大統領補佐官として指名を受けているジェイク・サリバン氏は、南シナ海における対中国の航行の自由作戦(FONOPs)の強化を訴えており、トランプ政権の政策をさらに段階的に拡大させる可能性を示唆している。また、バイデン新政権でアジア政策担当大統領補佐官を務めるとみられているカート・キャンベル氏は、12月上旬に台湾で行われた会合で講演を行い、台湾を支持していくという超党派の意見の一致があることを明らかにし、バイデン新政権も引き続き台湾を支援してく意思があることを滲ませた。キャンベル氏はオバマ政権においても南シナ海や台湾に関して対中政策の強化を主張しており、オバマ政権がアジア基軸戦略により戦略的な基軸を中東からアジアに移した際に主導的役割を果たしたとされている。
      • 原文 December 18, 2020, Asia Times(若林健一)
    • 【3】 NOAA環境情報センター:世界の気候11月の実績を発表
      • 【3】米海洋大気庁(NOAA)環境情報センターによる標記発表の概要は以下のとおり。①2020年の11月の世界の地表と海面の平均気温は、20世紀の平均気温より0.97℃高く、2015年に次いで史上2番目の暑さとなった。②北半球では、記録史上最も暑い11月となり、南半球では史上9番目の暑さとなった。特に気温の上昇が著しかったのは、海洋でいえば北太平洋とベーリング海だった。③2020年に入ってからの11か月間の平均気温は、20世紀の平均気温を1℃上回って史上2番目の暑さとなったが、最も暑かった2016年の同期間の記録との差はわずか0.02℃だった。④北極海の海氷面積は、1981年から2010年の平均面積を16%下回り、2016年に次いで史上2番目に狭い面積となった。⑤9月から11月にかけての3か月間の平均気温は、北半球では2015年に次いで史上2番目の高温となり、欧州では史上最高の平均気温となった。⑥2020年に入ってからの11か月間の平均気温は、北半球では史上最高となり、南半球では史上5番目の高温となった。
      • 原文 December 14, 2020, NOAA(植木エミリ)
    • 【4】 IBIA: 燃料供給事業者に対する免許制度に関するIMOの検討について
      • 【4】MEPC75にICS/BIMCO等の海運業界団体が「船舶燃料油供給事業者に対する自主的な免許制度に関する代表的な例」に関する文書(MEPC 75/5/2)を提出したが、MEPC75では審議時間が足りなかったので、審議はMEPC76に先送りする代わりに、本件についてMEPC76の前に検討するCorrespondence Group (CG)が設置された。CGのマンデートとしては、船舶燃料事業者が遵守しなくてはいけないシンガポールにおける燃料油供給基準(MSC 94/INF.8)を必要に応じ参照しながら、MEPC 75/5/2を見直し・修正することを求められている。国際バンカー産業協会は9月末に、世界の主要燃料供給港湾における燃料油供給事業者の免許制度の導入について検討したが、シンガポールの制度は良い例で、世界の主要燃料供給港で同様の制度が導入されれば、燃料油供給サービスの整合性を図ることに資すると評価している。IMOで代表的な免許制度の例が承認されれば、各加盟国は代表例を参考にして自主的に免許制度の導入を図ることとなるが、各港湾/国ごとに、免許制度を実施/監督する人的資源と法制度が異なるため、バンカー事業者の免許制度の実際の運営については、港湾/国ごとに大きなばらつきが発生しうることを念頭に置く必要がある。
      • 原文 December 17, 2020, IBIA(長谷部正道)
    • 【5】 2021年に気候変動対策として欧州委員会/欧州議会が果たすべき役割
      • 【5】12月11日に開催されたEU首脳会合では、2030年までのCO₂排出削減目標を40%から55%に引き上げることが合意され、12月17日、EUの環境大臣会合でも同様の目標引き上げが追認された。この結果、EUは2021年に、発電事業者と製造業を対象とした排出権取引制度(ETS)・交通/建物/農業などのETSの対象とならない分野から発生するGHGの国別排出量を決定する努力分担規定(ESR)・土地利用/利用変更と林業に関する規則(LULUCF)・エネルギー効率指令・建物のエネルギー効率指令・再生可能エネルギー指令などを新たな目標に応じて見直す必要がある。欧州議会も、2021年には欧州気候法を最終化し、さらに55%の削減では、地球の気温上昇を1.5℃以下に抑制するというパリ協定の目標を達成するには不十分であるため、CO₂排出量の削減目標をさらに65%まで引き上げるために中心的な役割を果たす必要がある。
      • 原文 December 17, Climate Action Network Europe(植木エミリ)
    • 【6】 デンマークが北極海でAISを切った違法船舶を発見するシステムを開発
      • 【6】気候変動の影響により北極海を航行する船舶の数は今後10年から20年間で急増すると予想されており、グリーンランドやデンマークにとって北極海は重要度を増しつつある。デンマークが北極海において主権を行使し、安全保障を強化するために、デンマーク国防省は、違法に船舶自動識別装置(AIS)を搭載していない、または搭載しているAISの電源を切っている船舶を検出し、識別できる新たな監視技術を開発するために、GateHouse Maritime社及びデンマーク工科大学と技術開発に関する契約を結んだ。GateHouse Maritime社の最高執行責任者は、気候変動により北極海に新たな航路が開かれることにより、北極海においても違法な武器の売買、制裁対象物品の取引、違法な漁業活動などが行われる可能性があると述べたうえ、多くのデータを結合することによりあらゆる気象条件下においても船舶と流氷を選別することは可能で、この技術は合法な活動と違法な活動との違いを見分けることに役立つとしている。デンマーク国防省は、北極海における監視や通信を強化するために15億デンマーク・クローネ(約255億円)を確保している。
      • 原文 December 18, 2020, Sea News(若林健一)
    • 【7】 変異種の感染拡大により再び全国的なロックダウン実施の可能性
      • 【7】英国政府はイングランド南東部を中心にコロナウィルスの感染者数が急増していることを踏まえ、ロックダウンに相当する警戒レベル(Tier4)を新たに設け、12月20日から首都ロンドンや南東部のケント州など一部の地域に適用させた。しかし、この急速な感染拡大の原因とされているウィルスの変異種による感染は、既にスコットランドやウェールズを含め国内全域に拡大しているとみられており、政府の緊急時科学顧問グループ(SAGE)のメンバーを務める感染症の専門家は、英国は今回の感染拡大に関して危機的な段階に突入していると警告し、政府に対して断固たる対応をとることを求めている。この変異種の感染拡大を抑えるために、一部の地域のみでなく全国的なロックダウンを再度実施する必要があるとの声が高まっており、政府は各地域の警戒レベルを見直す12月30日に、Tier4の警戒レベルを適用する地域を大幅に拡大することが予想される。
      • 原文 December 22, 2020, Evening Standard (若林健一)
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