2020/12/03LROニュース(7)

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  • 2020.12.03 UP
    2020/12/03LROニュース(7)
    • 【1】 世界初の電動自律運航コンテナ船Yara Birklandが引き渡し
      • 2017年に、世界最大の窒素肥料メーカーのYara社とKongsbergは世界初の完全電動自律運航のフィーダーコンテナ船(全長80m.幅15m、20フィートコンテナを120個積載)を開発すると発表し、船隊の建造はVard社が担当し、船体は同社のルーマニアの造船所で2020年2月に完成した後に、5月に同社のノルウェーの造船所で、バッテリーや様々な運航管理や航海に関するシステムを設置したうえで試験航海を実施し、11月にYaraに引き渡された。同船は引き続き、コンテナの積載や安定性などについて試験を実施した後に、自律運航の試験海域であるHortenまで運航される見込み。
      • 原文 November 30, 2020, Offshore Energy Biz(長谷部正道)
    • 【2】 トーゴ沖で原油タンカーから4名の船員が誘拐
      • 11月29日午後9時30分、トーゴのロメから南方約75海里の海上を航行していた原油タンカーが複数の賊による襲撃を受け、フィリピン人船員2名、ルーマニア人船員1名およびロシア人船員1名の計4名が誘拐されたとの報告があった。本件は今年に入りギニア湾で発生した24件目の誘拐事件であり、誘拐された船員の数は122名に及んでいる。船舶自動識別装置(AIS)のデータによると、タンカーは上記時刻に針路を右転して急減速するなど、賊による移乗を避けるための動作をとっていることが分かる。11月17日には本件の発生場所から約22海里北東に離れた海域において給油船から船員3名が誘拐される事件が発生するなど、ギニア湾では船員の誘拐事件の発生が続いており、これにより高危険海域(HRA)の評価は日常的に海賊事件が発生し得ることを意味する「CRITICAL」に引き上げられている。
      • 原文 November 30, 2020, Dryad Global(若林健一)
    • 【3】 EEA: Trends and Projections in Europe 2020報告書を発表
      • 欧州環境庁(EEA)は11月30日、EU27か国と英国における、欧州の気候変動とエネルギーの目標達成に向けたCO₂排出量削減の進捗状況等をまとめた標記報告書を発表したところその概要は以下のとおり。①2019年は、EU全体で実施された気候政策が功を奏し、EU27か国のGHG排出量は約4%も減少するという過去10年で最大の削減幅を記録し、対1990年代実績比で24%の減少となって、2020年までに20%減少という目標を達成した。②発電分野における迅速な脱炭素化は、ETSの対象分野における大規模で持続的なCO₂排出量の削減を牽引している一方で、交通/建築/農業分野のCO₂排出削減量は、加盟国毎の目標である「努力の分担(Effort Sharing)」は達成しているが、EUレベルでは全体的に目標以上の削減率が少なくなってきている。2019年は、加盟国のうち12か国が各国の年間削減目標を上回るCO₂を排出した。③2019年は、EU27か国における再生可能エネルギーのシェアが19.4%に到達し、2020年までに20%以上にする目標は軌道に乗っているが、交通部門の再生エネルギー化率が目標の10%に達していないのが課題である。④2019年のEU27か国のエネルギー消費量は横ばいだったが、国別のエネルギー削減目標を達成できたのは9か国だけで、他の諸国は国のエネルギー消費量の削減にさらに取り組む必要がある。
      • 原文 November 30, 2020, EEA(植木エミリ)
    • 【4】 IRENA: 「転換期における冷暖房に関する再生化可能エネルギー政策」
      • 国際再生可能エネルギー機関(IRENA)/国際エネルギー機関/ 21世紀のための再生可能エネルギーネットワークが共同で、再生可能冷房の長所・投資の障害・普及促進についての政策について検討した標記報告書を発表したところその概要は以下のとおり。①世界の最終エネルギー消費量の約半分は、冷暖房に使用されるエネルギーが占めているが、エネルギー源の大部分は化石燃料か非効率で持続不可能なバイオマスが使用されている。②この結果、冷暖房は世界全体でエネルギー分野のCO₂排出量の4割以上の排出源となっている。③冷房用のエネルギー需要は、温暖化が進み、熱波の発生件数・規模の拡大によって1990年以来既に3倍以上になっており、冷房や冷蔵装置の供給は世界的に急務である。④冷暖房のエネルギーの再生可能エネルギーへの転換について、国家目標を立てているのはEU諸国を中心にわずか49ヵ国のみであるが、化石燃料への依存から脱却するために、早急に野心的で包括的な政策体系に取り組むことが必要である。⑤持続可能な冷暖房への転換は、離島・アフリカ・アジア等の一部の後発開発途上国で、環境に優しく、手頃で信頼性の高い冷暖房サービスを利用可能にすると共に、新規雇用の創出や、地域経済を活性化し、人々の生活を向上させ、各国のエネルギー安全保障とエネルギー源を他国に依存しない独立性を強化することが可能となる。
      • 原文 November 30, 2020, IRENA(植木エミリ)
    • 【5】 現在建造中の船舶の27%が代替燃料を使用
      • Clarkson Research Servicesによれば、トン数ベースで既存の船舶の3.5%、建造中の船舶の27%が代替燃料を使用していることが分かったが、現段階ではLNGが最も人気のある代替燃料で、ついでLPGが使用されているが、その他の新たな代替燃料を使用する船舶も増えており、例えば13隻のエタン燃料船が建造中である。これを受けて、現在世界の124の港湾でLNG燃料の供給を受ける事が可能で、2022年までにはさらに170港まで増加し、LNG補給船の船腹量も今後2年間で倍増する見込み。
      • 原文 November 30, 2020, Splash 247(長谷部正道)
    • 【6】 ICCT: スクラバー搭載船からの大気・海洋汚染
      • クリーンな交通に関する国際評議会(ICCT)は、各国政府に対し引き続き領海内におけるスクラバー洗浄水排水の制限/禁止を実施し、IMOに対しては、新造船に対するスクラバー搭載の禁止等を勧告しているところ、根拠となる調査結果の概要は以下のとおり。大気汚染については、スクラバーを装備して硫黄含有分2.6%の重油燃料(HFO)を使用している船舶と、硫黄含有分0.07%の舶用ガスオイル(MGO)を使用している船舶の排気を比較分析すると、①SO₂濃度については、スクラバー搭載船の方が平均31%低かった。②微小粒子状物質については、スクラバー搭載船の方が70%多かった。③黒色炭素については、中速ディーゼル機関の場合、スクラバー搭載船の方が81%多く、低速ディーゼル機関の場合、スクラバー搭載船の方が4.5倍以上多かった。④CO₂については、燃料生産時の排出量はMGOの方がHFOより多いものの、スクラバー搭載船は、スクラバーを稼働させるための余分な燃料を必要とするため、ライフサイクル全体で比べた場合、スクラバー搭載船の方が1.1%多かった。排水については、①IMOのスクラバー排水ガイドラインに準拠したとしても、開放型スクラバーだけでなく、ハイブリッドや閉鎖型も含めすべてのスクラバーが、海水より酸性度が高く濁った排水を排出するので、海洋の酸性化と汚染の原因となる。②全てのスクラバー排水には、硝酸塩・多環芳香族炭化水素(PAHs)・重金属が含まれているので、海洋環境およびその食物連鎖を通して集積すると、水質や海洋生物に悪影響を及ぼす。③PAHsと重金属は絶滅危惧種のシャチやシロイルカなどの海洋性哺乳類の癌や不妊症の原因となっている。
      • 原文 November 24, 2020, ICCT(長谷部正道)
    • 【7】 PfizerとBioNTechが共同開発したワクチンの使用が承認される
      • PfizerとBioNTechが共同開発し95%の有効性を確認したとしているコロナウィルスのワクチンについて、承認のための審査を行っていた英国の医薬品・医療製品規制庁(MHRA)は同ワクチンの安全性が確認されたことを発表した。英国政府はこのワクチンを既に2千万人分発注済みで、第一弾として80万回分を近日中に入手できるとしており、先ずは来週から介護施設に入所する高齢者、介護施設の職員、80歳以上の高齢者などを対象に接種を開始するとしている。英保健相は、12月中にさらに数百万回分のワクチンを入手できるが、多くの人が接種を受けることができる体制が整うのは年明け以降になるとの見通しを示している。現在MHRAは、オックスフォード大学とAstraZenecaが共同開発したワクチンについても承認のための審査を行っている。

        ※12/1の英国の感染者数:13,430人(日本1,439人の9.3倍、緊急事態解除基準47人の286倍)
        ※12/1の英国の死者数:603人(日本20人の30倍)
        日本の緊急事態解除基準(直近1週間の新規感染者数の合計が人口10万人当たり0.5人以下)を英国(人口約6644万人)に適用した場合、1週間当たりの新規感染者数は332人、1日当たり約47人となる。
      • 原文 December 2, 2020, BBC (若林健一)
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