2020/11/04LROニュース(7)

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  • 2020.11.04 UP
    2020/11/04LROニュース(7)
    • 【1】 欧州議会:スクラバー洗浄水の排水禁止を検討
      • 【1】10月28日、欧州議会の交通観光委員会で「より効率的でクリーンな海上交通のための技術的・運航面での手段」と題する報告書案が審議されたが、その中の施策の一つとして、指令(EU)2019/883に従い、船舶からスクラバー洗浄水や他の廃棄物残滓を海に放出するのを禁止し、船内で適正に回収・蓄積して、港湾の廃棄物処理施設で処理することを義務付け、IMOでも同様の禁止措置を提案することを、欧州委員会に対し求めることが含まれていることが分かった。同報告書には、可及的速やかに地中海に排出規制海域を設定することも含まれている。同報告書案は、今後の議論を踏まえて修正され、来年に同委員会で採決が実施される見込み。
      • 原文 October 29, 2020, Ship & Bunker(長谷部正道)
    • 【2】 第1回「持続可能な海運に対する金融に関する円卓会議」が開催
      • 【2】10月27日、IMO・欧州復興開発銀行(EBRD)・世銀の主催により、第1回「持続可能な海運に対する金融(FIN-SMART)に関する円卓会議」がオンラインで開催され、海運業界・金融界のトップや官公庁の高官ら50名以上が参加した。同円卓会議は、海運関係者等が今後、定期的に集まって持続可能な海運に移行するために必要な金融的な支援について議論し、特に開発途上国における海運の脱炭素化に必要な資金の確保について支援することを目的とする。EBRDの代表は、長期的な海運の脱炭素化を支援するために必要な金融商品を創出することが会議の目的としつつ、EBRDとして、海運関係者をとりまとめ、新技術の導入を奨励し、必要な投資ができるような方法を開発するための、海運業界にとっての脱炭素化のための道筋の形成を支援したいと表明した。世銀の代表は、海運業界は国際貿易にとって必要なばかりでなく、持続可能な発展にとって不可欠であり、海運事業への持続可能な投融資の導入を支援することによって、この円卓会議が、海運の脱炭素化を促進し、各国内における事業と雇用の機会を創出するであろうと語った。
      • 原文 October 27, 2020, IMO(植木エミリ)
    • 【3】 韓国とIMOが持続可能な海運訓練計画(GHG-SMART)に合意
      • 【3】10月27日、IMO事務局長と韓国海洋水産部長官は、途上国において船舶からのGHGの排出を削減するための4年間の「持続可能な海運訓練計画(GHG-SMART)」を開始することで覚書を締結した。この計画の実施に必要な250万ドル(約2.6億円)は、韓国がIMOに対して既に拠出しているDelivering Strategy and Reform- Voyage Together信託基金(DSR-VT TF)から支出される。この訓練計画は4年計画で、後発開発途上国と小島嶼途上国に重点を置き、IMOのGHG削減当初戦略を途上国において効果的に実施するために、対象国で不足している技術的・政策的なギャップを確定し、そのギャップを埋めるための国家行動計画を作成・実施することによって、途上国がIMOで合意した国際合意を達成することを支援する。当該訓練は、政策立案者や公的機関の職員ばかりでなく、海運・港湾・造船などの民間部門の人材も広く対象とし、既存の政策の分析と見直し、IMOの最新の規制、国家行動計画の作成方法、GHG排出量の計測方法などを国内で教えるトレーナーの育成、ベストプラクティスなどの情報の共有など、広範な事項について訓練を実施する。
      • 原文 October 29, 2020, Offshore Energy Biz(長谷部正道)
    • 【4】 世界の洋上風力発電事業の事業規模が今年に入ってから47%も急増
      • 【4】Renewable UKの洋上風力発電調査報告書によれば世界の操業中/建設中/計画中の洋上風力発電事業の累計発電能力は今年の1月中旬には137.4GWだったのが、現在までに197.4GWと、パンデミックの影響を受けずに短期間で47%も急増し、地域別では、欧州における事業が約半分の99.6GW(50.5%)となった。建設中・計画中の事業については、国別では、英国が41.3GW(1月からの増加率12%)と首位、中国が26.1GW(同80%)と第2位、米国が17.GW(同10%)と第3位で、上位3か国は変わらず、ブラジルが16.3GWで4位に躍進し、台湾が15.2GW(同65%)が5位となった。実際に操業中の洋上風力発電能力で見れば、英国(10.4GW)、独(7.7GW)、中国(4.6GW)、ベルギー(1.8GW)、デンマーク(1.7GW)の順番となっている。英国は、首相が2030年までに全家庭の消費電力を洋上風力発電で賄うという目標を宣言しており、同年までに洋上風力発電能力を現在の4倍に引き上げる予定。
      • 原文 October 28, 2020, Renewable UK(長谷部正道)
    • 【5】 質量ともに拡充著しい中国の海洋調査船
      • 【5】2019年に、中国の最新砕氷調査船の「雪龍 2」は初めて、南極海への航海を実施し、2020年8月には北極海における国際的な研究チームに参加した。雪龍2号に注目が集まる中、中国は他にも最新の漁業調査船である「藍海101」、海洋資源調査船「大洋号」、世界最大の無音調査船「東方紅3」など最新鋭の様々な海洋調査船を新たに投入し、総計で約60隻の海洋調査船を保有している。中国の海洋調査船の最新化や国際的な科学調査への積極的な参加は、世界の水産・海洋資源の一定割合を確保するとともに、公海を含む世界の海洋管理責任の一翼を担おうとするものである。中国の最新の9隻の海洋調査船に関する詳しい情報は以下のリンク参照。
      • 原文 October 2, 2020, China Dialogue Ocean(長谷部正道)
    • 【6】 欧州各国で広まるミニ住民総会が環境政策等に果たす役割
      • 【6】欧州各国では、無作為に選出された住民によって構成される総会が、気候変動問題やその他の科学的な問題について勧告を行う事例が広まりつつあり、アイルランドでは2016年から2018年に開催された住民総会により、国民投票による人工妊娠中絶の合法化や、2030年までに炭素税を4倍に引き上げる政府の計画立案に繋がった。2020年は、仏の総会が気候政策に関する149の勧告を政府に提出し、仏大統領はそのうち、環境や生態系を意図的に破壊するecosideを犯罪とすることや、同国の憲法に気候変動に関する目標を盛り込むことなどを含めた146の提言を受けいれることを表明した。スペイン・デンマーク・スコットランド政府も、パンデミックにより遅延しているものの、今後それぞれの国で気候変動問題に関する住民総会を開催することを発表している。また国だけでなく地域レベルでも、多くの市民が気候変動適応策・大気汚染・環境保護などについての政策決定に参加している。
      • 原文 October 29, 2020, Science(植木エミリ)
    • 【7】 英国政府:11月5日からイングランド全域を対象にロックダウンを実施
      • 【7】ジョンソン首相は10月31日に記者会見を行い、11月5日から12月2日までの間イングランド全域を対象にロックダウンを実施することを発表した。このまま何も対策を講じない場合、感染拡大の第1波の時の2倍以上の死者が発生する可能性があると警告している。これにより、①在宅勤務が困難な場合の通勤、通学、運動、病院への通院、生活必需品の買い出し等を除いて外出は原則禁止となる。②パブやレストランは持ち帰りの営業のみ許され、生活必需品を扱わない商店、レジャー施設、スポーツジムなどは閉店となる。③屋内や自宅の庭で異なる世帯に属する人と交流することは禁止される。④仕事の目的など一部の例外を除き国内外の旅行も禁止される。⑤運動を目的とした外出は認められ、公園などの屋外では他の世帯に属する人1名と会うことも許される。⑥学校や大学は閉鎖されない。政府は、12月3日以降は再び現在実施している3段階の警戒レベルに応じた地域ごとの対策に戻すとしているが、想定する最悪のシナリオを超えて感染の拡大が続くなか、既に閣僚の1人は、12月2日までという期限は感染拡大が収束することが前提であることを強調しており、今回の規制強化が予定の期間で終了するかは不透明である。

        ※11/2の英国の感染者数:18,950人(日本614人の31倍、緊急事態解除基準47人の403倍)
        ※11/2の英国の死者数:136人(日本8人の17倍)
        日本の緊急事態解除基準(直近1週間の新規感染者数の合計が人口10万人当たり0.5人以下)を英国(人口約6644万人)に適用した場合、1週間当たりの新規感染者数は332人、1日当たり約47人となる。
      • 原文 November 2, 2020, The Guardian (若林健一)
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