2020/12/11LROニュース(7)

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  • 2020.12.11 UP
    2020/12/11LROニュース(7)
    • 【1】 将来的な全ての船舶の排気規制に対応できる包括的な排気清浄システム
      • 【1】ノルウェーの舶用技術企業のTECO2030社は、豪のAVL社と連携して、現在および将来の船舶からの全ての排ガス規制に対応でき、新造船にも既存船にも設置できるFuture Funnelというオールインワンの排気清浄システムの構想を発表した。この新システムは、SOx/NOx/黒色炭素/粒子状物質の将来的な排出規制に対応できるだけでなく、炭素回収貯留機能も保有する見込み。2050年の時点でも、全船舶の40%が引き続き化石燃料の使用を継続することを前提として、このシステムを装備すれば、既存船が重油燃料を使用しながら、IMOのGHG削減規制に対応した超低排気船舶(ULEV)や低排気船舶(LEV)の認証を受けて、運航を継続できることを目的として設計されており、既にスクラバーを搭載している船舶にも対応できる。現在の第一世代モデルは、IMOの2020規制に適合するSOx除去機能を備えているが、将来の排気規制強化に対応した機能は2021年以降順次追加される予定。
      • 原文 December 8, 2020, The Maritime Executive(長谷部正道)
    • 【2】 欧州委員会:「持続可能でスマートな移動戦略」を発表
      • 【2】欧州委員会は12月9日、欧州Green Dealに従い、2050年までに交通分野からのCO₂排出量を90%削減するため、標記戦略と目標の実現に向けて今後4年間で実施される、重点10分野における82項目の行動計画を発表したところ、持続可能な交通に関する重点5分野の概要は以下のとおり。①CO₂を排出しない自動車・船舶・航空機の数を増加すると共に、2030年までに300万か所の電気自動車用の公共充電施設を整備するなど、再生可能/低炭素燃料供給インフラの整備を進める。②持続可能な航空/船舶燃料を推進する新たな取り組みを通じて、CO₂を排出しない空港/港湾を整備する。③今後10年間で、高速鉄道の交通量を2倍にし、サイクリング専用道の整備などを図ることにより、都市間および都市部の移動を健康的で持続可能なものにする。④2050年までに鉄道貨物輸送量を2倍にするなどの取り組みによって、グリーン物流を促進する。⑤全ての交通分野において、公正かつ効率的な炭素課税を実施するための包括的な政策手段を導入し、適切な炭素価格の設定とCO₂削減のためのインセンティブを与える。
      • 原文 December 11, 2020, 欧州委員会(植木エミリ)
    • 【3】 EC:水素経済の規模拡大のためにBlue Hydrogenを経過措置として容認
      • 【3】もともと汎欧州エネルギーネットワーク(TEN-E)は化石燃料を含むすべてのエネルギーに関するインフラの整備を目的としていたが、近年、電気と天然ガスに重点を置くようになり、さらに今後長期的には再生可能エネルギーから生産されるGreen Hydrogen(GH)を含む再生可能エネルギーの展開に必要なインフラの整備のみに絞り込むことを欧州委員会は検討していた。しかし、水素は発電分野における需給の安定のためだけでなく、エネルギー供給を完全に電力に依存できない鉄鋼や化学産業などの重工業のためにも必要とされているが、現状ではほとんどの水素が天然ガスから生産されていることもあり、生産時に発生するCO₂を回収/貯留(CCS)することを条件に天然ガスから製造されるBlue Hydrogen(BH)についても当面の経過措置として、12月15日に発表される予定の新たなTEN-E構想の支援対象とするよう欧州委員会に対する政治的な圧力が強まっており、欧州委員会としてもGHへの移行を段階的に進め、BH関連のインフラ整備に対する支援を停止するタイミングは今後慎重に判断しなくてはならないと、欧州委員会でこの問題を担当する高官は語っている。
      • 原文 December 9, 2020, Euractiv(長谷部正道)
    • 【4】 Green Hydrogen Catapultが結成
      • 【4】世界の再生可能エネルギー関連の主要7企業が結集して、発電/化学/鉄鋼/海運などの炭素多消費型の産業のエネルギー転換を促すために、2026年までにGreen Hydrogen(GH)の生産規模を現在の50倍の25GWに拡大し、生産コストも現在の半分の1kgあたり2ドル(約209円)まで引き下げるために、世界的な連合であるGreen Hydrogen Catapultを12月8日結成した。Hydrogen Councilが作成した水素のコスト面での競争力を分析した報告書によれば、GHが$2/kgまでコストが削減できれば、上記炭素多消費型産業においてGHとGHから生産されるアンモニア(Green Ammonia: GA)などのゼロ炭素燃料が代替燃料として価格的競争力を持つとされており、GAは既に化石燃料の代替燃料として、既存の火力発電施設をそのまま利用して大幅なCO₂排出の削減ができることが実証されている。
      • 原文 December 8, 2020, UNFCCC(長谷部正道)
    • 【5】 米海軍の強襲揚陸艦南シナ海展開に中国が反発
      • 【5】北京に所在するシンクタンクthe South China Sea Strategic Situation Probing Initiative (SCSPI)が公表したデータによると、12月6日に米海軍の強襲揚陸艦マイン・アイランドが率いる水陸両用即応群が南シナ海に入域した。また、これに先立ち米国防総省は前日の5日に、ミラー国防長官代行がインドネシア、フィリピン及びインド太平洋軍司令部を訪問するために米国を出発したことを発表していた。中国人民解放軍の海軍軍事研究所(the PLA Naval Military Studies Research Institute)の研究員は、今回の米艦船の南シナ海への入域は地域の平和と安定を破壊するものであり、中国と共にRCEPの枠組みに加盟した地域の国々から歓迎されるものではないと述べている。また、別の専門家らは、トランプ政権は残りの期間も引き続き中国に対する抑止的な軍事姿勢を保ち、南シナ海や台湾海峡において軍事的なプレゼンスを今後も維持する意思を示すものとみており、また、2021年1月に発足する民主党のバイデン政権についても、2014年4月に当時のオバマ政権が米軍の比駐留の拡大を可能とする協定を比と締結したように、規範や規則、同盟や地域的な主張とった手段により中国に圧力を加えてくるとみており、いずれの候補が米政権をとろうが、中国は南シナ海や台湾海峡において米国に対峙するための準備を整えるべきであると述べている。
      • 原文 December 7, 2020, Global Times(若林健一)
    • 【6】 USCG: 北極海で露に対抗するためフィンランドから砕氷船のリースを検討
      • 【6】米国沿岸警備隊(USCG)が現在保有する砕氷巡視船は、船齢44年の大型砕氷船1隻と機関室火災が原因で現在任務に就くことができない中型砕氷船1隻の計2隻のみである。これに対して露は50隻以上の砕氷船を有しており、また、今年8月にはベーリング海の米国の排他的経済水域内で露艦船が米国漁船に対して退去を求める事態が発生している。USCGは新たに大型砕氷巡視船3隻の建造を計画しており、このうち7億5千万ドルで契約した1隻目の建造が来年開始される予定だが、完成は2024年になるとみられている。米議会上院の保安に関する商業小委員会の議長を務めるDan Sullivan議員は、露は北極海において大型船が利用可能な港湾を16ヵ所、飛行場を14ヵ所整備し、軍事基地の建設や新たな司令部の設置などにより北極海での覇権を強めていると警告し、フィンランドは砕氷船を3億ドル以下の価格で2年以内に建造できるとしている点を指摘した。これに対してUSCGの副長官は、フィンランドのような友好国から砕氷巡視船をリースすることは、USCGにとって最も理にかなった戦略であると述べた。
      • 原文 December 9, 2020, Sputnik News(若林健一)
    • 【7】 2021年1月以降英国からEU圏内への旅行が困難になる可能性
      • 【7】現在EUはコロナウィルス感染拡大を防止するために、EU圏外の国からの入国については感染割合が低い国からの必要不可欠な渡航のみ認めており、「感染割合が低い国」に指定されているのは豪、ニュージーランド、シンガポールなど8カ国のみである。英国のEU離脱移行期間は2020年12月31日で終了することから、2021年1月以降はEUがこの規制を緩和するか、EU加盟国が独自に英国と「travel corridor」のような取決めを交わさない限り、英国からEU圏内への旅行は認められないことになる。英国からの旅行者はEU加盟国にとっても重要な観光収入源であるが先行きは不透明で、英外相も、EU離脱移行期間の終了に伴い英国からEU圏内への旅行は途絶することになり、その可否はEU側の決定に委ねられることになると認めている。

        ※12/9の英国の感染者数:16,578人(日本2,154人の7.7倍、緊急事態解除基準47人の353倍)
        ※12/9の英国の死者数:533人(日本38人の14倍)
        日本の緊急事態解除基準(直近1週間の新規感染者数の合計が人口10万人当たり0.5人以下)を英国(人口約6644万人)に適用した場合、1週間当たりの新規感染者数は332人、1日当たり約47人となる。
      • 原文 December 10, 2020, The Sun (若林健一)
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