2020/11/09LROニュース(8)

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  • 2020.11.09 UP
    2020/11/09LROニュース(8)
    • 【1】 2020年における世界のエネルギー関連のCO₂排出量は前年比7-8%減少
      • 【1】コンサルタント企業のCapgemini社が11月3日に発表した「世界エネルギー市場観測」は、輸送部門や重工業における石油ガス需要の減少により、2020年における世界のエネルギー部門から排出されるCO₂の量は、対前年比で7-8%の減少となる見込みだが、コロナ後に移動制限が緩和され、各国政府が経済成長とエネルギー使用の相関性の分断に失敗すれば、エネルギー関連のCO₂排出量は再度増加すると予想している。同報告書では、エネルギー分野の炭素中立のためにいくつもの政策提言をしているが、例えば、排出権の価格について、2018年6月から2019年6月までの平均排出権取引価格はトン当たり27ユーロであった一方で、2050年までの炭素中立を実現するためには、環境団体が主張するように2030年までに排出権取引価格をトン当たり50ユーロ(約6100円)まで引き上げるなど排出権価格の適正化が必要としている。報告書では、ほとんどの国が再生可能エネルギーによって発電された電力の蓄積や電力網の改善に十分な投資をせずに、電力供給に関し、性急に再生可能エネルギーへの依存を高める一方、化石燃料発電の廃止を進めるのは、エネルギー安全保障や電力網の信頼性の観点から懸念があると指摘している。
      • 原文 November 5, 2020, Euractiv(長谷部正道)
    • 【2】 ICS: 船舶のエネルギー運航効率指標の公表をIMOに求める
      • 【2】IMOの船舶情報収集システムは、2018年から運用が開始されたが、個々の船舶名が特定されないように匿名化されたうえで、情報はMARPOL条約Annex VIの加盟国にのみ開放され、用船者(荷主)は閲覧できないと決定された。この決定がされた際に、荷主側は、船名も含め情報が公開されれば、荷主は運航効率の良い船舶を選択することが可能となるだけでなく、用船契約を獲得したい船主が船舶のCO₂排出量を減少させる動機付けにもなると主張していた。MEPC 75の開催を前に、国際海運会議所の報道担当者は、海運業界として、5000トン以上の船舶に対する船舶運航効率指標について、荷主を含めた一般に広く公開すると発言した。しかし、MEPC 75においては、依然としていくつかの国が個別の船舶について船舶運航効率指標を公開することに反対することが予想されるとともに、IMOの報道担当者も、10月のGHG削減中間作業部会の合意内容の中には、個別の船舶の運航効率指標の公開をIMOに求める規定はなく、IMOのGISISシステム上に各船舶の運航効率指標を表示するためには、加盟国からの正式な要請に加え、運航効率指標に関する情報をIMOに報告することを義務付ける新たな規定が必要であると慎重なコメントをしている。
      • 原文 November 4, 2020, Splash 247(長谷部正道)
    • 【3】 比が南シナ海における石油資源開発を中国抜きで承認へ
      • 【3】比大統領は今年10月に6年間にわたって禁止してきた南シナ海における石油資源開発を再開させることを発表したが、これに関して比エネルギー相は11月4日、南シナ海のリード礁において資源開発の権利を有し中国の石油開発企業CNOOCと同区域の共同開発につて協議中であるPXP Energy Corp.について、CNOOCとの連携なしに単独で事業を再開することができると発言し、PXP Energy Corp.側もすでに比エネルギー省に対して準備作業計画を提出していることを認めた。最近になって比大統領は中国に対する態度を硬化させ、南シナ海における中国の行動に対して批判を強める米国寄りの姿勢を見せているが、ベトナムやマレーシアとの争いで見られるように、中国は南シナ海における新たな資源開発を阻止する動きに出ると見られる。
      • 原文 November 4, 2020, gCaptain(若林健一)
    • 【4】 砕氷船の伴走なしで北極海北航路の通年運航が可能な次世代LNGタンカー
      • 【4】フィンランドの砕氷船設計会社のAker Arctic社は、砕氷LNGタンカーの建造実績を持つ大宇海洋造船とともに、ノヴァテクの北極第2LNG事業向けに、第一世代より砕氷能力が高い次世代Arc 7船級のLNGタンカーを、露国営の石油・LNG輸送専門海運会社であるソブコムフロトと商船三井向けにそれぞれ3隻建造すると、10月29日発表した。次世代砕氷船の機関出力は初代に比べて、6MW増加して51MWとなり、ロシアの最新原子力砕氷船の機関出力60MWと同じ水準になるため、冬季の海氷の条件が厳しい東シベリア海も含め、北極海北航路を砕氷船の伴走なしに、通年単独運航することを想定している。露では現在の最大の原子力砕氷船LK60の2倍以上の能力があるLK100砕氷船の建造を開始しているが、もし次世代砕氷LNGタンカーが設計とおり、東シベリア海の冬季単独航海を可能とすれば、今後新型原子力砕氷船の必要性が問われることになろう。
      • 原文 October 29, 2020, High North News(長谷部正道)
    • 【5】 世界の風力発電能力は2024年までに1000GWに到達
      • 【5】世界風力会議(GWEC)が11月5日に発表したOutlook報告書によると、2021年は世界中で新たに78GWの風力発電能力が追加される記録的な年となり、パンデミックの影響によって事業計画のいくつかは遅延するものの、今後5年間で世界の風力発電は大きく成長すると見込まれている。2024年末までに、陸上風力および洋上風力の発電能力は348GW追加され、世界の総風力発電能力は約1,000GWに到達する。また2024年までに追加される陸上風力の発電能力は、助成金の期限内に間に合わせるための建設ラッシュにより、総量の半分以上を中国と米国が占めるとされている。風力発電のコストは過去数年間で急速に低下しており、今後も下がり続けると見込まれ、また各国政府はCO₂排出量を削減するよう圧力をかけられていることから、化石燃料から風力のような再生可能エネルギーへの投資が促進されている。
      • 原文 November 5, 2020, Reuters(植木エミリ)
    • 【6】 世界観光機関とIMOがクルーズ船の安全な運航再開のための共同宣言を発出
      • 【6】クルーズ業界は世界で120万人を雇用し、毎年1500億ドル(約15.5兆円)の経済的な貢献をしており、なかでも小島嶼国に多くの経済的恩恵をもたらしている。世界観光機関とIMOは各国政府に対し、EUが作成した「段階的かつ安全なクルーズ船の運航再開に関するガイダンス」と英国船主協会がクルーズ船国際協会と協力して作成した、運航船社・旅客・乗組員用の3つの枠組み文書を活用することを勧奨する。クルーズ船は船舶の自動相互救助制度(AMBER)にも加入しており、実際に救難調整センター(ROC)から救助が必要な船舶に対する救難を求められることもあることから、クルーズ船運航の再開はクルーズ業界ばかりではなく、海事社会全体にとってメリットとなる。
      • 原文 November 5, 2020, UN WTO(長谷部正道)
    • 【7】 MEPC 75の会議進行に関する訂正(Circular Letter No. 3985/Rev.1/Corr.1)
      • 【7】MEPC 75は11月16日から20日まで、11時から14時(GMT)の間、途中に15分の休息を挟み、条約改正に関するDrafting Groupは17日と18日、11時から14時(GMT)の間、途中に15分の休息を挟み、開催されることが発表された。
      • 原文
    • 【8】 ジョンソン首相が国民に対し外出を控えるよう要請
      • 【8】イングランドが2回目の全国的なロックダウンに突入した11月5日、ロンドン市内ではロックダウンの実施に反対する市民が抗議集会を行い、ロンドン警視庁は190人を逮捕者したと発表した。ジョンソン首相は記者会見で、今回の4週間にわたるロックダウンは学校や職場は閉鎖しないなど3月に実施したものとは異なる点を強調し、また、国民が規則を遵守すれば感染拡大の防止に効果を上げ12月2日には自動的に効力を失うと述べたうえで、改めて国民に対して不要不急の外出を控えるよう呼びかけた。

        ※11/5の英国の感染者数:24,141人(日本872人の29倍、緊急事態解除基準47人の536倍)
        ※11/5の英国の死者数:378人(日本6人の82倍)
        日本の緊急事態解除基準(直近1週間の新規感染者数の合計が人口10万人当たり0.5人以下)を英国(人口約6644万人)に適用した場合、1週間当たりの新規感染者数は332人、1日当たり約47人となる。
      • 原文 November 5, 2020, BBC (若林健一)
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