2020/10/13LROニュース(7)

NEWS


※LROニュースの内容については、有料メールニュースなど営利目的での転載はご遠慮頂くとともに、2次使用の際はLROニュースからの転載である旨を明示していただきますよう、お願いいたします。

トップページ > LROニュース > 2020/10/13LROニュース(7)
  • 2020.10.13 UP
    2020/10/13LROニュース(7)
    • 【1】UN Global CompactとOHCHR等が船員の人道危機問題の終結を訴え
      • 【1】国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)と国連ビジネスと人権作業部会は国連Global Compactとともに、全ての物流チェーンに関係する企業に、パンデミックによって世界の80万人の船員が直面している人権問題を認識し、問題の解決のために行動することを訴える共同声明を10月5日発表したところその概要は以下のとおり。①パンデミックとそれに対する政府の対策によって、船員や他の海上物流に従事する労働者が受けている影響について、人権面でのDue Diligenceを実施し、可能な限りその影響の緩和に努めること。②海運業界団体等が共同で作成した「パンデミック下での安全な船員交代と船員の移動を担保するための手順に関する推奨される枠組」を関係政府が履行することを要請すること。③業界団体と労組が協力して、労使でどのような影響力を行使しうるか中身のある協議を行うこと。
      • 原文 October 5, 2020, UN Global Compact(長谷部正道)
    • 【2】カムチャッカ沖で海底生物の95%が大量死
      • 【2】ロシア・カムチャッカ半島のKhalaktryrsky海岸にタコ・大型の魚類・ウニ・カニなどの死骸が大量に打ち上げられたことから、環境問題の専門家は海洋生態系に深刻なダメージが発生したのではないかと警告し、カムチャッカ州の州知事は、海洋生物の大量死の原因は人為的な汚染か、自然現象か、火山活動に伴う海底地震の影響かは現時点では特定できないとコメントしている。カムチャッカ漁業・海洋学研究所等の研究者達が現地で水質調査および潜水調査を行ったところ、水深10-15mの海底に生息する生物の95%は死滅していたことが明らかになり、生存していた魚やエビ・カニ等はごくわずかな数で、死滅していた生物を餌とする生物も死に絶える可能性があると研究者達は10月6日州知事に報告した。調査チームのメンバーは当該潜水調査で化学やけどを負っており、同州の主要都市のペトロバブロフスクカムチャツキ―に近いコゼルスキーにある軍事試験施設から有害物質が海に流出した可能性を確認するため、試験場周辺での水質検査が実施される。
      • 原文 October 6, 2020, The Moscow Times(植木エミリ)
    • 【3】Trafigura: CO₂1トンあたり250-300ドルの燃料炭素課税を提案
      • 【3】シンガポールに本社を置く多国籍金属/エネルギー商社Trafiguraが、「IMO主導の国際海運脱炭素化プログラムの提案」と題した報告書を発表したところその概要は以下のとおり。①IMOは2018年、海運からのCO₂排出量を2050年までに半減させる目標を発表したが、8月に発表された第四次GHG試算では、何もしなかった場合、2050年のCO₂排出量は2008年比で最大130%増となる可能性があると予測している。②IMOの目標達成には、船舶のエネルギー効率化だけでは不十分で、既存船および既存船が使用する燃料と関連インフラの変革が必要となる。③そのため、IMOに対し、基準値を超えるCO₂を排出する高炭素船舶用燃料について、排出するCO₂1トンあたりにつき250-300ドルの炭素燃料課税を徴収し、その収益で低炭素・脱炭素燃料の導入を支援する仕組みの導入を提案する。④海運業界を変革し、IMOの目標を達成するには、各国政府・船主・用船者がIMOと協力して、早急に燃料課税を導入し、燃料課税の収益を低炭素・脱炭素燃料の使用に対する助成や代替燃料の研究開発支援に加え、小島嶼開発途上国等の開発途上国の気候変動対策支援に充てるべきである。
      • 原文 October, 2020, Trafigura(植木エミリ)
    • 【4】米国:再生可能エネルギーの成長で石炭火力離れが加速
      • 【4】2019年においては、太陽光・風力・水力を合計した再生可能発電が、石炭火力発電量を上回った日はわずかに38日しかなかったが、2020年は10月5日までですでに140日間に達し、3倍以上に増加した。米国における風力発電能力は昨年より10%増加して108GWとなり、大規模で商業的な太陽光発電能力も25%増加して40GWとなった。一方で、2020年夏の石炭火力発電実績は、対2019年比で7.6%減少した。米国風力発電協会によれば、現在25.3GWの風力発電施設が建設中で、さらに18.1GWの建設計画が進んでいる。また太陽エネルギー事業協会によれば、2021年から2025年にかけて、毎年100GWの太陽光発電施設が新設される予定であるが、100GWのうち、83GWが大規模商業発電となる見込み。一方で、ここ数週間で複数の大手電力会社が全米で10か所以上の石炭火力発電所の閉鎖を発表しており、石炭火力発電所の市場競争力は今後とも縮小していくものと考えられる。
      • 原文 October 6, 2020, IEEFA(長谷部正道)
    • 【5】北極海の温暖化により北極海北航路の船舶通航量が増加
      • 【5】北極海北航路(NSR)広報事務所によれば、2018年上半期にNSRを通航した船舶は47隻572航海だったが、2020年上半期は71隻935航海となって大幅に増加した。米国雪氷センターによれば、2020年の夏は北極海では史上最高の気温となり、夏季の最小海氷面積も374㎢と、1979年から2000年の間の平均面積である670㎢の約半分となった。9月にはNSRの航路上には海氷が無くなり、砕氷船の伴走も必要なく、砕氷能力を持たない通常の貨物船でも運航が可能であった。NovatekのヤマルLNG事業とGazpromのNovy Port原油事業から欧州とアジアの市場に石油・ガスを輸送する船舶が、NSRを運航した船舶の大部分を占めた。これらの専用運送船は砕氷能力を持つ新造船で1隻あたり2億ドル(約211億円)と、通常の同規模クラスのタンカーの2倍以上の建造費がかかっている。
      • 原文 October 8, 2020, The Wall Street Journal(長谷部正道)
    • 【6】イエメン沖で原油積み込み中のタンカーが機雷で攻撃される
      • 【6】10月3日イエメン中部に位置するBir Ali港の沖合で、係留ブイを使用して積荷の原油を積載中であったマルタ船籍のタンカーに漂流してきた機雷が接触して爆発した。爆発が発生する前には簡易爆弾又は機雷と思われる複数の漂流物が同船に向かって漂流していたことが報告されている。現状では本件に関して犯行声明は出ていないが、イエメン政府と分離独立を主張する南部暫定評議会との間では内戦が続いており、イエメン国内で唯一稼働しているBir AliやAsh Shihrにある石油輸出用の施設では、イエメン国内からの石油の輸出を阻止する目的で本件と同様の犯行が行われる危険性が高まっていると専門家は分析している。同船は船首のバラストタンクに損傷を負ったものの自力航行が可能で、アラブ首長国連邦のフジャイラ港に入港して積荷を移送した後に修理が行われると見られている。
      • 原文 October 9, 2020, Splash 247(若林健一)
    • 【7】 英国首相:新たに3段階の警戒レベルと制限措置を発表
      • 【7】10月12日ジョンソン首相は記者会見を行い、コロナウィルス感染拡大を防止するためにイングランドを対象に新たに3段階の警戒レベルとそれに応じた制限措置を発表した。警戒レベルはMedium(中程度)、High(高い)、Very high(非常に高い)の3段階で、「Medium」とされた地域は、店舗内でのマスクの着用、6人以上の人の集まりの禁止、パブやレストランなどの営業時間を午後10時までに制限するなど現在全国一律に適用されている制限措置が適用される。警戒レベルが「High」とされた地域では、さらに、屋内での異なる世帯間の交流が原則禁止となる。警戒レベルが「Very High」とされた地域では、屋内外を問わず異なる世帯間の交流が原則禁止となり、パブやバーなどの営業も禁止され、また同地域を出入りする移動も控えるよう求められる。さらに地域ごとに制限が上乗せされる可能性もある。現時点で警戒レベルが「Very High」とされたのは北部の都市リバプールのみで、マンチェスターなど既に地域的なロックダウンが発令されている他の北部の都市などは「High」、ロンドンを含むその他の地域は「Medium」に分類されている。

        ※10/11の英国の感染者数:12,872人(日本681人の19倍、緊急事態解除基準47人の274倍)
        ※10/11の英国の死者数:65人(日本3人の22倍)
        日本の緊急事態解除基準(直近1週間の新規感染者数の合計が人口10万人当たり0.5人以下)を英国(人口約6644万人)に適用した場合、1週間当たりの新規感染者数は332人、1日当たり約47人となる。
      • 原文 October 12, 2020, BBC (若林健一)
  • 資料閲覧 その他