2020/10/28LROニュース(7)

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  • 2020.10.28 UP
    2020/10/28LROニュース(7)
    • 【1】BIMCO: 解決すべき課題が残ったIMO ISWG GHG
      • 【1】GHG削減中間作業部会では、技術的な現存船燃費性能規制(EEXI)と運航面でのCarbon Intensity Indicator (CII)を融合させるための提案が多数国から提出された。この案は実際のところ現存船のエネルギー設計効率化指標(EEDI)と、船舶の運航面での炭素排出効率の向上を義務付けるための格付け制度が組み合わさった案と言える。EEXIの削減率については合意され、MARPOL条約の改正案として、11月のMEPCに提案されるが、CII評価方法については、炭素効率をどのように計測するか?それぞれの船舶毎に年間CIIの限度を計算するにあたってどの要素を使用するのかなど、今回の妥協案を実際に実行に移すのに必要な重要な仕組みやいくつかの関連するガイドラインについてさらに合意する必要がある。IMOにおいて運送単位当たりのCO₂排気量(Carbon Efficiency: CE)を2030年までに2008年実績比で40%減少させることを合意した際については、CEをどのように計測するかについては何の合意もされなかった。この2030年目標が実際に船舶からのCO₂の排出量を減らすのか否かはCIIの計測方法と船舶の運航面でどのような変化が起こるかにかかっている。今回の合意案は実際にどれだけ船舶からのCO₂排出量を削減することができるかによって評価されるべきである。
      • 原文 October 23, 2020, BIMCO(長谷部正道)
    • 【2】大手エネルギー企業が共同で英国の北海で炭素回収貯留事業
      • 【2】スーパー石油メジャーのBP・シェル・トタル、北欧最大のエネルギー企業エクイノール、伊の半国有石油・ガス会社のEniと英国の送電事業者National Gridは10月26日、Northern Endurance Partnership (NEP)を結成して、BPを事業主として、陸上で回収された炭素を英国領海内の北海の海底まで輸送し貯蔵する事業開発を実施することに合意した。具体的には、英国内のティーズサイドとハンバーで構築される炭素中立/脱炭素化産業クラスターから排出されるCO₂を回収・貯留(CCS)するもので、両工業地帯は英国内でも最大級であるが、CCSと水素を活用したエネルギー転換によって、2030年までに炭素中立の達成を目指す。NEPは、両地域から排出されるCO₂を合わせて、英国の産業部門から排出されるCO₂のうち約半分を回収することを目指す。
      • 原文 October 26, 2020, BP(植木エミリ)
    • 【3】WSCのIMO ISWG GHG合意結果に対するコメント
      • 【3】10月26日、大手コンテナ海運会社の業界団体である世界海運評議会 (WSC)が標記コメントを発表したところその概要は以下のとおり。①ISWG GHGの合意結果については多くの批判があるが、WSCは各国政府が、海運の脱炭素化という最終目標を見失わず、MEPC 75のために用意された提案を支持して欲しい。②船舶のエネルギー効率の向上は重要だが、化石燃料に依存している限りGHGの排出削減量は限定的で、緊急に抜本的な対策に取り組む必要がある。③大幅なGHG削減手段としては、舶用代替新燃料の特定・開発・普及が肝要である。④新燃料の選定においては、燃料の安全性・貯蔵・エネルギー密度・大量のGHGを排出せず当該新燃料を製造できるかなど解決すべき課題は多い。⑤海運からのGHG排出量を2050年までに半減するには、2030年までにゼロ炭素船舶が出現しなくてはならず、大規模な研究開発を可及的速やかに進める必要がある。⑥MEPC 75においては、海運の脱炭素化のための技術開発を進めるために、海運業界が10年間にわたり50億ドル(約5250億円)拠出する国際海事研究開発評議会(IMRB)の設置に関する業界提案が審議されるので、海運脱炭素化の第一歩として、速やかな合意が望まれる。
      • 原文 October 26, 2020, World Shipping Council(植木エミリ)
    • 【4】豪政府が「アジア再生可能エネルギーハブ(AREH)」計画を認可
      • 【4】360兆豪ドル(約2.7兆円)を投資して、15GW(最終的には26GWに拡大予定)の合計発電力をもつ「アジア再生可能エネルギーハブ(AREH)」を建設する計画について、豪政府は10月26日、当該計画を大規模事業に認定(major project status)した。AREHは乾燥したピルバラ地域の6500㎢(ルクセンブルクの面積の2倍)の敷地に建設され、最大能力で年間100テラワット時の発電が可能である。発電された電力で水素とアンモニアを製造し、大規模な輸出を行うだけでなく、地元産業への電力供給や新たな雇用の創出、経済成長をもたらすことを目指しており、計画の最終投資判断は2025年を予定している。東京電力と中部電力の合弁会社であるJERAは、CO₂排出量削減のため、2030年から石炭火力発電所ではアンモニアを燃焼し、LNG火力発電所では天然ガスと水素を混合して使用することを計画している。AREHは10GW分の風力発電施設と5GW分の太陽光発電施設の建設計画の環境影響評価について、西オーストラリア州から既に承認を得ている。
      • 原文 October 23, 2020, Reuters(植木エミリ)
    • 【5】ギニア湾での海賊の危険性が増大
      • 【5】国際商業会議所国際海事局の海賊情報センター(IMB PRC)が10月14日に発表したデータによると、今年1月から9月までにギニア湾では14件の誘拐事件が発生し合計80名の船員が誘拐されており、これは昨年同期と比較して40%の増加で、世界で発生した誘拐事件の95%を占めている。組織化された賊は銃や刃物で武装して西アフリカ沿岸から遠く離れた沖合で、あらゆる種類の船舶を標的に活動している。BIMCO、 ICS、 INTERCARGO、 INTERTANKO およびOCIMFは10月21日に連名で声明を発表し、ギニア湾ではこの時期は乾季の訪れとともに海象が穏やかになることから海賊事件の数が増加する傾向にあるとして、ギニア湾を航行する船舶は航海計画の立案に当たって保安上のリスクを十分に考慮する必要があると警告している。また同声明は、船舶運航者や船長に対して旗国が定める要件やガイダンスに従うとともに、ベストプラクティス集(BMP WA)に定める対策の励行を求めており、さらに、海賊事件は河川や港湾、荷役施設などでも発生するとして、不審事象に対する警戒を怠らないよう舷門当直への指導を徹底するよう要請している。
      • 原文 October 22, 2020, Gard(若林健一)
    • 【6】USCG: 中国漁船のIUU漁業取締等のために西太平洋に配備を検討
      • 【6】10月23日、ロバート・オブライエン米国家安全保障担当大統領補佐官は、中国による違法・無報告・無規制(IUU)漁業やインド太平洋における他国の排他的経済水域内での嫌がらせ行為への対応を念頭に、米国沿岸警備隊(USCG)が西太平洋に巡視船を配備することを検討しており、米領サモアに巡視船を配備することの実現可能性を次の予算年度で評価する予定であると述べた。同氏は具体的な隻数などには言及しなかったものの、USCGの最新型巡視船が同地域の洋上監視や法執行能力に限界がある同盟国と協力して、漁業監視、海洋状況把握(MDA)、法執行等の業務に当たることが期待されると述べた。同氏の発言に対して今のところUSCGはコメントを控えている。
      • 原文 October 24, 2020, Reuters(若林健一)
    • 【7】コロナウィルスの抗体は感染後に急速に弱まることが判明
      • 【7】イングランドで今年6月末から7月初旬に実施した抗体検査の結果、コロナウィルに対する抗体を持つ人の割合は6%であったのに対して、今年9月に実施した抗体検査の結果ではその割合は4.4%にとどまり、わずか3カ月の間に抗体を持つ人の割合が26%も減少したことが分かった。調査に当たったインペリアル・カレッジ・ロンドンの研究者は、この結果はコロナウィルスの感染により作られた抗体は急速に弱まり、一度ウィルスに感染した人でも再び感染するリスクがあることを示していると述べている。また、抗体の減少は高齢者や無症状の感染者に多く認められ、医療従事者は定期的にウィルスにさらされることから比較的抗体を持つ人の割合が高いということも分かった。

        ※10/26の英国の感染者数:20,890人(日本496人の42倍、緊急事態解除基準47人の444倍)
        ※10/26の英国の死者数:102人(日本7人の15倍)
        日本の緊急事態解除基準(直近1週間の新規感染者数の合計が人口10万人当たり0.5人以下)を英国(人口約6644万人)に適用した場合、1週間当たりの新規感染者数は332人、1日当たり約47人となる。
      • 原文 October 27, 2020, BBC (若林健一)
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