2020/09/10LROニュース(7)

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  • 2020.09.10 UP
    2020/09/10LROニュース(7)
    • 【1】南アフリカにおける海洋プラスチックごみ削減対策
      • 【1】南アフリカ・ダーバン周辺の海岸は、平時は風光明媚な砂浜であるが、嵐が来ると一転して上流の河川から海へごみが大量に流れ込み、海流に乗って数百kmも沖へと運ばれていく。同国では毎年9~25万トンのごみが海洋に流れ込んでおり、海洋ごみで船舶のエンジンやプロペラが損傷し、漁網や他の漁具に絡まり、観光地としての魅力を落とすうえに、鳥・海洋性哺乳類・魚が食べて窒息したり、病気になったりしている。海洋ごみの8割は陸上起源であるため、同国の環境・森林・漁業省は、地方政府や環境NGOと連携して、住民の生活形態を変えることにより、陸上のごみの発生源に対処している。具体的には、ごみの回収頻度を増やし、河川上流域の集落におけるごみの分別やリサイクルを進めており、また海に流れる河川の河口には、浮遊するごみを集めるブームや障害物を設置し、ごみが海洋へ流出するのを防いでいるが、このブームはごみだけでなく、ホテイアオイなどの外来性侵略動植物を回収するのにも役立っている。
      • 原文 September 4, 2020, UNEP(植木エミリ)
    • 【2】コロナが海洋清掃活動に与える影響
      • 【2】米カリフォルニア州では、9月の第3土曜日を「海岸清掃日」として、海岸・公園・水路で清掃活動が行われており、回収されたたばこの吸い殻・清涼飲料水のボトルやそのフタ・レジ袋などのごみの量は、35年間に渡って記録されてきた。2019年は7.4万人以上のボランティアが参加したが、5月下旬に同州でもコロナ新規感染者数が上昇したことを受け、今年は例年どおり海岸清掃活動を行うのはリスクが高いとして、同じ形での実施を断念し、代わりに9月中の毎週土曜日に各人が自主的に近隣の海岸の清掃活動を行うことになった。しかしこの方法では、35年間同じ方法で回収・記録されてきたごみの量に関する統計の継続性・同一性が担保されないこととなる。これまで清掃活動で得られた統計は、レジ袋の使用禁止などの政策決定およびその成果の確認に役立てられてきたが、今年はコロナの影響と、プラスチック業界によりレジ袋の方が感染予防に優れているという偽りのキャンペーンがなされた結果、全米の他の州と同様に春からレジ袋の禁止が解除されたので、もし通常どおり開催されていれば、今年の記録はこうした規制の後退による影響を評価し、マスクや手袋等コロナ関連のごみが実際にどの程度海岸に集積しているかを確認するために重要なものになりえたはずである。
      • 原文 August 31, 2020, Hakai Magazine(植木エミリ)
    • 【3】2020年における海賊事件の動向
      • 【3】2000年代に入り海賊事件の多発海域として知られるようになったソマリア周辺海域においては、武装警備員の乗船など治安回復のための様々な対策の結果近年は海賊件数が激減し、世界的にみても海賊事件は減少傾向にあった。しかし、国際商業会議所(ICC)の国際海事局(IMB)によると、今年上半期に報告された海賊武装強盗事件の数は98件に及び、前年同期の78件と比較して大きく増加している。夜間に船尾から鉤付きロープを使用して船内に侵入するという従来の侵入方法に変わりはないが、近年は大型の母船を使用して沿岸から離れた場所を航行する船舶を襲撃するなど、その犯行海域は拡大し、さらに昼間の犯行も増加している。これまでは、ソマリア周辺及びアデン湾、東南アジア、メキシコ湾そして船員の誘拐事件が多発するギニア湾が海賊の多発海域とされてきたが、コロナウィルスが経済に与える影響により、他の海域においても収入源を求め海賊行為に及ぶ者が増えることが懸念されている。メキシコ湾では、海上での治安対策の勢力がコロナ対策に割かれ、襲撃件数が増加している。アジアでは、今年1月から6月までに発生した海賊武装強盗事件の件数が昨年同期の28件から倍増し、51件に達している。ギニア湾では誘拐事件が多発しており、今年に入り既に49人の船員が身代金目的で誘拐され平均6週間拘束されているなど、船員にとって最も危険な海域となっている。
      • 原文 September 7, 2020, Hellenic Shipping News(若林健一)
    • 【4】北極点直行航路による物流・地政学・環境・社会経済的影響
      • 【4】香港大学等の研究者が標記論文を発表したところその概要は以下のとおり。①今世紀半ばまでに、北極点が季節的に海氷の無い状況になって、北極点経由の短縮航路(Transpolar Sea Route: TSR)の運航が可能となる。②既存の北極海北航路(NSR)と比べると、TSRはより運航距離が短く、より大型の船舶が航行できる利点がある。③TSR開発の選択肢として、ベーリング海峡とフラム海峡に積み替え港湾を建設するという方法も考えられる。④TSRによる環境面・社会経済面での影響は地域的には大きなものとなりうる。⑤北極圏の温暖化が急速に進んでいるが、TSRが実際に運航可能となるまで、準備のための時間はある。
      • 原文 August 31, 2020, Marine Policy(長谷部正道)
    • 【5】スーパーが2025年までにプラスチック包装材を半減する方法
      • 【5】英国のスーパーマーケットが使用したプラスチック包装材は、2017年に88万トン、2018年に90万トンと、依然として増え続けているが、200万人以上の消費者は、スーパーに使い捨てプラスチックの使用を中止するよう要請するGreenpeaceの訴えに賛同している。プラスチックの汚染を防止するためには、使い捨てプラスチック包装材の使用を中止する必要がありGreenpeaceは小売事業者と政府に2025年までに使い捨てプラスチック包装材の使用を最低でも半減するよう求めている。しかし、プラスチック包装材を紙製の包装材に切り替えれば、森林資源の減少に拍車をかけるし、穀物から生産されるバイオプラスチックに切り替えれば、食物の生産を減少させることにもなる。そこでまず、使い捨てプラスチック包装材を再使用可能な包装材に切り替えるだけで、25%の使い捨てプラスチック包装材を減らすことができる。例えば、水・炭酸飲料・牛乳・ジュース等の液体の製品の大部分については、再使用可能な容器に切り替えることができる。野菜や果物はパッケージ売りをやめてばら売りにすれば包装材を削減できる。コロナ対応で、スーパーの商品の家庭への配送が増えているが、宅配用の再使用できるパッケージに切り替える良い機会でもある。
      • 原文 August 28, 2020, Greenpeace(長谷部正道)
    • 【6】MPA: Crew Facilitation Centreと政労使3者基金を創設
      • 【6】8月28日、シンガポール海事港湾庁(MPA)は、船員交代に関する新たな施策を発表したところその概要は以下のとおり。①9月1日から、MPAはPSAシンガポールの支援を得て、既存の海上浮体式居住施設を活用してCrew Facilitation Centre (CFC)を開設し、船員のための宿泊施設だけでなく、PCR検査などもできる医療センターも併設する。CFCは交代要員として新たに乗船する船員のための専用施設で、乗船する船舶とシンガポールに到着する航空機のスケジュールがうまく合わない場合に、乗船前48時間を限度に滞在できる。②MPA・シンガポール船主協会・シンガポール船舶職員/船員組合は、100万シンガポールドル(約7800万円)を拠出して、シンガポール海運3者連合Resilience基金を設立し、比や印などの船員供給国の関係者と連携して、船員待機所やPCR検査センターなどに関するベストプラクティスなどを共有して、安全な船員交代の方法などを確立することを目的とする。
      • 原文 August 28, 2020, MPA(長谷部正道)
    • 【7】英国政府:人が集まる場合の人数制限に関する規制強化を発表
      • "【7】英国政府は一日当たりのコロナウィルスの新規感染者数が増加傾向にあることを踏まえ、人が集まる場合の人数制限に関する規制を9月14日から再び強化することを発表した。現在の政府の指針では、3つ以上の世帯での集まりは屋外で6人までに制限されているものの、2世帯の集まりの場合には個人宅であれば30人まで、その他の場所であれば無制限に集まることができる。しかし今回の措置により、学校、職場、結婚式、葬式、チームスポーツなどの一部例外を除き、すべての集まりに関して人数が6人までに制限されるとともに、違反した場合には最大3,200ポンド(約44万円)の罰金が課されることになる。

        ※9/8の英国の感染者数:2,460人(日本293人の8.4倍、緊急事態解除基準47人の52倍)
        ※9/8の英国の死者数:32人(日本14人の2.3倍)
        日本の緊急事態解除基準(直近1週間の新規感染者数の合計が人口10万人当たり0.5人以下)を英国(人口約6644万人)に適用した場合、1週間当たりの新規感染者数は332人、1日当たり約47人となる。"
      • 原文 September 9, 2020, BBC (若林健一)
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