2020/08/06LROニュース(7)

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  • 2020.08.06 UP
    2020/08/06LROニュース(7)
    • 【1】 欧州委員会: 炭素国境調整制度についてパブコメを開始
      • 【1】2050年までの炭素中立を目指すEU Green Dealでは、「EUが脱炭素化に係る目標を引き上げた結果、同様に高い目標を持たない域外諸国と比べて、アルミニウムや鉄鋼などのエネルギー多消費型の産業分野において競争条件の格差が生じ、有利な競争条件を求めて当該産業が域外国に流出する(Carbon Leakage: CL)ことを防ぐため、欧州委員会は炭素国境調整制度(CBAM)を提案する」ことが強調されており、欧州委員会は7月22日、CBAMの案を公表し、10月28日までパブコメを受け付ける。CBAMの具体的な形態としては、以下の4つの選択肢が提案されている。①EU ETSの適用範囲を輸入品に拡大し、輸出企業に排出権を購入させる。②EU域外からの輸入品を対象としたEU ETSの別枠を設ける。③CLが発生する可能性の高い燃料多消費型の特定の製品について、輸入国境関税を創設する。④上記特定の製品について、EU域内で製造されたものも含め、消費段階でVATまたは個別消費税にあたる炭素税を課す。
      • 原文 August 4, 2020, Latham & Watkins(植木エミリ)
    • 【2】 気候変動による猛暑の影響で何百万人もが死亡
      • 【2】2020年に入ってから、イラクから米国南西部に至るまで、世界中で猛暑記録が更新されており、気候変動が進む限り、状況は今後も悪化の一途を辿るとされている。米国の複数の大学の研究者と気候変動経済学者によるClimate Impact Labが、各国の気温記録と死亡率の相関性を分析した研究によると、猛暑の影響によって、今世紀末までにHIV・マラリア・黄熱病などの全ての感染症で死亡する人数とほぼ同程度の死者あが出る可能性があることが分かった。具体的には、人類が現状のレベルでGHGの排出を続けた場合、2100年には猛暑の影響で1万人につき7.3人が追加的に死亡し、バングラデシュ・スーダン・パキスタンのような酷暑の影響を受ける最貧国では、1万人につき20人が追加的に死亡する可能性がある。仮に各国が相応のGHG削減努力を行い、GHG排出量が2040年にピークアウトすると仮定した場合、1万人当たりの追加死亡者数は1.1人に減少するが、それでも全世界で100万人以上が追加的に死亡する。経済的に豊かな国では、冷房や都市型冷却センターなどの適応策を取ることによって追加的死亡率を約3割減らすことができるものの、貧しく気温の高い国では、こうした贅沢な適応策をとることができない。
      • 原文 August 3, 2020, MIT Technology Review(植木エミリ)
    • 【3】 比大統領:南シナ海における他国との共同軍事演習に参加しないことを表明
      • 【3】先月、米国は中国による南シナ海での権益主張を完全に違法であると非難するとともに、最近は豪などの同盟国と南シナ海で共同軍事演習を実施している。比国防大臣は8月3日、比大統領の指示により南シナ海における緊張状態を緩和するために、今後比は自国の領海外の南シナ海で行われる他国との共同軍事演習には参加しない方針であることを明らかにした。比大統領は先週行った施政方針演説の中で南シナ海を巡る中国との争いに関して、現状では比が主張する海域は中国のものになってしまっていると述べ、中国と戦争をする余裕は比にはないとして外交努力による解決を目指すべきであると主張している。これに対して比国内では、当該海域は比の排他的経済水域であって決して「中国が有する海域」ではないといった指摘や、ベトナム、マレーシア及びインドネシアは中国に対して自国の権益を主張しているが戦争には至っていないといった指摘など、比大統領の姿勢を批判する声も上がっている。
      • 原文 August 4, 2020, Phil Star(若林健一)
    • 【4】 8有志国が港湾におけるMASS運航のための新たなネットワークを創設
      • 【4】8月4日、中・日・蘭・韓・星・デンマーク・フィンランド・ノルウェーの8有志国と、IMO・国際航路標識協会(IALA)・国際港湾協会(IAPH)は、virtualの会合を開催して、港湾における海上自律運航船(MASS)の試験・運航に関する新たなネットワーク(MASSPorts)を発足させた。本組織の具体的な目的として以下の3点が合意された。①IMOのMASS試験運航のための暫定ガイドラインに従い、港湾におけるMASS試験運航の詳細なガイドラインと条件を定める。②各港湾の間のMASS運用制度の相互互換性を図るため、用語・連絡の様式と基準・船舶から港湾管理者への報告事項などの共通化を進める。③上記ガイドラインの実効性と、異なるシステムの間の互換性を実際に試し、港湾と港湾の間のMASSの運航に関する新たな課題を特定するために、異なる港湾の間における試験運航を促進する。
      • 原文 August 4, 2020, MPA(長谷部正道)
    • 【5】 BP: 2030年までに50GWの再生可能発電を達成する目標
      • 【5】BPの年間総設備投資額は2020年で約120億ドル(約1.2兆円)だが、同社は2月に低炭素エネルギーへの投資を2019年実績の年間5億ドルから2025年までに年間30-40億ドルに引き上げ、最終的には2030年までに50億ドル(約5250億円)まで拡大することを発表していた。8月4日、再生可能エネルギーに対する具体的な目標として、同社が現在保有している2.5GW分の再生可能エネルギーによる発電施設を2025年までに20GW、2030年までに50GWまで増強することを発表した。一方、化石燃料の開発については、既に事業を展開している国での新たな資源開発の可能性はあるものの、生産実績のない国での新たな資源開発は行わないとしている。BPはこの新戦略の発表と合わせて、既存の石油・ガス開発投資のうち、65億ドル(約6800億円)分を減損処理することも発表した。
      • 原文 August 4, 2020, BP(植木エミリ)
    • 【6】 IMO第4次GHG報告書:世界の総GHG排出量に占める海運のシェアが増加
      • 【6】8月4日に発表されたIMO第4次GHG調査報告書(UMAS作成)によれば、世界で年間に排出されるCO₂総量における海運から排出されるCO₂の割合は、2012年には2.76%だったのが、2018年には2.89%に増加した。海運から排出されたCO₂の排出総量で見れば、2012年には9.62億トンだったのが、2018年には10.56億トンに増加した。輸送単位当たりの炭素排出量であるcarbon intensityに関するIMOの削減目標は既に達成されていることが確認された。NGOのInternational Council on Clean Transportation (ICCT)によれば、船腹量の上昇率が船舶のエネルギー効率の改善を上回っているため、船舶から排出されるCO₂の総量は、2050年には対2008年実績比で、130%も増加すると予測している。ICCTは、燃費の改善率は、2015年から鈍化しており、年間で1-2%しか改善しておらず、新たな低炭素/ゼロ炭素燃料の開発に加えて、風力の活用や空気潤滑システムなどの革新的な燃料効率の改善技術の開発を加速化する必要があるとも指摘している。
      • 原文 August 4, 2020, Reuters(長谷部正道)
    • 【7】 ロンドンの3分の2の地域で新規感染者が増加傾向
      • 【7】世界保健機関(WHO)のコロナウィルス担当欧州特使は8月5日、英国の首都ロンドンの3分の2を占める22の地域で新規感染者や感染率が増加傾向にあることを踏まえ、今ロンドンはコロナウィルスとの戦いにおいて重大な局面を迎えていると警告し、ロンドン市民に対して、気を緩めることなく社会的距離の確保や手洗いなどの衛生習慣を維持するよう求めた。

        ※8/4の英国の感染者数:670人(日本960人の0.7倍、緊急事態解除基準47人の14倍)
        ※8/4の英国の死者数:89人(日本4人の22倍)
        日本の緊急事態解除基準(直近1週間の新規感染者数の合計が人口10万人当たり0.5人以下)を英国(人口約6644万人)に適用した場合、1週間当たりの新規感染者数は332人、1日当たり約47人となる。
      • 原文 August 5, 2020, Evening Standard(若林健一)
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