2020/10/19LROニュース(7)

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  • 2020.10.19 UP
    2020/10/19LROニュース(7)
    • 【1】海賊により誘拐された船員の待遇に関するMLC改正が12月26日に発効"
      • 【1】標記改正の概要は以下のとおり。①規則A2.1関係:船員の雇用契約に定める契約終了期限を経過しているか否か、労働契約の終了が告知されたか否かにかかわらず、海賊または武装強盗によって、船員が身柄を拘束され、または船外に誘拐されている期間は、雇用契約は失効しない。②規則A2.2関係:雇用契約及び団体交渉による合意に基づき支払われる賃金とその他の手当ては、船員が解放され、海事労働条約に従って帰国するまで、或いは身柄拘束中に死亡するまで、全期間にわたって継続して支払われなければならない。身柄拘束中に死亡した期日については、国内法と勧告に従い決定される。③今回の条約改正によって、海上労働遵守措置認定書の第一部と第二部を直ちに改定する必要はなく、12月26日以降に実施される海事労働条約に関する定期検査の際に、改正に対する遵守状況が確認される。
      • 原文 October 15, 2020, ロイズ船級協会(長谷部正道)
    • 【2】USCG: IUU漁業取締等のため無人海上艇の海上試験を開始"
      • 【2】米国沿岸警備隊(USCG)の研究開発センター(Research and Development Center)は先週から11月5日までの日程でハワイのオアフ島の沖合で無人海上艇の海上試験を行っている。今回の試験では、USCGが研究用として所有するMetal Shark社製の無人海上艇に加え、Saildrone社及びSpatial Integration Systems社が提供する無人海上艇も使用して、無人海上艇がはるか沖合の離れた海域でも継続的に必要な情報を収集し提供する能力があるかを評価する。無人海上艇については違法・無報告・無規制(IUU)漁業や他の違法な活動からの海洋資源の保護など、USCGの業務への幅広い活用が期待されており、USCGは約180万ドルをかけて安価な商業用無人海上艇を改良して太平洋沖合における情報収集活動に活用できないか調査することを今年2月に発表していた。Saildrone社によると、同社が提供する無人海上艇は12カ月間海上での活動を継続でき、カメラや船舶自動識別装置(AIS)の受信機を装備し、また、夜間に備えレーダーや赤外線カメラも搭載できる。さらに人工知能を活用して特定の標的を検出して利用者に知らせることも可能である。同社の無人海上艇は米国海洋大気庁(NOAA)も海底、気象などのデータ収集に活用している。
      • 原文 October 15, 2020, USNI News(若林健一)
    • 【3】IMOは未だにイエメン沖の放置タンカーにアクセスも出来ず"
      • 【3】1974年に超大型タンカーとして日本で建造され、その後イエメン政府がフダイダ港の沖合で洋上の原油貯蔵施設として使用しているタンカー「SAFER」は、2015年以降反政府組織フーシ派の支配下にあって内戦の影響により保守作業が実施されておらず、船体の破損により積載している110万バレルもの原油が紅海に流出するおそれが指摘されている。今年7月フーシ派はSAFERにおける国連の調査活動の実施に同意したが、コロナウィルス感染拡大の影響もあり詳細については未だ調整中で、決定にはさらに少なくとも7週間は要すると見られている。この詳細の協議については、SAFERに搭載している原油の売却利益をイエメン政府とフーシ派でどのように分配するかが含まれている。また、2019年に同様の動きがあった際には直前でフーシ派が国連による活動の受入れを撤回しており、調査活動の実施の可能性自体が未だ不透明であるとの見方もある。
      • 原文 October 15, 2020, gCaptain(若林健一)
    • 【4】IBCコードとMARPOL Annex IIの改正が2021年1月から発効"
      • 【4】国際バルクケミカルコード(IBCコード)と有害液体物質の輸送に関するMARPOL附属書IIの改正が2021年1月1日から発効するので、危険化学物質や有害液体物質をばら積みで輸送する船舶は、輸送する貨物の分類の変更に応じて、新たな適合証書(CoF)を可及的速やかに取得して、1月1日までに船内に備置く必要がある。1月1日以前に積載された貨物については、1月1日以降でも改正前の規定に従って輸送できる。詳しい情報は以下のBIMCOのサイトを参照。
      • 原文 October 14, 2020, BIMCO(長谷部正道)
    • 【5】ReCAAP ISC: アジアにおける海賊と武装強盗(第3四半期報告書)"
      • 【5】アジア海賊対策地域協力協定(ReCAAP)情報共有センター(ISC)は、海賊・武装強盗事件に関する2020年第3四半期報告書を発表したがその概要は以下のとおり。①今年1月から9月までにアジアで発生が報告された海賊・武装強盗事件の数は既遂事件が73件、未遂事件が2件で合計75件にのぼり、前年同期の54件から39%増加している。②75件のうち71件は武装強盗事件で4件が海賊事件であった。③バングラディッシュ、インド、インドネシア、フィリピン、ベトナム、南シナ海及びシンガポール海峡で事件数が増加した一方で、中国やマレーシアの港や錨地では改善が見られた。④シンガポール海峡を航行中の船舶に海賊が乗船する事件は前年同期が15件であったのに対し22件を数え、引き続き増加傾向にある。⑤スールー海・セレベス海やマレーシアのサバ州東部沖合では引き続き船員の誘拐事件の発生が懸念され、今年1月17日には漁船の乗組員5名が誘拐され、9月20日にこのうち1名が遺体となって発見されており、残る4名も引き続き拘束されたままである。⑥フィリピンのマニラやバタンガスの港や錨地では前年同期と比較して事件数が増加しており、ReCAAP ISCは特別警報を発出し、これらの海域に停泊する船舶に警戒を怠らないよう注意を呼び掛けている。
      • 原文 October 15, 2020, ReCAAP ISC(若林健一)
    • 【6】欧州理事会:12月理事会で新たなCO₂削減目標とNDC改訂の合意を目指す"
      • 【6】10月15日から16日、欧州理事会はCO₂削減目標を55%に引き上げる欧州委員会の提案について議論を行ったところその概要は以下のとおり。①新たな削減目標の達成にはEU加盟国が一致協力して、最もコスト効率の良い方法で、競争条件の均衡化を確保し、EU域外へエネルギー多消費型産業が移転(carbon leakage)することが無いように実施することが必要。②欧州委員会に対し、各加盟国と詳細な協議を行い、各加盟国レベルでの影響評価を作成するよう要請。③12月の理事会でさらなる検討を行った上で新たな目標に合意するとともに、UNFCCCに年内に提出するEUとしての自主的なCO₂削減目標(NDC)についても合意することを目指す。
      • 原文 October 16, 2020, 欧州理事会(長谷部正道)
    • 【7】イングランドのコロナウィルス感染者数が急増中"
      • 【7】英国統計局が10月2日から8日に実施した調査の結果、イングランドでは160人当たりに1人の割合で感染者が確認され、一日当たりの新規感染者数は把握できていない数も含め2万7900人に達しているとの結果が示された。前の週に実施した同じ調査では、確認された感染者は240人当たりに1人の割合で、一日あたりの新規感染者数は1万7200人という結果であったことから、わずか一週間で感染者数が大幅に増加していることが分かる。英国全体では感染者数が毎日4~7%の割合で増加し続けており、感染者1人から何人に感染が広がるかを示す実行再生産数(R)の最新の値は1.3から1.5の間となっている。イングランドのR値は1.2から1.4の間で、イングランドのすべての地域で1.0を超えている。ロンドンを含む複数の地域では17日午前0時をもって警戒レベルが一段階引き上げられ、北西部ランカシャーではリバプールに続き最高レベルに引き上げられる。

        ※10/15の英国の感染者数:18,965人(日本552人の34倍、緊急事態解除基準47人の404倍)
        ※10/15の英国の死者数:138人(日本8人の17倍)
        日本の緊急事態解除基準(直近1週間の新規感染者数の合計が人口10万人当たり0.5人以下)を英国(人口約6644万人)に適用した場合、1週間当たりの新規感染者数は332人、1日当たり約47人となる。
      • 原文 October 16, 2020, The Guardian (若林健一)
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