2020/07/30LROニュース(7)

NEWS


※LROニュースの内容については、有料メールニュースなど営利目的での転載はご遠慮頂くとともに、2次使用の際はLROニュースからの転載である旨を明示していただきますよう、お願いいたします。

トップページ > LROニュース > 2020/07/30LROニュース(7)

記事アーカイブ

  • 2020.07.30 UP
    2020/07/30LROニュース(7)
    • 【1】シンガポールMPA: 船員交代に関する新たな規制強化の内容
      • 【1】シンガポール海事港湾庁(MPA)が標記規制強化を発表(Port Marine Circular No. 31/2020)したところその概要は以下のとおり。①交代要員としてシンガポールに入国した船員のコロナ陽性が確認される事例が発生したため、再発防止策として、交代要員として同国に出発する前に、交代要員の自国で2週間自主隔離を実施し、船主・船社・代理店は、交代要員に適切なPCR検査を受けさせ、シンガポール到着後は空港から船舶に交代要員を直送すること。②船員交代の申請については、MPAはシンガポール船籍の船舶からの申請と、交代要員が乗り込まずに、労働契約が切れた船員を下船させるだけの申請を優先的に審査する。それ以外の申請については㋐船員が船上で労働できる最大の法定期間以上乗務し、雇用契約の延長が旗国から認められない場合。㋑近親者が死亡した場合など真に同情すべき理由がある場合。㋒船員が乗務することができない健康状態にある場合。に限って審査を行う。③上記条件に合致する船舶は船員交代を実施する少なくても2週間前までにオンラインで申請を行う。
      • 原文 July 24, 2020, MPA(長谷部正道)
    • 【2】米国国防権限法:北極海の戦略港湾の建設・管理等について経費見積を要求
      • 【2】米国の上院議会は7月23日に、総額7,316億ドルの支出を内容とする国防権限法(The National Defense Authorization Act)の案を可決した。同法案は国防長官に対して、昨年の国防権限法に従って候補に挙げた北極海の各戦略港湾について、建設、管理及び運用に要する経費の見積に関する報告書を2021年3月1日までに提出することを求めており、国防総省は同報告書提出の3カ月後に1ヵ所以上の戦略港湾を指定して2030年までに建設が完了する計画となっている。また、同法案は北極海におけるミサイル防衛システムの改修も内容に含んでおり、同システムの現状に関する報告書を3カ月以内に提出し、必要な改修を1年以内に終えることを求めており、10万ドルがこれに充てられる。さらに同法案には、北極海の安全保障に関する新たな研究施設「The Ted Stevens Arctic Center」の設置、永久凍土の融解が軍の施設や国の安全保障に与える影響に関する報告書の提出、北極海における通信を向上させるための通信衛星の整備なども含まれている。
      • 原文 July 27, 2020, Arctic Today(若林健一)
    • 【3】USCG: 8月10日までに原子力砕氷船の建造計画等を作成
      • 【3】トランプ政権は6月9日、原子力砕氷船の建造に関する検討を含め、米沿岸警備隊(USCG)による現行の砕氷船建造計画の見直しを指示したが、これを受けてUSCGは8月10日までに原子力砕氷船の建造に関する計画を報告する。露は現在9隻の原子力砕氷船を有している一方で原子力を推進力として使用する米艦船は空母や潜水艦に限られており、北極海では、インフラ整備が脆弱であるため給油せずに長期間行動できる能力や、砕氷しながら前進するために巨大な推進力を要することから、これらを可能とする原子力船の導入は非常に魅力的である。今回の報告書は、今後6年間で建造する砕氷型巡視船3隻の建造計画は着手済みであるためこれには影響を与えない一方、2026年以降に建造を計画している砕氷船3隻の建造計画として採用される可能性がある。
      • 原文 July 28, 2020, Breaking Defense(若林健一)
    • 【4】香港:船員交代のみならず船舶の寄港自体を制限
      • 【4】7月29日から香港政府は、香港に日用品を輸送する船舶を除き、船舶が給水・給油等のために香港港に寄港することを禁じた。これまで船員と航空機のクルーに認められていた検疫の適用除外措置も撤廃された。日用品輸送のため寄港が認められる船舶についても、船員交代を実施する際には、船員は船舶と空港間の移動のみ認められる。
      • 原文 July 28, 2020, RTHK(長谷部正道)
    • 【5】水素協議会:参加企業が90社以上に拡大
      • 【5】2017年のダボス会議にて発足した水素協議会(Hydrogen Council)は、各国政府・産業界・投資家が連携して、水素技術によるエネルギー転換を世界的に促進するため、大手多国籍企業や革新的な中小企業のCEO主導の下、水素・燃料電池分野への投資の促進や、適切な政策の策定と実施の実現を目指している。7月27日、新たに11の企業が加わり、加盟企業は発足から3年で13社から92社に拡大し、企業全体の収益規模は18.9兆ユーロ(約2320兆円)、従業員数は650万人以上に達した。11社の内訳は、運営メンバーとしてCMA CGM・Microsoftの2社、支援メンバーとして日本郵船・ロッテルダム港など7社で、2つの投資企業は、2020年1月に発足した水素協議会の投資家グループに所属し、投資家コミュニティと水素産業界の橋渡し役として、大規模な水素プロジェクトへの投資を促進していく。また今回、協議会の共同議長にはトヨタ会長が選出された。新たに参画した11社は、欧州・アジア・豪・米・UAEといった世界各国の企業であり、業種別でも、化学・自動車・エネルギー・素材技術・海運・港湾・デジタルと多岐に渡っており、様々な国や産業界における水素への関心の高まりを反映している。
      • 原文 July 27, 2020, Hydrogen Council(植木エミリ)
    • 【6】マースク:中小荷主用サプライチェーン管理プラットフォームを開発
      • 【6】中小荷主は、多くの商品の配送を複数の物流事業者を通じて顧客に配送するなど、日常業務の急速なグローバル化・複雑化・迅速化に対応する必要性に迫られているが、中小荷主が、工場から市場までの複雑なサプライチェーンを管理するのを支援するため、マースクは新たなデジタルプラットフォームであるMaersk Flow (MF)を開発したと7月28日発表した。MFを活用すれば、中小荷主はサプライチェーンの透明化を向上することが可能で、商品や必要書類が当初計画とおりに配送されているのをリアルタイムで確認することが可能になり、またこれまでのスプレッドシートやメール・電話等を利用した手作業を減らして省力化し、人為的なミスも防ぎ、物流コストを削減することができる。また、物流担当者はMFを活用することによって、サプライチェーンを持続的に改善するのに必要な全ての現在・過去の情報をMFから得ることができる。
      • 原文 July 28, 2020, Maersk(長谷部正道)
    • 【7】英国政府がコロナ対策の一環として肥満防止計画を公表
      • 【7】英国政府は、コロナウィルスに感染し重症化した患者のうち肥満の人が占める割合が通常よりも高いという結果を踏まえ、コロナ対策の一環として肥満防止計画に乗り出した。ジョンソン首相は、自身がコロナウィルスに感染し重症化した一因に肥満が関係していると述べており、対策には、高カロリー又は糖分を多く含む食品を店内に並べる場所の制限、飲食店でのメニューへのカロリー表示、午後9時までファストフードのテレビCMを禁止すること等が含まれている。

        ※7/28の英国の感染者数:581人(日本599人の1倍、緊急事態解除基準47人の12倍)
        ※7/28の英国の死者数:119人(日本2人の60倍)
        日本の緊急事態解除基準(直近1週間の新規感染者数の合計が人口10万人当たり0.5人以下)を英国(人口約6644万人)に適用した場合、1週間当たりの新規感染者数は332人、1日当たり約47人となる。
      • 原文 July 27, 2020, BBC(若林健一)
  • 資料閲覧 その他