2020/11/06LROニュース(8)

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  • 2020.11.06 UP
    2020/11/06LROニュース(8)
    • 【1】 上海港における中国人/外国人船員の交代と傷病船員の取り扱いについて
      • 上海港を含む中国の10港湾において外国人船員の交代が再開されると既に発表されているが、上海市当局が標記について、詳しい条件等を発表したところ詳しくは下記リンク参照。外国人船員の交代が認められる主たる要件としては、①雇用契約が切れ、または人道上の理由から帰国が必要な船員であること。②上海で交替する船員を乗せた船舶は、入港前14日間に海外の港湾に寄港せず、かつ船員交代も実施していないこと。③船社は上海市の感染防止当局の事前承認を受け、帰国のための航空便の予約をし、下船した船員を空港まで直送する専用車両を用意すること。④船社は、当該船員が一日に2回検温し、健康に関する記録を取り、当該記録を船長が承認するよう指示し、入港48時間前に上海市の海事・港湾当局に当該記録を提出すること。⑤入港後、税関検疫手続きを経て、PCR検査の結果が陰性と判明したら、船員の入国と下船を管理する国境検査局に連絡すること。
      • 原文 October 30, 2020, UK P&I(長谷部正道)
    • 【2】 米国は世界最大のプラスチックごみ排出国
      • 10月30日にScience Advance誌に発表された研究の概要は以下のとおり。①プラスチックごみは、環境や生態系に悪影響を及ぼしているが、2010年に海洋に流出したプラスチックごみの量は世界全体で500万から1300万Mtと推定されており、十分な廃棄物処理施設を持たない開発途上国だけでなく、大量のごみを出す先進国からも排出されている。②2016年、米国は世界最多となる42Mtのプラスチックごみを排出したが、そのうち0.14から0.41Mtは米国内で不法投棄され、0.15から0.99Mtは、リサイクルのために米国から輸入されたものの、輸入先の国で適切に処理されていなかった。③この結果、米国で発生し、海洋に流出したプラスチックごみの量は、2010年から2016年にかけて最大5倍に急増し、米国は世界最大の海洋プラスチックごみ排出国となった。
      • 原文 October 30, 2020, Science Advances(植木エミリ)
    • 【3】 米国防高等研究計画局:無人海上艇の航続距離を延ばすSea Train計画
      • 米国防高等研究計画局(DARPA)は、無人海上艇の航続距離を14,000海里まで延ばすためのSea Train計画を進めている。Sea Train計画は、4隻の無人海上艇を連結して船団を組むことで造波抵抗を抑えて航続距離を延ばす方法を研究するもので、先頭の艇が波を切ることにより後続の艇にはほぼ造波抵抗が生じず、結果として1隻で航行している場合とほぼ同じ造波抵抗のみを受けて航行することが可能になるとしている。DARPAと契約を締結したApplied Physical Sciences Corp.が約18カ月を予定しているSea Train計画の第一段階に臨んでおり、また、他にも2社が異なるアプローチで研究を進めている。米海軍は無人海上艇の技術への投資に力を入れ、米国防長官も無人海上艇も含めて500隻以上の艦船を保有する必要があるとしているが、Sea Train計画の責任者は、米海軍が中型無人海上艇の航続距離の要件を3,500海里に設定している点について、インド太平洋において航行させることを想定すれば補給なしでは活動が難しく、仮に100隻や150隻といった規模で展開させた場合には燃料補給の確保が大きな問題となると指摘している。
      • 原文 November 2, 2020, USNI News(若林健一)
    • 【4】 米国のパリ協定からの脱退と今後の展開
      • 世界第2位のCO₂排出国である米国は、2017年6月にパリ協定からの脱退を表明したが、この決定はトランプ政権がオバマ政権下で確立された連邦環境政策を制度的に後退させるための最初の第一歩であり、その後、大気汚染/排ガス/石油・ガス掘削に関する規制が次々と緩和・撤廃された。トランプ大統領は、再選のための選挙運動においても、化石燃料や化石燃料生産企業について、エネルギー安全保障や国民の生活水準の維持の観点から、好ましいと表明しており、米国はパリ協定の策定に主導的な役割を果たしながら、11月4日で正式にパリ協定から脱退した。一方世界最大のCO₂排出国である中国は、9月に2060年までの炭素中立実現を宣言し、欧州も2019年12月に発表した欧州Green Dealにおいて、2050年までの炭素中立を目指すことを宣言し、既にGHG排出量を1990年代実績比で24%削減している。10月には日本・韓国もこれに続き、ポーランドを除くEU諸国を含め、世界60か国以上が今世紀半ばまでの炭素中立実現に向けて取り組んでいる。米国が抜けた後、中国の影響力が強まる恐れがあるが、中国もEUもかつての米国と同じような指導力を発揮するのは難しい。
      • 原文 November 4, 2020, Nature(植木エミリ)
    • 【5】 ICS: ISWG GHG減削合意案に対する批判への反論
      • 国際海運会議所(ICS)のTechnical Directorが専門誌のインタビューに答えるという形で表記批判に対して反論しているところその概要は以下のとおり。①仮に、IMOにおける国際的に統一した規制ができなかった場合、EUをはじめとする地域的な規制によって対応することにより、海運会社はより多くのコストを負担し、地域によって異なる複雑な規制に対応しなくてはいけない。②環境意識が高い消費者等の関心にこたえようと環境・社会・ガバナンス(ESG)を尊重する船主・荷主・金融機関は、国際的な規制によって縛られない低コストでCO₂を多く排出する船舶を利用する競争者と市場で競争しなくてはならず、ESGの尊重は容易なことではない。③国際的な規制が無ければ、今回の合意案ではスクラップしなくてはならない老朽船についても、地域的な枠組みの外で、運航を続けることが可能となる。④EEXIについては、船齢が10年以上のEEDI制度が導入される前の既存船にとっては、技術的な効率を15%以上向上させることは容易なことではなく、老朽船のスクラップが進み、このことにより船腹の需給バランスが改善し、運賃水準も上がる。
      • 原文 October 27, 2020, Freight Waves(長谷部正道)
    • 【6】 中国:海上交通安全法の大改正の概要
      • 標記改正の概要は以下のとおり。①現行法の適用範囲は、内水と領海に限定されているが、新法では適用範囲が、接続水域・EEZ・大陸棚にも拡大される(第2条)。②現行法では、認証検査機関による有効な検査証書が必要とされる対象は船舶と舶用品に限定されているが、新法では洋上構造物・コンテナに加え、海事当局が海上交通の安全性に関連すると認定する全ての装備等について検査証書が要求される(第7条)。③船舶の所有者・運航者・管理者は、船舶の安全性と環境汚染防止のための管理制度を創設し、海事当局から管理制度適合証書と安全管理証書の交付を受けなくてはならない(第11条)。④船舶の所有者・運航者・管理者は船舶に必要な保安設備を設置するとともに、船舶保安計画を作成し、保安適合証書の交付を受け、定期的に保安訓練を実施しなくてはならない(第12条)。⑤外国政府が発行した船員資格証明書を保有する船員が中国籍船に乗務するにあたっては、中国海事当局から当該資格証明書の認証を受けなければならない(第13条)。
      • 原文 October 30, 2020, Reed Smith(長谷部正道)
    • 【7】 IMOと世界観光機関がクルーズ船運航の安全な再開について共同声明:Circular Letter No 4204/ Add. 33, 5 November 2020
    • 【8】 イングランドが11月5日から全国的なロックダウンに突入
      • ジョンソン首相が10月31日に発表した全国的なロックダウンの実施案は、11月4日に議会で投票にかけられ賛成多数で承認された。これによりイングランドは翌5日から2度目となる全国的なロックダウンに突入した。11月4日、国内のコロナウィルスによる一日当たりの死者数が5月中旬以降で最多となる492人に達するなか、生活必需品を扱わない店舗が閉店となることを受け、ロンドン市内ではクリスマス関連商品などを買い求める人が多く見受けられた。また、パブやレストランも閉店となることから、多くの人が飲食店の前に列を成し、ロンドン一の繁華街であるソーホー地区の通りは屋外に設けられた席で飲食を楽しむ客などで溢れかえった。さらに、移動が制限される前に街を離れようとする人々もおり多くの場所で渋滞の発生が報告された。

        ※11/4の英国の感染者数:25,177人(日本872人の29倍、緊急事態解除基準47人の536倍)
        ※11/4の英国の死者数:492人(日本6人の82倍)
        日本の緊急事態解除基準(直近1週間の新規感染者数の合計が人口10万人当たり0.5人以下)を英国(人口約6644万人)に適用した場合、1週間当たりの新規感染者数は332人、1日当たり約47人となる。
      • 原文 November 5, 2020, BBC (若林健一)
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