2020/11/05LROニュース(8)

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  • 2020.11.05 UP
    2020/11/05LROニュース(8)
    • 【1】 中国:排出権取引制度に違反した企業に最大で3万元の罰金刑
      • 【1】中国政府は、何年にも渡って独自の炭素排出権取引市場の創設の準備を進めており、世界の化石燃料由来のCO₂総排出量の約14%を占める電力業界に最初に適用する予定で、これまでいくつかの地域で試験事業を実施してきた。同制度の主管省である生態環境部は、関係各所に送付した同制度の骨格についての協議書の中で、企業がCO₂排出量をカバーする十分な排出権を購入しなかった場合、最大3万元(約47万円)の罰金刑と、次年度以降の排出枠を削減することを提案した。欧州の場合、排出権でカバーされないCO₂の排出に対しては、1Mtあたり100ユーロ(約1.2万円)罰金が科されるので、中国の罰金額は欧州に比べてかなり軽微と言える。協議書には他に、特定の産業において、年間2.6万トン以上CO₂を排出する大企業はこの排出権取引制度に入ることを義務付けることや、過去のCO₂排出実績に応じて一定数無料の排出枠が付与され、超過分は追加で排出枠を購入する必要があることなどが規定されている。
      • 原文 November 2, 2020, Yahoo Finance(植木エミリ)
    • 【2】 気温が2℃上昇すると世界の土壌から多くのCO₂が放出
      • 【2】世界の土壌中には、大気中に含まれるCO₂の2倍から3倍の炭素が含まれているが、エクセター大学の研究者達がNature Communicationに発表した国際研究によれば、地球の気温がパリ協定が目標上限としている2℃上昇すると、土壌に含まれる有機物質の分解が促進され、過去100年間に中国から排出されたCO₂総量の4倍に相当する2300億トンのCO₂が全世界の土壌から放出されることにより、気温上昇が促進され、更に土壌からのCO₂放出量が増える悪循環が成立することが分かった。
      • 原文 November 2, 2020, Independent(長谷部正道)
    • 【3】 Clean Arctic Alliance: MEPC 75に対する考え方
      • 【3】21の国際的な環境NGOから構成されるClean Arctic Alliance (CAA)が標記考えを明らかにしたところその概要は以下のとおり。①北極海における重油の輸送/使用禁止に関する現在のMARPOLの改正案では、免除・適用除外規定により、北極海で重油燃料を使用する船舶の74%が2029年半ばまで引き続き重油燃料を使用することが可能で、その結果、2024年に改正が発効する時点で、輸送量の30%、使用量の16%しか禁止の対象とならず、2024年以降も北極海における重油の輸送/使用量が増え続ける見込みである。②さらに、現在の改正案は船舶の旗国によって柔軟な運用が認められているため、北極海の公海上の規制に比べて、北極海沿岸国の領海・EEZ内において緩い環境規制を実施することが可能となっており、北極海において異なる環境規制が適用されることとなる。特定の沿岸国で緩い規制が行われることにより、重油油濁汚染のリスクが高まり、近隣国への環境汚染波及のリスクも高まることなる。③以上のことから加盟国に対し、現在の改正案の再検討を求める。④黒煙の排出規制問題については、MEPC 75では取り上げられない可能性が高いが、IMOにおいて本件の議論が決着するまでの間の暫定措置に関する勧告を含む黒煙排出規制に関する決議の採択を求める。
      • 原文 November 2, 2020, Clean Arctic Alliance(長谷部正道)
    • 【4】 北極海がいまだ凍結しない3つの理由
      • 【4】米国雪氷センターの所長が標記について解説しているところその概要は以下のとおり。①6月にシベリアで発生した熱波により、ロシアのベルホヤンスクで北極圏の気温としては史上最高となる38℃以上が記録され、北極圏全体でも1979年の衛星観測開始以降最も暑い夏となった。その結果北極海の海氷の大部分が融解し、7月中旬には北極海北航路が海氷のない状態となった。②大西洋から流れ込む、暖かく塩分濃度の高い海流は通常塩分濃度の低い北極海の海水の下に潜り込むが、今年の夏は北極海の表面まで上昇し、海氷を下側から融解させた。こうした現象を北極海の大西洋化と呼ぶが、今後この傾向は更に続くと考えられる。③以上の現象の根幹にあるのが、世界的な気温の上昇であり、この結果何十年にも渡って北極海の海氷面積と厚さは減少してきており、今年の9月に記録した年間最小海氷面積は、2012年に次いで史上2番目に小さいものとなった。このまま海氷面積が減り続けると、北極海の表面から更なる太陽エネルギーが吸収され、北極海の海水温が上昇し、海洋の循環・天候パターン・食物連鎖全体に及ぶ北極圏の生態系に大きな影響を及ぼす可能性がある。
      • 原文 October 28, 2020, The Conversation(植木エミリ)
    • 【5】 日米豪印海軍合同演習Malabar 2020と中国の対応
      • 【5】日・米・豪・印の4カ国による海軍合同演習「マラバール演習」がベンガル湾で始まった。マラバール演習は1992年に実施されて以降今回で24回目を数え、豪の参加は2007年以来となる。今回の演習では各国部隊間での相互運用性を高めることを目的とした様々な戦術的訓練が実施される予定で、米駆逐艦ジョン・S・マケインの司令官は、自由で開かれたインド太平洋に対する如何なる挑戦も阻止するために地域の安全保障と安定を図る共同アプローチがかつてない程に重要性を増していると述べた。これに対しGlobal Times紙は、今回の演習は中国を追いつめるための悪意を持った試みであり単なるこけおどしに過ぎないとして、中国はインドによる不合理や米国による干渉に邪魔されることはないと報じている。また、上海社会科学院の専門家は、今回の演習は豪が参加したことで前回の演習の規模を上回るが、あくまで例年実施している演習であり中国が脅威に感じることはないと述べている。
      • 原文 November 4, 2020, Asia Times(若林健一)
    • 【6】 INTERCARGO:用船期間中の船員交代を拒否する用船者に対して抗議
      • 【6】INTERCARGOが標記抗議声明を発表したところその概要は以下のとおり。①船主が船員交代に必要なコストを負担する用意があるにも関わらず、用船期間中の船員交代を拒否する用船者の事例が確認されている。②こうした用船者は、関連する国際規則や用船契約を無視し、ある東南アジアの国で船員交代を行うドライバルク船は、船員交代実施後14日間はコロナウィルスに汚染されているものとみなしている。③このような無慈悲なドライバルク船の用船者の行動は、パンデミック期間中に長期間勤務した船員に休息を与え、船舶の安全運航を確保しようとする海運業界全体の努力を無視するものである。④このような無慈悲な用船者の行動は、一義的にドライバルクの分野で見られ、定期用船契約上の用船者の義務を無視する乾貨物の荷主がいるのは残念である。
      • 原文 November 2, 2020, INTERCARGO(長谷部正道)
    • 【7】 オニール元IMO事務局長(1990-2004)が死去: Circular Letter No 4332
    • 【8】 北部の都市リバプールで全市民を対象とした検査を試行
      • 【8】英国政府は、現在コロナウィルスの感染率が最も高い都市の一つである北部リバプールにおいて、コロナウィルスに感染した場合の症状の有無にかかわらず、すべての住民や労働者を対象に約2週間に一度の定期的な検査を実施する試みを今週から開始する。今回の試みは、無症状の感染者を含めて可能な限り多くの感染者を把握することにより感染の連鎖を断ち切ることを目的としており、政府は効果が見られれば今年のクリスマスまでに他の都市でも実施していきたい考えを明らかにしている。介護施設や学校、大学、職場など市内の至る所に新たに検査場を設置して、従来から行われているスワブ検査のほか検査結果が1時間ほどで判明するラテラルフロー検査も新たに実施し、約2千人の英軍兵士が検査キットの輸送などの支援に当たる。

        ※11/3の英国の感染者数:20,018人(日本490人の41倍、緊急事態解除基準47人の426倍)
        ※11/3の英国の死者数:397人(日本6人の66倍)
        日本の緊急事態解除基準(直近1週間の新規感染者数の合計が人口10万人当たり0.5人以下)を英国(人口約6644万人)に適用した場合、1週間当たりの新規感染者数は332人、1日当たり約47人となる。
      • 原文 November 3, 2020, BBC (若林健一)
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