2020/11/27LROニュース(7)

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  • 2020.11.27 UP
    2020/11/27LROニュース(7)
    • 【1】 インドネシア海軍が戦闘団の本部をナトゥーナ諸島に移動
      • 【1】インドネシア海軍は、中国やベトナムの漁船が自国の水域へ侵入する状況を踏まえ、首都ジャカルタにあるGuspurla戦闘団の本部を南シナ海のナトゥーナ諸島に移転することを11月23日に公表した。同戦闘団はナトゥーナ諸島を含む海域における主権の行使を担っており、本部を移転することでより効果的な対応が可能になるとしている。インドネシア海軍は移転の具体的な時期は明らかにしていないが、移転は恒久的であるとしている。インドネシアは自国を南シナ海を巡る争いの当事国とは考えていないが、中国が主張する海域はインドネシアの排他的経済水域(EEZ)と重なっており、9月にはナトゥーナ諸島沖のEEZ内に中国の巡視船が侵入していることが確認され、また、今年初頭には同海域に侵入した中国の漁船や巡視船を追い払うために戦闘機や艦船を派遣している。インドネシアは今年5月26日に国連事務総長に宛てた外交文書の中で、中国が南シナ海において主張する九段線を否定し、その後中国からの交渉の誘いも拒絶している。また、インドネシアはベトナムとも南シナ海におけるEEZを巡り交渉を続けているが、両国とも漁業権を維持したいという理由から合意に至っていない。
      • 原文 November 24, 2020, Asia Pacific News(若林健一)
    • 【2】 WMO: Greenhouse Gas Bulletinを発表
      • 【2】世界気象機関(WMO)が11月23日標記報告書を発表したところその概要は以下のとおり。①1990年以降、大気中のCO₂濃度は45%増加し、2015年には400ppmの大台を超え、わずか4年後の2019年には、産業革命以前のレベルから148%増となる約410.5ppmとなった。②大気中のCO₂濃度が現在と同じ水準だったのは300万年から500万年前で、地球の気温は現在より2℃から3℃高く、海面も10mから20m高かった。③2020年は、ロックダウンが最も集中して行われた期間中、CO₂排出量が世界全体で最大17%減少し、年間のCO₂排出量は、暫定的な試算では4.2-7.5%減少すると見込まれている。④しかし、こうしたCO₂の排出削減量がCO₂濃度へ与える影響はわずかで、大気中のCO₂濃度は0.08-0.23ppm減少するものの2020年も引き続き上昇する。⑤この減少量は、年間の自然な変動範囲とみなせる1ppmの範囲内であり、短期的な政策の影響は、炭素循環や炭素吸収源等による自然な推移と大差なかった。⑥過去10年間に放出されたCO₂の約44%は大気中に残存し、23%が海洋、29%が地表の土壌に吸収された。
      • 原文 November 23, 2020, WMO(植木エミリ)
    • 【3】 バイデン政権が気候変動問題に取り組む法的根拠となりうる法令
      • 【3】(論説)バイデン候補は気候変動政策によって多くの若者から得票したが、上院において共和党が過半数を維持し、バイデン政権による気候変動政策に立ちはだかった場合、バイデン政権が気候変動対策を進める根拠として利用できるのが、2010年のDodd-Frank Wall Street改革消費者保護法である。同法は消費者金融保護局や金融上の不適切な行為から国民を保護するための安全担保措置を創設するとともに、財務省・連邦準備制度理事会・証券取引委員会に金融の安定性を維持するために、制度上のリスクを抑制する権限を与えている。化石燃料に無責任に投資することは、2008年の金融危機の再発を防ぐためにDodd-Frank法が禁止しようとした「投機的活動」そのものであり、気候変動関連リスクは、数ある制度的なリスクの中で最大のリスクと位置付けることが可能である。従って、同法はバイデン政権が、2035年までに発電事業の脱炭素化を達成するために、化石燃料への投資を禁止するための重要な法的根拠となる。
      • 原文 November 23, 2020, Green Tech Media(長谷部正道)
    • 【4】 USCG: サイバーリスク管理に関するPSCを強化
      • 【4】2017年6月のMSC 98において、各国の検査当局は、2021年1月1日以降初めて実施する海運会社の適合証書の年次検査において、サイバーリスクが適切に安全管理システム(SMS)の中で位置づけられているか検証することを奨励する決議(MSC 428(98))を採択した。これを受けて、USCGは10月27日、海事検査官とPSC検査官に対し、サイバーリスクに関しどのようにSMSを評価し、違反事例が見つかった場合どのように対処するかについてWork Instruction (CVC-WI-027(1))を発出し、米国の港湾に寄港する全ての米国籍船と外国籍船を運航する船社に対して、サイバーリスク管理について適切にSMSの中で位置づけることを要求し、2021年1月1日以降実施するPSCの検査事項として確認することを指示した。検査の結果、SMSにおいて適正にサイバーセキュリティ管理がされていないという客観的な証拠が発見された場合の、是正措置の詳細については以下のWork Instructionを参照。
      • 原文 October 27, 2020, USCG(長谷部正道)
    • 【5】 EUのGHG55%削減案が12月の首脳会合で承認へ
      • 【5】現在のEUのGHG削減目標は、対1990年実績比で2030年までに40%の削減で、CO₂を多く排出する中国や米国と比べて既に高い目標となっているが、欧州委員会は2050年までの炭素中立実現のため、削減率を55%に引き上げることを提案している。12月10日から開催されるEU首脳会合に提出される案の中では、この新たなCO₂排出削減目標は、EU加盟国が「全体として」達成するとものとしており、チェコのように、55%削減が国ごとに義務付けられるのであれば支持できないことを表明しているチェコのような国も受け入れられる案となっている。さらに合意案では、それぞれに異なる各国の情勢を反映し、排出権取引制度を改正して捻出する新たな財源を利用して、経済的に貧しい加盟国がよりクリーンなエネルギーに投資するのを支援する。石炭に依存しているポーランドは、より野心的な目標に合意する前に、目標の引き上げによる経済効果を分析する必要があると主張している。
      • 原文 November 25, 2020, Reuters(植木エミリ)
    • 【6】 ITF: Navigating Towards Cleaner Maritime Shipping
      • 【6】OECDの国際交通フォーラム(ITF)が、北欧地域の事例を基に、標記報告書を発表したところ報告書の中の勧告の部分の概要は以下のとおり。①ノルウェー・デンマークが他の諸国とともに、MEPCに提案したとおり、新造船と既存船のエネルギー効率の向上により、輸送単位当たりのCO₂排出量を対2008年実績比で、2030年までに40%以上削減するというIMOの目標を実現できる。②公的予算を利用して、港湾におけるタグボートや砕氷船など港湾でサービスを提供する船舶の電動化を進めるとともに、陸上電源の供給に関する基準の設定などに取り組むべきである。③船舶燃料の評価の基準として、燃料使用時ばかりでなく、燃料製造/輸送時も含むlifecycle全体としてのGHG排出量を基準として採用すべき。(特にLNGについては、使用時のGHG削減は期待できるものの、生産・輸送時において大量のGHGを排出する。)④炭素課税・環境性能の良い船舶に対する港湾使用料の減免・船舶に陸上から電力を供給する際の免税措置など、船舶の脱炭素化のために税制等のインセンティブを活用する一方で、化石燃料を使用し続ける活動については、支援措置の撤廃を図る。⑤IMOにおいて、排出権取引制度などの市場メカニズムに従った施策についてさらに議論を進める。⑥アンモニア・液体水素・次世代型バイオ燃料の試験事業を進め、対応する安全基準の策定を進める。
      • 原文 November 25, 2020, International Transport Forum(長谷部正道)
    • 【7】 英国政府が全国的なロックダウン解除後の各地域の警戒レベルを発表
      • 【7】英国政府は現在イングランドで実施している全国的なロックダウンを12月2日で解除し、その後は3段階の警戒レベルに応じて地域ごとに対策を実施することとしている。これに関して、11月26日に政府はロックダウン解除後の各地域の警戒レベルを公表したが、事前の予測どおり多くの地域が最も高い警戒レベル(Tier3)又は次に高い警戒レベル(Tier2)に分類され、最も低い警戒レベル(Tier1)に分類されたのはわずか3地域のみであった。首都ロンドンやリバプールなどがTier2に分類され、マンチェスターやニューキャッスルなどがTier3に分類されている。一度に集まれる人の数が最大6人に制限されるのは全ての地域で共通であるが、Tier2に分類された地域では同居しない人と屋内で会うことが禁止され、さらにTier3に分類された地域では同居しない人と会える場所が公園など限られた場所に制限されるほか、パブやレストランは持ち帰り又は配達営業のみとなり、他の地域との往来の自粛も求められる。

        ※11/25の英国の感染者数:18,213人(日本1,228人の15倍、緊急事態解除基準47人の388倍)
        ※11/25の英国の死者数:696人(日本12人の58倍)
        日本の緊急事態解除基準(直近1週間の新規感染者数の合計が人口10万人当たり0.5人以下)を英国(人口約6644万人)に適用した場合、1週間当たりの新規感染者数は332人、1日当たり約47人となる。
      • 原文 November 26, 2020, BBC (若林健一)
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