2020/08/14LROニュース(7)

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  • 2020.08.14 UP
    2020/08/14LROニュース(7)
    • 【1】 モーリシャス政府が油濁汚染除去等の費用の補償を要求
      • 【1】モーリシャス沖でばら積み船「わかしお」が座礁し大量の燃料油が流出した件について、モーリシャス首相は環境緊急事態宣言を出していたが、船主である長鋪汽船に対し補償を要求することを表明した。「わかしお」から流出した約千トンの燃料油は、ラムサール条約で保護された湿地を含む海岸線を汚染し、作業員たちは同船が折損して更なる油の流出を防ぐために、船内に残留していた約2,500トンの燃料油を汲み出した。同船は7月25日に座礁したが、燃料油の汲み出し作業を行わず放置され、波浪によって船体に亀裂が生じ2週間後に燃料油の流出が始まった。同国政府は、座礁後直ちに適切な対応を取らなかったことについて説明責任を問われている。現在、何千人もの現地住民が藁やサトウキビの葉を詰めた布製の即席ブームを作ったり、浅瀬から油を救い上げるなど油の拡散を食い止めるべく作業を続けており、こうした作業によって、流出した燃料油のうち400トン近くが除去されたと推定されている。
      • 原文 August 12, 2020, abc NEWS(植木エミリ)
    • 【2】 UNCTAD: 世界の定期船航路と港湾の接続性
      • 【2】2020年の第2四半期において、コンテナ船の定期航路を持つ港湾は世界で939港あり、仮にすべての港湾の間で直航航路をつくると、論理的には約44万組の航路が必要となるが、実際にはその2.9%の12748の直航航路しかない。つまり、港湾から港湾へのコンテナの移動の実に97.1%は、他の港湾で積み替えが必要になることになる。世界の港湾の利便性を直航航路の数でみると、上位港は、上海(286)・釜山(274)・アントワープ(268)・ロッテルダム(264)・寧波(258)・シンガポール(248)の順番となり、当該港湾での積み替えが最も便利となる路線数でみると、ロッテルダム(43k)・アントワープ(34k)・ハンブルグ(26k)の順番となり、直航航路の数ではアジアの港湾が、積み替えの利便の面では、欧州の港湾が優位に立った。荷主が海運会社を選択できる利便性からみると、直航航路のうち、1社しか就航していない航路は全体の47.2%、2社が就航している航路は21.6%で、3社以上が競合している航路が31.2%となり、最も多くの船社がサービスを提供している航路は寧波―上海間の航路で52社が競合している。
      • 原文 August 10, 2020, UNCTAD(長谷部正道)
    • 【3】 ARX: 週間海運危険度報告書
      • 【3】ARX MOULDINGSは週間海運危険度報告書を発表したがその概要は以下のとおり。①8月4日、ナイジェリアのKulaとPort Harcourt間を航行する旅客船に対して高速艇に乗った複数の賊が銃を発砲したうえ乗船し、乗客の所持品などを奪って逃走した。この襲撃により1名の乗客が負傷した。②8月1日、ナイジェリアのラゴス港に停泊中のタンカーで、当直中の乗組員が沖側の舷側に設置してある有刺鉄線を押し上げて船内に侵入しようとする5人の賊を発見した。直ちに警報を作動させ、搭乗していたナイジェリア海軍が対応したことから、賊は小型艇に乗って逃走した。③7月20日、マニラ湾に錨泊中のリベリア籍コンテナ船に複数の賊が侵入し、塗料庫や甲板部倉庫から、塗料、溶接機、電動ドリル、空気呼吸器など複数の備品を盗み逃走した。本件は当直による巡回中に発覚し、比沿岸警備隊が調査を行ったが犯人グループの発見には至っていない。④7月8日、インドネシアのナトゥナ島の南東約23海里を航行中のパナマ籍LPGタンカーに対して5人の賊が乗った小型艇が接舷しようと接近を試みた。LPGタンカーが回避動作をとるとともに乗組員が小型艇に向けて昼間信号灯を照射したところ、小型艇はLPGタンカーから離れていった。
      • 原文 August 10, 2020, ARX(若林健一)
    • 【4】 2020年上半期に風力発電と太陽光発電により世界の1割の電力を供給
      • 【4】英国の独立系気候変動シンクタンクのEmberが、世界の発電量の83%を占める48か国における2020年上半期の発電実績を取りまとめたところその概要は以下のとおり。①風力・太陽光による総発電量は、対前年同期比で14%増加し、世界の総発電量に占める割合は9.8%と、2015年上半期の4.6%から2倍以上に増加した。②国別の風力・太陽光発電の合計シェアは、独(42%)・英(33%)・EU平均(21%)と欧州諸国が高く、中・米・印・日・伯・土など他の主要国も10%以上となった一方で、露は最低となるわずか0.2%だった。③全世界の電力需要がパンデミックの影響により3%低下したことと、再生可能エネルギーによる発電量が増加したことにより、石炭火力発電のシェアはこれまでで最大となる8.3%減少した。国別では、EUと米がそれぞれ32%・31%減少した一方で、中国はわずか2%に留まり、世界の石炭火力総発電量の過半数以上となる54%を発電している。④地球の気温上昇を1.5℃以下に抑えるというパリ協定の目標達成には、石炭火力発電量を毎年13%削減する必要があり、全エネルギー中の発電シェアも2020年上半期の33%から2030年には6%まで削減する必要があるため、現在のエネルギー転換のペースを更に加速することが求められる。
      • 原文 August 13, 2020, Ember(植木エミリ)
    • 【5】 固形廃棄物による環境汚染に関する中国の規則改正について
      • 【5】中国の固形廃棄物環境汚染防止法は、特別な輸入許可のない固形廃棄物および有害廃棄物の輸入・投棄・処分を禁じており、当該法律にて適用される輸入許可制度は2011年8月1日から施行されている。9月1日より施行される新改正法では、禁止されている固形廃棄物が適切な輸入許可を得ずに輸入された場合、当該廃棄物を返送・処分する際、当該廃棄物を輸送した海運会社と輸入事業者の双方に連帯責任を課し、違反行為に課せられる罰金額も大幅に引き上げられることとなった。中国政府は、2020年下半期から、固形廃棄物の輸入量を削減し、2021年1月1日からは同国内への全ての固形廃棄物の輸入を全面的に禁止することになっており、結果的に2021年以降輸入許可制度は廃止されることとなる。
      • 原文 August, 2020, Steamship Mutual(植木エミリ)
    • 【6】 インド・アジア太平洋地域における気候変動と安全保障
      • 【6】世界38カ国の軍高官、安全保障の専門家や専門機関が参加して、気候変動が安全保障に与えるリスクに関して予想・分析し対策を検討するIMCCS(the International Military Council on Climate and Security)の専門家会合は新たな報告書を公表し、関係国のリーダーに対して気候変動をインド・アジア太平洋地域における安全保障の優先課題とするよう求めている。本報告書は以下の6つの内容について詳しく解説している。①同地域における温室効果ガスの排出削減を含め気候変動の原因への対策を同地域の安全保障上の優先課題とすべき。②同地域は、人口や経済インフラが沿岸部に集中しており気候変動に最も影響を受けやすい地域の一つであり、気候変動が安全保障分野に与える影響について重視すべき。③気候変動による河川の流れの変化、漁業資源の移動などが、地域の安全保障をめぐる緊張関係を高める可能性がある。④海面上昇と南シナ海における軍事拠点化、海洋の温暖化と漁業資源を巡る対立、地域の貧困と海賊等の犯罪組織など、多くの安全保障問題が気候変動と密接にかかわっている。⑤人道支援や災害救援に関する軍事部門の能力強化など、予測可能な課題への対応は地域としての責任である。⑥情報交換や過去の教訓の共有等を可能とするため、各国間における安全保障分野の調整機能やネットワークをより良いものにすることが必要。
      • 原文 July, 2020, IMCCS(若林健一)
    • 【7】 国民の約6%、ロンドン市民の約13%が既にコロナウィルスに感染か
      • 【7】英国政府の発表では、8月12日時点での国内のコロナウィルス感染者数の累計は313,798人で、これは全人口の約0.5%にすぎない。しかし、インペリアル・カレッジ・ロンドンが10万人を対象に実施した抗体検査の結果によると、実際はそのおよそ10倍に当たる約340万人(全人口の約6%)が既にコロナウィルスに感染している可能性があることが分かった。また、7月中旬までにロンドン市民の約13%に当たる110万人以上がコロナウィルスに感染したとする結果も示している。仮に抗体が再感染の防止に有効であればこの結果は良いニュースとなるが、残念ながら現時点においては感染によりできた抗体が体内にどれくらいの期間留まるのかなどは明らかになっていない。

        ※8/12の英国の感染者数:1,009人(日本701人の1.4倍、緊急事態解除基準47人の21倍)
        ※8/12の英国の死者数:77人(日本7人の11倍)
        日本の緊急事態解除基準(直近1週間の新規感染者数の合計が人口10万人当たり0.5人以下)を英国(人口約6644万人)に適用した場合、1週間当たりの新規感染者数は332人、1日当たり約47人となる。
      • 原文 August 13, 2020, Evening Standard(若林健一)
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