2020/12/04LROニュース(8)

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  • 2020.12.04 UP
    2020/12/04LROニュース(8)
    • 【1】2018年MLC改正が発効:海賊に身柄を拘束されている間の船員の権利保障
      • 【1】2018年の海事労働条約の改正が、12月26日に発効し、海賊に誘拐され身柄が拘束されている船員が、拘束期間中に雇用契約が失効/終了しても、本来の雇用契約・労使協定・旗国の法制に従った全ての賃金・権利が保障されることになり、身柄を拘束された船員の家族が船員の拘束期間中、経済的な支援を受けられることとなる。
      • 原文 December 1, 2020, Dryad Global(長谷部正道)
    • 【2】EU: MASSの安全で持続可能な試験運航のための運用ガイドラインを発表
      • 【2】安全で予見可能な環境の下で、海上自律運航船(MASS)の技術開発と試験運航を促進するために、また、同じ航路や港内を有人と無人の船舶が混在する中で安全運航を担保するためには、自律運航船自体のシステムに加えて、船舶交通の監視・双方向の通信と接続性・管理とコントロールについても試験を行う必要性があり、MASSとMASSに適応できる船舶交通管理システムの開発は並行して進める必要がある。このためEUはIMOが作成した「MASSの試験運航のための暫定ガイドライン」を参考とし補完するために、「海事デジタルシステムとサービスのガバナンスのための高級運営グループ」の下で、EU/EEA加盟国/EMSA/欧州委員会が参加して、「暫定MASS専門家サブグループ」を結成し、MASSの試験運航に取り組むすべての関係者の協力と調整を強化するために、運用ガイドライン(Operational Guideline: OG)を作成した。OG本文は以下のリンクを参照。
      • 原文 November 30, 2020, 欧州委員会(長谷部正道)
    • 【3】スクラバー搭載船の増加に応じて伸びる重油燃料の需要"
      • 【3】Clarksons Researchによれば、パンデミックの影響で一時経済活動が停滞したにもかかわらず、スクラバーを搭載する船舶の数は、1月から10月にかけて80%増加し、DNV GLによれば、スクラバー搭載船の大部分はコンテナ船とドライバルク船であるが、Ocean Insightsによれば、中国をはじめとするアジア市場からの輸出需要に支えられ、コンテナ船の活動は活発で、この結果、重油燃料の需要量の増加と価格の上昇を招いている。Clarksonsによれば、スクラバー搭載船舶の総数は、世界全体の商船隊の3%にあたる3600隻以上に達したが、重油燃料価格の上昇によって、スクラバー設置による燃料節約効果は、投資決定時点に比べて減少してきているものの、スクラバー搭載船の増加とコンテナ船市場の活況によって、世界全体の船舶燃料に占める重油燃料の割合は、2020年初めには10%まで急落したのが、2021年末までには20%まで回復することが見込まれる。
      • 原文 December 1, 2020, AJOT(長谷部正道)
    • 【4】The Crown Estate: 浮体式洋上風力発電開発に関する意見を公募
      • 【4】英国政府の2030年までに1GWの浮体式洋上風力発電施設(Floating Offshore Wind : FOW)を整備するという目標を受けて、英国王室領を管理するThe Crown Estate(CE)は、英国の浮体式洋上風力発電の開発を促進するための最善の方法について①英国内におけるFOWの開発規模および2030年までに実施可能な試験事業②FOWの整備を促進し、英国内に強力なサプライチェーンを構築するうえで、FOWの開発に関する権利をどのように付与すべきか③様々な海洋関連の活動が盛んになる中で、FOWの開発が海洋空間計画や海洋環境に与える影響について、意見の公募を開始した。今回寄せられた意見をもとに、CEは将来的なFOWのためのリース契約の形式・規模を政府の差額決済契約入札方式に従って検討し、2030年までに1GWのFOWを整備するという政府の野心的な目標を支援する。また今回の市場関係者との意見交換を受けて、CEは2021年中に商業規模のFOWの展開を可能とする計画を作成する予定である。
      • 原文 December 1, 2020, The Crown Estate(植木エミリ)
    • 【5】パンデミックの影響で船舶の運航コストが上昇"
      • 【5】Drewry社が発表した「船舶の運航コストに関する年次報告書2020/21」によれば、2020年における47の異なる種類と大きさの船舶の一日当たりの平均運航コストは、船員費が対前年比6.2%、保険料が同4.5%上昇したのを始め、全体として同4.5%と大きく増加した。2021年の見通しについては、コロナ対策が浸透して、2020年のような一時的なコストはなくなるので、船舶の運航コストは2019年までのように、一般的なインフレ率以下となり、インフレ要因を除いた実質的な運航コストは横ばいとなる見込み。
      • 原文 December 1, 2020, Marine Log(長谷部正道)
    • 【6】プラスチック廃棄物を新たにバーゼル条約の対象とする改正が発効"
      • 【6】有害廃棄物の国境を超える移動およびその処分の規制に関する条約(バーゼル条約)については、2019年5月に「リサイクルに適さない汚れたプラスチックごみ」を新たな有害廃棄物(AC3000)と指定する改正が合意され、改正が2021年1月1日より発効することによって、リサイクルのために、綺麗に洗浄され、複数の種類のプラスチックが混在しないプラスチックごみのみ輸入国の同意が必要としないGreen List対象のゴミとして、これまでとおり輸出することができる。従って、従来は、ポリプロピレン/ポリエチレン/PET素材のプラスチックゴミが混在したまま輸出できたが、原料ごとに仕分けをしない限り、Green List対象ゴミとは認められないので、廃棄物を受け取った時に、適正に仕分けされているか確認する必要がある。Green Listの対象でないプラスチックごみについては、環境庁の承認を得て輸入国に事前通告しなくてはならず、環境庁は輸出までの手続きを解説したガイダンスを発表し、事前通告書の申請受付を11月1日から開始している。この環境庁経由の事前通告制度を経ずに、Green Listの対象でないプラスチックごみを輸出した事業者は、環境庁の調査の対象となって、違反の程度に応じて、警告・実施命令・罰金などの民事罰・刑事罰を受ける事になる。
      • 原文 November 30, 2020, Clyde & Co(長谷部正道)
    • 【7.1】PPR 8が3月22日から26日までオンラインで開催 C.L 4348
    • 【7.2】MSC 103が5月5日から14日にオンラインで開催 C.L. 4347
    • 【8】英国内のコロナウィルスによる死者数が欧州で初めて6万人を突破"
      • 【8】12月3日の英国内のコロナウィルスによる死者数は414人で、これにより英国政府が公表している国内のコロナウィルスによる死者数の合計は6万113人となり、欧州で初めて6万人を突破した。ジョンズ・ホプキンス大学によると、他に死者数の合計が6万人を超えている国は、米国、ブラジル、インド及びメキシコのみであり、英国は人口10万人当たりの死者数においても世界で7番目に多い結果となっている。また、政府が公表している死者数は、検査の結果コロナウィルスへの感染が確認された日から28日以内に亡くなった人の数のみを数えているが、別の統計によると死亡診断書に死亡原因がコロナウィルス感染症と記載されている死者数の合計は既に6万9千人を超えている。

        ※12/3の英国の感染者数:14,879人(日本2,434人の6.1倍、緊急事態解除基準47人の317倍)
        ※12/3の英国の死者数:414人(日本41人の10倍)
        日本の緊急事態解除基準(直近1週間の新規感染者数の合計が人口10万人当たり0.5人以下)を英国(人口約6644万人)に適用した場合、1週間当たりの新規感染者数は332人、1日当たり約47人となる。"
      • 原文 December 3, 2020, BBC (若林健一)
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